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令和3年度 3月議会 一般通告質問 「Q&A」
一. 新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響について
二.人口減少に歯止めをかけるための施策について
三. 地球温暖化防止への取り組みについて
館山市議会議員 鈴木ひとみ
登壇日 令和3年3月2日(火)
(質疑応答 Q:鈴木ひとみ)
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一. 新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響について
新型コロナウイルス感染症は、館山市内では、都会のような広がり方を見せていないが、飲食店は営業時間
を短縮し、パートやアルバイトのシフトが減った、ずっと休みになってしまったという声を聞く。一方自粛中でも観
光客で海岸周辺を中心に賑わっている。この間、市民の生活にどのような影響が出たのか、把握されているこ
とを伺う。
Q1. コロナ禍での失業者数、倒産又は廃業数の把握と中小企業融資制度の利用状況を伺う。
A. 失業者数はハローワークでも確認していない。安房管内の雇用保険の資格喪失者数で比較した場合、令和
2年4月から11月の間で2,683人となっており、前年同時期と比べ9.3%減少している。倒産や廃業者数は東
京商工リサーチ千葉支店の調査により千葉県内の令和2年の倒産件数は232件で前年比11.4%と減少しい
るが、令和2年の休廃業・解散件数は1,662件で前年比12.3%増加している。新型コロナウイルス感染症より
影響を受けている事業者に対しては、融資制度や給付金等の各種支援策により、倒産の抑制につながっている
ものの新型コロナウイルス感染症の終息が見えない状況で、事業を諦めてしまう事業者が増加しているのではな
いかと推測している。
中小企業融資制度の利用状況は、令和3年2月16日現在で運転資金493件21億3510万円、設備資金
は57件6億4928万円 合計550件27億8438万円となっている。
Q2. 社会福祉協議会の活動(緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付、住居確保給付金)
の利用状況の把握と生活困窮による市民からの相談の状況を伺う。
A. 2月15日までに決定した緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付の社会福祉協議会への相談件数191件
で貸し付け決定に至ったのは188件。昨年度は1件なので、かなり増加している。住居確保給付金は16世帯
本年3月分までの支払い見込みを含めて333万6200円となり、昨年度2世帯30万7000円より大幅に増加
している。
生活困窮による市民からの生活保護の相談は「コロナ禍」に起因するケースはそれほど多くない。国が準備した社
会福祉協議会を窓口とする各種貸付制度が活用され、生活保護制度を利用することなくある程度の生活水準
の維持が図られたと考える。市としては、社会福祉協議会とも協力し、市民の多様なニーズに応えられるようにし
ていきたいと考える。
Q3. コロナ禍において影響を受けている飲食店以外の事業所へ、中小企業融資制度以外の
支援策があるのかを伺う
A. これまで、「ミラ・めし・館山」、「みら・たび・たてやま」、プレミアム商品券事業、キャッシュレス決済ポイント還元事
業商店街スタンプラリー事業を実施してきた。現在申請を受け付けている中小企業等事業所家賃支援助成金
については、令和3年2月16日現在で359件3,590万円となっている。国や県の支援策は「持続化給付金」「
家賃支援給付金」「雇用調整助成金」「千葉県中小企業再建支援金」「セーフティネット保証4号、5号、危機
関連保証」等が実施されている。新たな支援策として「売り上げが減少した中小事業者に対する一時支援金の
支給」「事業再構築補助金特別枠の創設」「持続化補助金の要件緩和」等が、予定されていると聞いている。
《解説》
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事業者の実態を市がきちんと把握する仕組みがない。状況を把握しなければ適切な支援はでき
ない。状況を把握されないまま事業の継続をあきらめてしまう事業者もいると考えられる。数字でと
らえる仕組みがなければ、事業者の声を直接聞くべきである。
社会福祉協議会を通じた貸し付けが増えていることから、経済的に困窮した市民はいると考えら
れる。今後も国や県の支援策を広報するとともに、実態に合った支援策を考えていく必要である。
中小企業融資制度について、零細な事業者は借り入れを拒否されたとか、逆に市が元金の1割
を負担するので得だといって必要がなくても借り入れを進められたという話を聞く。市として、しっかり
チェックすることを求める。
市内の1次産業も大きな影響を受けている。これについても状況を把握し必要な支援をすべきで
ある。 |
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二.人口減少に歯止めをかけるための施策について
高齢化が進み、10年後の存続が不安な地域がある。令和元年度の合計特殊出生率は1.2とこれまでに比べ
て大きく落ち込んだ。今、館山市は移住の候補地として注目されるようになり、令和2年4月から令和3年2月
までの人口減少傾向は緩やかになっている。若い世代の移住を促すためには子育て環境の整備が必要だと考
える。
Q1. 合計特殊出生率の落ち込みの原因をどのように分析しているかを伺う。
A.館山市の合計特殊出生率は、平成27年、28年は1.44、平成29年は1.46、平成30年は1.54で推移し、
高い水準にあったが令和元年は1.20と低い結果となった。令和元年と平成30年を比べると出生数が274人から
202人へと72人減少しており、30歳代の出生数が166人から103人へと63人減少しており、30歳代の出生数
の減少が大きな特徴である。分母である女性人口は前年から200人程度の減少で近年と大きく変わっていない。
婚姻数も平成30人は前年から19件減少して161件となり、減少幅が大きくなっている。現在これ以上の分析は
難しいが、今後も注視し、検証を続けていく。
Q2. 20代から30代のUターン、Iターン、Jターンを促すための施策を伺う。
A. 館山市では、移住定住相談をNPO法人おせっ会に委託している。おせっ会の移住相談を経て移住した人の実
績は2月15日時点で17件37人、20~30代は6人である。
人口動態で見ると、他地域からの転入による社会増は4月から1月までの間に1,400人増加している。
その他の移住支援策としては「館山市UIJターンによる企業・就業者創出事業移住支援金」制度により、単身
世帯で60万円、2人以上の世帯には100万円が支給されることになった。更に子育て世帯の移住には「館山
市移住定住促進助成金」により月2万円を上限として月額家賃の1/2を助成している。「南房総のお仕事探し
in東京」「安房地区合同進路セミナー」をインターネットで公開する。
Q3. 子育てコンシェルジュ、子育て世代包括支援センターの活動実績を伺う。
A. 子育てコンシェルジュは年間700件の相談を得、適切な支援につながり、子育てサービスのニーズを把握する機
会にもなっている。子育て世代包括支援センターたてっ子は昨年10月に開設し、母子手帳交付時の妊婦面談
が82名で、随時相談も受けており、状況によっては地区担当保健師が電話・面接・訪問による対応を随時行っ
ている。
Q4. 子育て世代の移住が増えている自治体は、子育て支援策が充実し、わかりやすく発信して
いる。館山市では子育て支援を充実させるために今後どのような施策を考えているかを伺う。
A. 令和3年度から産後ケア事業として、出産後、支援を必要とする産婦に対し、ショートスティ、デイケア、訪問によ
る支援を行う予定である。引き続き「第2期子ども・子育て支援事業計画」に位置付けた取り組みを実施していく
。情報発信は、健康課、こども課を中心に関係課と連携し、子育て世代の方々にとってわかりやすい情報発信
に努める。
Q5. 保育園、こども園、幼稚園、学童保育の応募状況と今後の定員の見直しについて伺う。
A. 令和3年度の保育園、こども園の申し込み人数は、公立、私立を合わせて619人となっている。定員705人に
対して余裕があるので、定員の見直しは考えていない。
幼稚園は480人に対して入園を申請した児童が214人で定員を大きく下回っている。今後定員の見直しを含
めた幼稚園の在り方を検討していく。
公設民営の学童保育は全体の定員395人に対し申請数は393人だが希望学童に偏りがあり、高学年児童の
一部が入所保留となっている。定員拡大は、施設面など難しい点もあるが、今後の希望者の推移を見極めなが
ら検討する。
《解説》
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30代女性の出産数の落ち込みは、第2子以降の出産を控えている可能性も考えられる。生き方
が多様化し、子どもを産まない生き方を選ぶ人も増えている。その中で出産数を減らさないために
は、もう一人子どもを欲しいけれども何らかの理由でためらっている人が安心して産み育てられる環
境づくりが必要である。一時預かり、保育園の産後の預かり期間の見直し、男性の育児休暇取得
の推進が求められる。
市内の高校生が大学や専門学校へ進学するにあたって、看護師、介護士、理学療法士、保育
士などの資格取得を目指す学生が多くいる。彼らが地元で資格を活かした職業につけば、多くの
課題解決につながる。地元から上級学校へ進学した女性が戻ってこないことに危機感を抱いた豊
岡市では、戻らない理由を分析し、その一つに男女格差をあげた。館山市でも同様の状況がある
と考える。あらゆる場面での男女格差の解消に真剣に取り組んでもらいたい。働き方、家庭の状
況が変わっている中で、幼稚園、保育園、こども園の定員、三歳児の短時間保育、学童保育の
定員は、早急に見直されるべきである。
少子高齢化、人口減少を受け入れて対応したまちづくりを進めるのも一つの方法だが、館山市に
は子育て環境の整え方次第で人口を増やせる可能性があると考える。
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三. 地球温暖化防止への取り組みについて
ここ1年、世界でも日本でも地球温暖化防止のために脱炭素の取り組みが強まってきている。大企業は取引
相手にまで再生可能エネルギーの使用を要望している。環境省、経産省は今後グリーンリカバリーの取り組みを
強化していくといっている。この流れの中で、館山市としても積極的な取り組みをお願いしたい。
Q1. 令和2年度の住宅用省エネルギー設備費補助金の利用実績を伺う。
A. 令和2年度太陽光発電設備3件、定置用リチウムイオン蓄電システム30件の交付申請があり、そのすべてに
交付を決定した。
Q2. 千葉市で行った再生可能エネルギー由来の電気の共同購入を館山市でも進められないか
伺う。
A. 本事業は「再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業」で太陽光や風力など自然の電力を利用したい家
庭などを募集し、電気を共同購入する仕組みである。館山市も千葉県が作成したポスターやチラシで周知を行っ
ており、今後新たに募集があった場合は千葉県と協力し広報したい。
Q3. 気候非常事態宣言に関して、その後の検討状況を伺う。
A. 脱炭素社会の実現に向けては、理念だけの発信ではなく、館山市の状況にあった効果的で実効性のある取り
組みも含め検討している。
《解説》
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清掃センターの延命化工事によって、二酸化炭素の排出は8%削減される。生ごみのたい肥化、
古着、プラスチックのリサイクルの仕組みを作り、市民の協力を得ることができれば、ゴミの焼却によ
る二酸化炭素排出はかなり削減され、焼却炉の延命化にもつながる。また、排熱を使った様々な
システムが開発されているので、新しい技術を取り入れて、排熱の有効活用も考えて欲しい。
現在地球温暖化防止の課題については、世界中の多くの研究機関、企業が取り組んでいる。市
が協定を結んでいる大学、企業でも知恵や技術を持っている。なければ協力できる団体を積極的
に探して早急に取り組んでほしい。大手企業が脱炭素化を図り、小泉環境大臣は、今後5年以
内にカーボンニュートラルの先行地域を作るといっている。館山市は取り組み方次第では、これに手
をあげられるポテンシャルを持っていると考える。積極的に調査研究し、政府の動向にもアンテナを
高くして、地球温暖化防止に取り組んで欲しい。地球温暖化がさらに進み、海洋生物が変化し、
風水害が甚大化すれば、被害を受けるのは館山市民である。」 |
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