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総務委員会 委員長報告 |
委員長 望月 昇 |
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令和5年 第4回市議会定例会 |
登壇 令和5年12月25日(月) |
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議案第73号、議案第74号、議案第77号、議案第78号、議案第80号にかかる、総務委員会における審査の
経過及び結果について、御報告申し上げます。
去る12月18日の「本会議」において、本委員会に付託されました議案につきまして、同日、委員会を招集し、慎
重に審査を行いました。
以下、その質疑応答等、主なものについて申し上げます。
議案第73号
館山市職員給与条例等の一部を改正する条例の制定について
この改正により、全職員の人件費はいくら増えるのか と聞いたところ
3,930万円ほど増える見込みである との説明がありました。
議案第74号
館山市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について
出産被保険者にかかわる産前産後期間の国保税免除の周知方法は と聞いたところ、
市の広報紙やホームページへの掲載のほか、市民課窓口へのパンフレットの設置や母子手帳を交付する際にチラシ
の配布を検討している との説明がありました。
議案第77号
財産の無償貸付について
地元地域の同意は得られているか。また、住民からはどのような意見があるか と聞いたところ、
民間提案制度による募集を開始するにあたり、地元連合区長会長、コミュニティ会長、公民館長へ説明を行い、
同意を得たうえで実施した。応募事業者の審査会においては、審査委員に地元の方2名が加わり審査を行って
いる。
また、優先交渉権者が決定後は、地元の区長会に出向き、説明を行ってきた。回数を重ねるごとに「いつから実施
するのか、楽しみにしている」等の意見もあり、地元の理解は得られているものと考えている との説明がありました。
また、体育館やグラウンドの活用について再度、民間提案の募集を行う考えはあるか と聞いたところ、
今のところ予定はしていない。グラウンドについては、地域の方が頻繁に利用しているため利活用は難しい。体育館
については、今回、要望がなかったこと、また、施設が老朽化していることもあり、民間提案型の活用については考え
ていない との説明がありました。
議案第78号
和解について
賃貸借契約の賃料は今までと同じか と聞いたところ、
今までと変更はない との説明がありました。
また、従前と違う点は何か と聞いたところ
通常予見不可能な災害等による損傷に対する保険契約を明確にした との説明がありました。
議案第80号
令和5年度館山市一般会計補正予算(第8号)について
第2款 総務費の移住者定住促進助成金に関して、予算の上限は何件か と聞いたところ、
上限はないが、移住相談を受けている中で、家族構成や移住の実現性を考慮し、予算の範囲内で交付している
との説明がありました。
第3款 民生費の障害介護給付費に関して、障害を持った人に寄り添ったサービスをしているかどうかのチェックは
どのように行っているか と聞いたところ、
事業所から実績報告の提出があるので、各々の計画書と合致しているか確認をしている との説明がありました。
第4款 衛生費の清掃センター設備改修事業に関して、大規模改修工事と同時に実施しなった理由はと聞いた
ところ、非常用発電機の不具合は8月の定期検査で見つかったため、 大規模改修工事と同時には実施できな
かったとの説明がありました。
また、耐用年数は と聞いたところ、非常用発電機の耐用年数は15年~30年とされているが、現在の非常用発
電機は40年近く稼働しているとの説明がありました。
第6款 農林水産業費の有害鳥獣対策費に関して、現在までの捕獲頭数は と聞いたところ、
令和5年4月から11月末までのイノシシの捕獲頭数は、1,481頭 との説明がありました。
また、今回の補正で要求している捕獲頭数で足りるのか と聞いたところ、
冬場は、捕獲頭数が減る傾向にある。増えた場合には、補正で対応したい との説明がありました。
第8款 土木費の道路新設改良費に関して、この工事で安全対策は大丈夫なのか と聞いたところ、
市道9052号線の供用開始にあたり、稲交差点に繋がっている県道を閉鎖することになる。
その対応について、千葉県警との協議の中で、安全面から改良工事を行う必要が生じた。稲交差点の計画は、
道路幅員を広げて東側に線形を張るという完成形の計画もあるため、今回の工事については、暫定的な整備を
行うもの との説明がありました。
第9款 消防費の防災行政無線整備事業に関して、補正予算を計上した理由及び今後の方針を聞いたところ、
この事業は、8月の事業仕分けで、「要改善」との評価を受けたが、今回計上した4ヶ所の子局(こきょく)については、更新が必要であると判断した。
平成19年度以降にデジタル化した120か所の子局(こきょく)について、無線装置が15年から16年程度が経過し
ているため、今後、その更新も考えていかなければならない との説明がありました。
次に 全体をとおして債務負担行為補正説明書の海水浴場監視委託料に関して5年契約で年間1,500万円
の理由は と聞いたところ、
委託の内容は、4つの海水浴場を37日間開設し、年間延べ800名で監視を行うもの。事業費の主なものは、
監視員の人件費、仮設監視所、無線機、レスキューボード等の資器材になるが、費用の高騰により委託金額が
上がっている との説明がありました。
移住相談業務委託料 に関して、
今回から債務負担行為にした理由は、また、3年契約の理由は と聞いたところ
同一事業者と10年近く随意契約を行ってきたことから、契約の透明性、中立性を確保するため、業者選定の方法の見直しを行った。年度当初から、スムーズな事業が実施できるよう債務負担行為を設定した。また、3年契約の理由は、移住相談から移住後のサポートも含め、長期間に及ぶきめ細やかな支援が大切になるためである との説明がありました。
以上が質疑応答等の主なものであります。
次に討論を行いました。
議案第73号については、賛成討論がありました。
館山市職員の給与等については、物価の高騰や民間との格差を埋めるため、必要なことであると考えるが、市長
等の特別職の手当の引き上げには、市民の昨今の暮らしの経済状況や「特別職の手当の引き上げはとんでも
ない」「市は市民の暮らしを理解しているのか」等の意見から、本来であれば、反対である。
しかし、市長・副市長・教育長の、行政への真摯な取組を見ており、時には、市民の小さな声にも耳を傾け、時に
は、声をつまらせながらに情熱的に語る姿。さらには、懸命に市民や職員を守ろう、館山市を繁栄させようと苦慮さ
れている姿。その姿には、敬意を抱かずにはいられない。
市長はじめ、職員のみなさんの益々の活躍を期待しているので、本議案に賛成する との賛成討論がありました。
採決の結果、議案第73号、議案第74号、議案第77号、議案第78号、議案第80号について、全員一致で
原案どおり可決すべきものと決しました。
閉会中に実施しました行政視察について、報告いたします。
本委員会は、10月11日から13日にかけて、北海道北斗市、森町、函館市において行政視察を行いました。
北海道北斗市におきましては、「公共交通について」の説明を受けました。
北斗市では、令和3年に「北斗市地域公共交通計画」を策定し、持続可能な交通手段の観点からフィーダー
系統の運行を検討し、交通空白地帯には、買い物と通院などの日常生活に必要な移動可能な巡回ワゴンを導
入しています。
巡回ワゴンを含めた市内全域の公共交通機関の情報を1つのマップにおとしこんだ「地域公共交通ガイドブック」を
作成し、全戸に配布をしています。市内全域のため、字が小さいなどのデメリットはあるものの、市民の方からは好評
を得ているようです。
子育て支援の目的も兼ね、道南いさりび鉄道、函館バス、JR線の通学定期券の購入に対し、補助金を交付して
います。
館山市でも、公共交通の存続、交通空白地帯の解消に向けたさまざまな取組を実施していますが、他自治体の
取組も参考にしながら、市民の交通手段を検討していっていただけたらと思います。
次に、森町におきましては、「ちょっと暮らしについて」の説明を受けました。
森町に一定期間滞在し、生活スタイルや気候風土を体験してもらうための施設として、市街地型、郊外型と2つの
施設を整備しています。
「森町移住体験事業計画」において効果や課題を整理し、冬季の利用者を増やための「冬の北海道体験プラン」
の構築や、テレワーク等が可能なWi-Fiの整備等も行うなど、移住事業を推進しています。
館山市でも南房総市と連携し、「お試し移住!トライアルステイ」を実施し、地元のイベントや体験することで地元の
理解を深めてもらう取組をしていますが、穏やかで自然豊かな環境と地元住民との触れ合いが移住・定住、関係
人口の増加にもつながると思いますので館山市・南房総市ならではの取組の検討をお願いします。
「森町応援アドバイザーについて」の説明を受けました。
武蔵野美術大学と地域連携に関する協定を結び、学生が長期インターンシップ事業に取り組む中で、学生に森町
の魅力を伝えてほしいと「応援アドバイザ―」として任命をしています。
学生の名刺には森町の風景画が印刷されており、その風景画に穴をあけ、撮影場所に訪れるとピッタリはまるなど、
パズルやゲーム感覚で森町の魅力を発信しています。また、卒業生の中には、地域おこし協力隊として森町に移住
し、駅前の拠点づくりや道南スギを活用した活性化にも取り組んでいます。
館山市でも、大学連携をおこなっていますが、学生の活動の成果が館山市全体に貢献し、それがきっかけとなり
移住にもつながるような取組があってもいいのではないかと思います。
「森町地域公共交通バスについて」の説明を受けました。
郊外地域から市街地を結ぶ交通手段を確保するため令和4年10月から「森町地域公共交通バス」の実証運行
を行っていましたが、令和5年10月からは、本格運行を開始しています。
実証運行中は町民との意見交換会を行ったり、町職員がバスに乗り込み聞き取り調査等を実施していたとのこと。
利用者は11か月で延べ2,568人、1日平均利用者数は13.1人と、今では、町民の日常生活には欠かせないも
のとなっています。
館山市でも、市街地循環バスを運行し利用者も安定しており、郊外地域と市街地を結ぶ交通手段について実証
運行も始めていますが、森町のように利用者の要望に合わせた運行も検討してはどうかと思います。
次に、函館市におきまして、「函館市地域交流まちづくりセンターについて」の説明を受けました。
旧、丸井今井百貨店函館支店の土地、建物を市が購入し、市役所分庁舎として使用を開始しました。その後、
函館市の西部地区のランドマークとして特徴的外観を保存するなどのリノベーションを行い、地域拠点施設として活
用しています。
1階は情報発信フロアーで、観光案内や市民の方が出店する喫茶店等、2階は市民交流フロアーでイベントや講
演会等が開催できる多目的ホールや研修室等、3階は市民活動支援フロアーで、まちづくりオフィスが入っています
この施設の運営は、NPO法人に委託をしており、「市民に利用されてこそ施設」を合言葉に、利用者目線での柔
軟な運営をおこなっています。特に、イベント時の設営などは、センターの職員が事前に準備を行うなど、気持ちよく
利用して欲しいという職員の心遣いが感じられました。
このように民間のノウハウを活用し、歴史ある建物を地域住民のコミュニケーションの場として使用することは館山市
でも、参考になるのではないかと思います。
以上、御報告申し上げまして、総務委員会委員長報告を終わります。
総務委員会 委員長 望月 昇
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