館山市議会議員 会派別HP一覧
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会派 市民クラブ


 館山市議会議員

本多 成年  石井 敬之 吉田 恵年 本橋 亮一 太田 浩


会派理念 会派活動



 ご案内


2017-11-16 更新  会派活動 平成29年度 県外視察報告書
-- 2017-10/02 archives「会派活動 」会派視察研修(日程表・視察先 事前質問事項) 
-- 2017-06/05 archives「会派活動 」市町村議会議員特別セミナー調査報告書 
-- 2016-11/06 archives「会派活動 」第78回全国都市問題会議参加報告書 
-- 2016-10/05 archives「会派活動 」市民クラブ 視察研修日程表 
-- 2016-06/05 archives「会派活動 」市町村議会議員特別セミナー調査報告書  
-- 2016-03/29 archives「会派活動 」成田富里いずみ清掃工場 視察報告
-- 2016-03/08 archives「会派活動 」第二回唐桟織展示会
-- 2015-12/14 archives「会派活動 」ごみ処理広域化に係わる施設建設事業
-- 2015-11/20 archives「会派活動 」市町村議会議員特別セミナー(2の2)
-- 2015-11/13 archives「会派活動 」会派 行政視察報告 長野県 (2015/10)
-- 2015-11/04 archives「会派活動 」市町村議会議員特別セミナー(2の1)
-- 2015-10/21 archives「会派活動 」第77回 全国都市問題会議(出席) 
-- 2015-09/26 archives「会派活動 」owsジャパンオープン2015(取材) 
-- 2015-08/03 archives「会派活動 」 ごみ処理施設候補地(視察) 
-- 2015-07/01 archives「会派活動 」ごあいさつ(会派代表 吉田恵年) 





  館山市議会議員 市民クラブ(本多成年・石井敬之・吉田恵年・本橋亮一・太田 浩)



 本橋 亮一
もとはし りょういち
元 館山市議会 議長 
地域資源有効活用調査
特別委員会 委員
 議会運営委員会 委員
 

 
太田 浩
おおた こう
館山市議会 副議長
 総務委員会 委員
 
 
 
 
 
 
 
 
吉田 恵年
よしだ けいねん
市民クラブ
会派代表
元 館山市議会 議長
総務委員会 委員
 議会改革特別委員会 委員
 
本多 成年
ほんだ なるとし
前 館山市議会 副議長
議会改革特別委員会 委員
 建設経済委員会 委員
 

 
石井 敬之
いしい たかゆき
文教民生委員会 委員
 議会運営委員会 委員
 議会改革特別委員会 委員




 
 会派理念


館山市議会 会派「市民クラブ」



1)  本会派は「館山市議会基本条例」を忠実に履行、尊重し常に、自らを律し、
  更に市民から信頼される議会人として議会改革に取り組んでまいります。
 
2) 本会派所属議員は、議会が地方自治での二元代表制であることを理解し、
  首長(行政)と適度な緊張感を保ち、尚かつ政策立案集団として、 
  質の高い議会人を目指します。 
   
3)  本会派所属議員は市民全体の代表者として、特定の地域団体に偏ることなく
  館山市全体の振興と市民の福祉向上を目指します。 
   
4)  市民の多様な期待や付託に応えているか常に議論し、検証しながら 
  議会人としての責務をはたしているか、お互いに議論を高めていきます。 
   
5)  常に議会人としての資質向上のため、 
  会派をもって各種視察、研修 調査を通して、真に市民のための政策立案が 
  できるよう研鑽をつんでまいります。 
   
6)  市民から寄せられた市民の要望や疑問については、
  会派内の自由闊達な議論により、質問内容を充分精査し、 
  本会議、委員会での解りやすい質問を心掛けます。
   
   
  本会派所属議員は館山市の「人・自然・歴史」を愛し、 
  これからも「ふるさと館山」の為、会派所属議員一丸となって邁進してまいります。
  今後とも多くの皆様のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。 



 
 
 「陳情・請願の受付」
 
 市議会では市政などについての市民の要望を請願書や陳情書の形で
 受けつけています。 
 請願書は議員の紹介が必要です。 
 皆さんのご意見を伺ったうえで、会派議員が紹介議員として提出します。
 
 審査の結果、採択・不採択の結論の出たものは 
 代表者に通知し、採択された請願・陳情は関係機関に送付いたします。
 
 




 
 会派活動

 ▶archives:会派活動

 2017-11-16  up
 
館山市議会「市民クラブ」平成29年度 県外視察報告書


 
視察先  □岩手県紫波町 ・ オガールプロジェクト
□岩手県平泉町 ・ 世界遺産登録
□宮城県女川町 ・ シーパルピア女川 

視察参加者  本橋 亮一  吉田 恵年  本多 成年  太田 浩  石井 敬之 


   会派 市民クラブ
(左から)
 石井敬之
 吉田恵年
 本橋亮一
 太田 浩 
 本多成年


 宮城県女川町
 シーパルピア女川
   岩手県平泉町
 事業説明
 


視察報告 本多成年  オガールプロジェクト(岩手県紫波町) 
吉田恵年  平泉文化遺産の世界遺産登録について 
太田 浩 シーパルピア女川(女川町の復興まちづくり 







オガールプロジェクト(岩手県紫波町)

視察報告者  本多成年 館山市議会議員
     
視察先説明者 オガール紫波株式会社 管理課係長 志田 由華
紫波町観光交流協会 事務局    小泉 麗子
岩手県紫波町      議会事務局 阿部 薫之 


【視察目的】


今回の市民クラブの視察の大きな目的は地方における地方創生の具体例、宮城県女川町のシーパルピア女川と紫波町オガールプロジェクトでありました。

片や東北大震災の影響を町全体が被り、
町の震災後の復興と少子高齢化対策を合わせた地方創生を目的として進めてきた街づくり、片や震災前からすすめてきた行政と民間が力を合わせ、駅を中心とした行政機能と街の機能を凝縮させたあくまで民間が中心となって補助金に頼らないまちづくりを進めてきたオガールプロジェクトをこの章で取り上げ、地方で同じような悩みを共有する館山市でも役に立つようなことが学べれば、との思いで視てきた。


【位置関係】

〇位置関係
岩手県のほぼ中央で、盛岡市と花巻市との中間にある。
県都盛岡市から南に17km、電車で約20分に位置している。

〇人口 
33,314人(平成29年3月現在)、世帯数11,175世帯であり、
他市が人口減少下にあって県内では数少ない微増となっているが、高齢化は例外ではないが、高齢者世帯の割合は16%を超えている。
また、盛岡広域圏内では昼間人口割合が最も低く、約85%となっている。

〇面積  
239,03平方キロ(館山市110,05平方キロ)

〇産業  
基幹産業としては農業で、循環型農業の推進をはかり、食料自給率170%を誇り、いずれの農産物の生産も盛んであるが、とりわけもち米の産地であり、小麦、ブドウ、リンゴなどの果樹、いずれも現在上位の生産地である。
農産物の産直には早くから取り組み、現在11の直産店を数える。
客数は約69万人、販売額は7億2千万円である。

〇財政状況  
平成28年度決算状況  歳入総額    134億1685万円
歳出総額    131億6341万円
財政調整基金   10億0002万円
町債合計    115億5273万円 
      
健全化判断比率  実質赤字比率   連結実質赤字比率 -
実質公債費比率   13.8%
将来負担比率   121.7% 

※ 以上のことから、
仕事のある盛岡市に通う通勤圏としての街としての性格を併せ持ち、それが昼間人口割合の低さに表れている。
地理的優位性が物の流通の点で良い影響があり、それが、産直店の多さになって表れているのであろう。
東北の内陸部で大きな産業のない街との当初の印象があったが、なかなか侮れない。
ただ、将来負担比率121,7%はちょっと大きな数字と思う。


〇オガールの由来

岩手県で方言として使われている「成長する」「いいね」という意味でつかわれる「おがる」とフランス語で「駅」を意味する「Gare」を組み合わせた造語である。

紫波中央駅前地区を紫波の未来を創造する出発駅としていくとの決意と、このエリアを出発点として紫波町が持続的に成長していく願いが込められている。

※東北のどこにでもある風景と街並みを車で見ながらこの一角にくると、
まるで別の国に来たかのような別世界に来たような感じの街並みに遭遇する。
これを居心地のよい街としてみるのかどうかは、判断が分かれるところである。

紫波町オガールプラザ  紫波町オガールベース 


【オガールプロジェクトの概要】

紫波町が、JR紫波中央駅(JR東日本になっての初の請願駅)西側一帯の町有地10.7ヘクタールを中心とした都市整備を図るため、町民や民間企業の意見を反映させ、平成21年3月に「紫波町公民連携基本計画」を策定した。
この計画に基づき平成21年度から始まった紫波中央駅前都市整備事業を「オガールプロジェクト」と呼んでいる。

〇「オガールプロジェクト」
計画面積  21.2ヘクタール(町有地10.7ヘクタール含む) 
事業期間  平成21年4月から平成26年3月(第1期交付金対象期間) 
事業費  59億1000万円 紫波町公共分(町庁舎整備費31億円を含む) 
事業内容  情報交流館 オガールプラザ A=2700平米
役場庁舎   A=7000平米
道路      L=2329m
公園      A=3740平米
下水道    A=9.89ヘクタール L=1317m 
民間面積 町有地10.7ヘクタールのうちの5.58ヘクタール 

※ 平成21年にこの計画が策定されるまで、10年以上、該当地は塩漬けされ放置されたままであったとの話は、外部関係者からの証言で明らかになっている。
その中で、それは平成10年7月に岩手県住宅供給公社(現在解散)から10.7ヘクタールを28億5000万円で購入した、との公表によりあきらかである。
多額の税金で購入した土地をどうにかしたいとの町の思惑が民間の開発との思惑が一致したところで進められた計画であったと思われる。



【紫波町公民連携基本計画の概要】

この計画は平成21年2月に策定、同年3月に議決された。
町民や企業の意向調査、市民参加、役場庁内組織による調査研究などによって実現可能な計画として策定された。
この計画には学として東洋大学、大学院から調査報告がなされ、民として㈱よんりん舎がアドバイザリー業務委託され、計画案策定から市民参加の意見交換会などが行われたうえ公民連携基本計画が策定された。


【目的】 
           
町財政負担を最小限におさえつつ必要な公共施設の整備を図り、計画に基づき、民間の自由な発想により事業を進める。


【整備方針】

①町の特徴を活かした統一感のある風景で、住みよい街にする。
②歩行空間の充実を図り、安全で快適な空間としての魅力を高める。
③回遊性、快適性を重視した道路網の整備を推進する。
④駐車スペースをバランス良く配置する。公共交通機関との連携や商業活性化を目指す。
⑤住みよさを向上させ、経済活動を支援する交通システムを整備する。
⑥公共投資を誘発財として民間開発を促進する。
⑦雇用機会を創出し、利用者に快適な環境を提供する民間投資を奨励する。
⑧設計審査を通して、町の特色を活かした設計を推奨する。

以上により、公共施設については、役場庁舎、図書館の整備が決定され、紫波中央駅前の街区の整備も併せて行うことを決定した。

民間施設については、紫波中央駅前の開発は、公共施設と民間施設の立地による複合開発を行うとし、自然との調和や景観の保全への関心も高く、公害発生施設の立地は規制する。
また、役場や図書館も民間施設との複合施設とすることを決めた。


【地区デザインガイドライン】

オガール地区に建築行為をする場合の法的位置づけを行った。
建築確認申請を行う前に次の2点の手続きをしなければならない。
①街に「地区計画の区域内における建築行為の届け出」を行い、都市計画法による審査を受ける。
②運営委員会に「地区計画の区域内における建築行為の協議」を行い、景観協定による承認を受ける。


【デザインガイドラインの概要】

①アーバンデザインの目標を設定した。
②緑の大通りゾーンのデザインガイドラインを設定した。
③住宅ゾーンのデザインガイドラインを設定した。


【PPPの街の整備の流れ】
①平成10年 3月 紫波中央駅が開業。設置費用2億7000千万円は全額町民の寄付。 
②平成10年 7月  岩手県住宅供給公社から10.7haを28億5000万円で取得。 
③平成14年 3月  紫波中央駅前の住宅地は、岩手県住宅供給公社の開発により421戸分譲。 
④平成19年12月  町は公共公益施設用地取得に要していた起債していた先行取得債を
すべて償還している。 
⑤平成21年 4月  駅前を「都市再生整備計画」に基づき、
道路などインフラを整備する紫波中央駅前都市整備事業に着手する。 
⑥平成21年 6月  オガール紫波㈱を町の全額出資で設立する。 
⑦平成21年10月 官民複合施設オガールプラザ事業化を開始する。 
⑧平成22年 9月  オガールプラザ㈱設立する 
⑨平成22年11月  オガールプラザを10億500万円で契約、工期を平成24年3月とした。 
⑩平成23年 4月 岩手県フットボールセンターが完成した。 
⑪平成23年 8月  紫波町とオガールプラザ㈱と事業用定期借地権設定契約を締結、
5600㎡、賃貸借期間を32年とし、賃料3,478,900円とした。 
⑫平成23年12月  紫波町とオガールプラザ㈱は、地域交流センターと図書館が入る売買の
仮契約を締結。 売買契約額は8億4千万円。
⑬平成24年 1月  東北大震災の影響により契約額6850万円の増額、工期3か月の延長を決定する。 
⑭平成24年 2月  都市再生特別措置法の規定に基づき、国土交通大臣から認定される。
これで、オガールプラザ㈱が民間都市開発推進機構からの出資を得ることができる。 
⑮平成24年2月  オガールフォーラムを開催し、現場見学会を開催、170人が参加した。 


〇「オガールプラザにおける資金の流れ」
                         
 国土交通省       普通出資者        
補助金 300百万円       普通出資 6.1百万円        
                 
                 
  紫波町    普通出資    オガール紫波(株)  農業法人   
   3.9百万円    出資 10百万円     マルシェ入会金 15百万円  
 公共部買収745百万円               
  出資 70百万円                 
         普通出資    (運営管理)         
         20百万円            
                   
                   
  →     →    →     → オガールプラザ(株) 設計・企画・建設グループ   
               出資 980百万円  
            
     テナント(民間)賃料  民都機構   
            出資 60百万円   
                   
            市中銀行   
              融資 150百万円  

以上が、官民複合施設オガールプラザにおける資金の流れの全貌である。 
更に補足をすると以下の7項目がある。

①資産を保有する立場になる事業者が発注者になる。
②町有地の内、民間施設部分は整備事業者が定期借地により貸借する。
③民間施設の公共部分には、整備事業者が国の外郭団体である「民間都市開発推進機構」の出資を受ける。
④整備着手時点においては民間テナントの施設充足率は100%である。
⑤施設の公共部分(図書館・情報交流館)は完成時に町が買い取る。
⑦借入金はプロジェクトファイナンスにより地元金融機関が融資する。

オガールプロジェクトの核となる町初の官民共同事業として「紫波町公民連携基本計画」が平成21年2月に策定され、町有地を活用して、財政負担を最小限に抑える為、設立されたのが、オガール紫波株式会社であり、オガールプラザ株式会社である。

行政が、民間企業と比較的、弾力的な事業運営が不得意な仕組みになっているのを補う形態を、この会社が担っているということである。
そこでオガール紫波株式会社とオガールプラザ(株)について、何の事業をしているか理解する必要がある。


〇「オガール紫波株式会社」

オガール紫波(株)は、平成21年6月に資本金390万円(紫波町100%)で設立され、
翌平成22年6月に1000万円に増資したことにより町の出資割合は39%になった。

主な事業
紫波中央駅前都市整備事業の調整業務
・ 不動産企画運用業務  : オガールプラザ、岩手県フットボールセンター
・ 不動産管理運営業務  : 施設管理、テナントリーシング
・ 街区管理企画運営業務: デザイン性に優れた街並みの創出、企画
・ 紫波マルシェ運営業務


【オガールプラザ株式会社】

オガールプラザ(株)は、オガールプロジェクトの核となる官民複合施設であるオガールプラザを建設し、その後所有し、維持管理を目的として平成22年9月に設立された。

当初の資本金は500万円で全額オガール紫波㈱が出資し、その後、建築進捗に合わせ平成24年に9000万円に増資した。また、平成24年5月に「都市再生特別措置法に基づく民間都市再生整備計画」の認定をうけ、民間都市開発推進機構から6000万円の出資をうけている。
主な事業
・ オガールプラザの整備、所有、維持管理、テナント管理

※ まちづくり会社で、一番大事なのは、稼げる事業をどれだけ持っているか、だと思う。昨年視察させていただいた倉敷のまちづくり会社は、倉敷市の市営駐車場の管理運営を市から委託され、その利益が大きかった。その利益をまちづくり事業の事業費として還元させていた。オガール紫波㈱については、不動産事業がその主な事業を占めており、民間資本が100%でない、いわゆる第三セクターの会社であるが、その利益が町の負債の返済に大きく貢献しており、町の財政負担軽減の大きな原動力となっているのが理解できる。

その他のオガールプロジェクト事業
・ 岩手県フットボールセンター
・ 産直-紫波マルシェ(生産者の委託販売)
・ オガールベース(ビジネスホテル事業、バレーボールコート、不動産賃貸事業)

 以上が、オガールプロジェクトのほぼ全容である。

岩手県フットボールセンター


【所見】

紫波町のオガールプロジェクトを視察先に選んだ大きな理由は、先にも述べたが、行政と民間が力を合わせ、駅を中心とした行政機能と街の機能を凝縮させたあくまで民間が中心となって補助金に頼らないまちづくりとは、どのようなものかを確認するためであった。

全体的な金の流れと、金の出どころを全て取り出してみて現実的に、我が館山での可能性を探りたいとの思いもあった。
平成10年に町が出資し28.5億円で土地を購入したが、その当時から紫波中央駅の今回開発した側でない、東側に国道4号線に沿って以前から商店街があり、学校、役場などが集約されていた。

普通ならその4号線に沿った旧市街を何とか盛り立てよう、とか活性化を図ろうとなると思うのだが、そこにある日詰商店街はそのままで、荒地であった駅の西側に新たな開発をしたことにまず、大きな衝撃である。
しかも、市民参加で何回も議論を重ねたうえでの開発であったという点である。

紫波町が平成13年6月に循環型まちづくり条例を制定し、平成17年4月に庁舎内に協働支援室を設置し更に、平成19年12月に市民参加条例を制定している。
町が今回のプロジェクトに向かって、町、市民が同じ方向に向かって協議をして30年をかけて完成させた事業と言ったところである。

とかく、町をあげての開発というと、町の作ったシナリオを住民説明会や意見交換会、パブリックコメントを求めるなどの手続きはとるものの、形式的で結局行政が作ったシナリオ通りのものになり、後から、「なんでこんなもの造ったんだ」というのが関の山。
でも、紫波町は違った。
民間企業が主導しただけでなく、市民参加がこのプロジェクトの成功を収める大きな要因となったことは間違いない。 
また、成功の鍵となったもう一つの大きな要因は役割分担と金の出どころ、流れを継続的な流れになるよう、綿密な計画がたてられて点であろう。
町の出資金を10年で返してしまう、これは上手くいったからということにはなるのだが、このプロジェクトでの成功はまちづくり会社がその利益誘導できる不動産の管理運営を主とした事業を持っていること、そして、PPP手法と徹底的にマーケティングを行い、テナントについては、100%決まってから建設が開始されている、ということであろう。

東北地方には、この紫波町ばかりでなく、莫大な資金が各市町村に流れている。
それは紛れもない事実である。
地方創生策というのは、東北地方だけの問題ではないにも関わらず震災の影響が少なくてはいるものの、なにも策を講じてこなかった。
予算がないとの言い訳という理由をいいことにして。
予算が無いことと、無策はまったく違う。

館山に紫波町の真似はできない。
また、やろうと思ってもそれを許す条件もそろっていないだろう。
私は資金が無くてもできることがあると思っている。
それは「流通」である。

流通は、地場で済むものもあれば、広がりのあるものもある。
しかし、そこには「もの」さえあれば必ず動かすことができる。
その物から金が生まれる。
金額の大きさではない。
その条件からいえば、館山は最適な地であると思う。
そこに未来を結ばずに、どこに未来をつなぐのか。
それだけ館山は物が豊富であり、その価値を伝えさえすれば館山には未来がある。
その「流通」に心血を注ぐ時が「今」ではないか、それだけ館山にはいいものがあるのだから。

一つ気になることがある。私達が訪ねたのは10月初めの月曜日であるが、とにかく歩いている方が少ないということである。
写真を見てもわかると思うが、人口3万程度の市で言えば、この程度なのか、週末の状況も見てみたいものである。


以上 報告者:本多成年









平泉文化遺産の世界遺産登録について

視察報告者  吉田恵年 館山市議会議員



1)平泉町の概要


平泉町は、奥州市と一関市に挟まれた人口:7,851人、世帯数:2,265世帯、面積:63.39K㎡ の、岩手県南部に位置し東西に長い小さな町である。


2)世界遺産とは

世界遺産とは、「世界の文化遺産及び、自然遺産の保護に関する条約」に基づき、全世界の人々の共有財産として、国際的に保護・保全していくことが義務付けられている「遺跡」や「建造物」、「自然」などのことです。

「世界遺産」として登録するには、ユネスコ「世界遺産委員会」において、資産の内容が他に例のない固有のものであり、国際的に決められた評価基準に照らして、「顕著で普遍的な価値」があると認められなければなりません。
又、その価値にふさわしい、有効な保存管理が手厚くなされていることも必要条件となります。

近年、世界遺産に登録された件数が増えており、次のような規制も出ている。
①既に遺産を持っている国は、推薦する遺産を年1件とすること。
②その年、世界遺産に登録する数は30件を上限とする。


3)世界遺産登録の要件

(1)顕著で普遍的な価値があり、登録基準を1つ以上満たしていること。
(2)資産(コアゾーン)と緩衝地帯(バッファーゾーン)の景観等を保護する条例があり、遺産の整備や保存計画等が策定されていること。


4)「平泉の文化遺産」の概要

〇名称 平泉 『仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群』。
〇構成資産 平泉中尊寺(特別史跡)、毛越寺(特別史跡・特別名勝)、観自在王院跡(特別史跡・名勝)、無量光院跡(特別史跡)、金鶏山(史跡)。

(1)特徴について
①浄土思想の考え方に基づいて造られた寺院・庭園が一群として良く残っている。
②寺院・庭園は、海外からの影響を受けつつ日本で独自の発展を遂げたもの。
③平泉の浄土庭園の表現は、他に例のないものとされている。

(2)評価について
評価基準のうち、基準Ⅱ と 基準Ⅵ について認められた。
基準Ⅱ :建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間に亘る価値感の交流 又は、文化圏内での価値感の交流を表すもの。
基準Ⅵ :顕著な普遍的意義を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術作品、あるいは、文化的作品と直接 又は、実質的関連がある。
 
(3)世界遺産登録に向けた取組み
①コアゾーン(資産)となるべき史跡の新規指定と追加指定。
②バッファゾーン(緩衝地帯)の保護(景観条例の制定)。
③柳之御所遺跡と無量光院跡の復元整備。
④町内各史跡の保存管理計画の策定。
⑤情報発信や啓発活動による気運の醸成。
⑥史跡の公有化。

(4)世界遺産委員会からの要請事項。
①金鶏山とその他4遺産の間の景観の維持。
②主要な道路改修等の提案については、「遺産影響評価」(顕著で普遍的な価値に対する評価)を行うこと。
③中尊寺大池跡と無量光院跡の調査・整備に関する計画書を提出すること。
④埋蔵文化財を積極的に保護すること。

 平泉町 永平寺観光客(平日)


5)登録までの経緯

(1)最初の取組み。
①平成13年4月  世界遺産暫定リストに登載。
②平成18年11月  世界遺産センターに推薦書の提出(第1回目)
③平成19年8月  イコモスの現地視察。
④平成20年7月  第32回世界遺産委員会(カナダ)⇒結果は「登録延期」

(2)再チャレンジ。
①平成22年1月  世界遺産センターに推薦書を提出(第2回目)
②平成22年9月  イコモスの現地視察。
③平成23年6月  第35回世界遺産委員会(フランス)⇒「登録」

(3)登録後の取組み。
〇遺産拡張 柳之御所遺跡・達谷窟・長者ヶ原廃寺跡・白鳥舘遺跡・骨寺村荘園遺跡。
〇岩手県、一関市、奥州市、平泉町で個々の遺産の調査研究を進め、協力して推薦書の作成に向けて取組む。

平泉町 永平寺


6)今後の課題

(1)資産の保全管理
①登録された資産を適切に保護・保全していく責務がある。 保全状況のモニタリングが6年毎に実施される。
②未整備の庭園遺跡(中尊寺大池、無量光院跡)について、発掘調査と復元整備を計画的、学術的に実施していく。
③景観保全・改善(特に緩衝地帯内)と開発との整合を図ること。

(2)普及啓発
①次世代を担う子供達へ、平泉の文化遺産の価値を伝え、郷土に誇りを持ってもらう。 「平泉学」への取組み、文化財愛護少年団・ときめき世界遺産塾の活動。
②県条例「平泉世界遺産の日」(6月29日)の活用。

(3)拡張登録。
①国内の暫定リスト登載物件との競合。


7)平泉町における観光行政について(参考)
添附資料をご参照ください。



【所見】

平成23年3月に発生した、東日本大震災で打ちひしがれていた東北地方の人達にとって、同年6月の「平泉文化遺産」の世界遺産登録は朗報で一筋の光明であったと思うが、平泉町としては、複雑な思いもあったと推察しています。
中尊寺創建当初の姿を今に伝える「金色堂」は、堂の内外に付した金箔には目を見張るものがあり、堂全体が一つの美術工芸品のようであります。

世界遺産に登録されたことで、注目・関心が集まるが一時的なものでなく、継続して誘客を図り、同時に自然や建造物等の遺産、史跡の保存・管理・運営をする事の難かしさや苦労があると痛感しました。 又、遺跡群の発掘調査や史跡復元整備を進め、世界遺産の追加登録を目指す活動も必要としています。

世界遺産登録と喜んでばかりでなく、世界遺産条約の目的は、人類共有の宝物を保護し、次世代へと未来永劫守り伝えていくものであります。世界遺産登録は、ゴールではなくスタートであり、これからの取り組みが正念場であることを実感しました。

遺産化は、自然や文化・歴史を守る為のもので、観光の為の宣伝ではない。観光客が訪れることで、自然が守られ、文化が継承され、利用環境を良くする対策が必要であろう。と考えます。


以上 報告者:吉田恵年









シーパルピア女川(女川町の復興まちづくり)

視察報告者  太田 浩 館山市議会議員


女川町の現状(H29年8月末)

・ 人口         10,014人 ⇒ 6,672人
・ 応急仮設住宅   32ヶ所  1,285戸分(石巻市に3ヶ所)入居率44.7%
・ 自立再建住宅地  引渡率 80.5%
及び災害公営住宅 
 
  
被災概況(被災率で最大の自治体)

・ 震災規模      震度6弱
・ 死者行方不明者  計 827名 人口比 8.3%
・ 建物被害      被害率 85.4%
・ 最大津波高     24.8m
・ 最大遡上高     34.7m
 
 
 
女川町復興連絡協議会(FRK)

・ 2011年3月20日

瓦礫片付けや遺体捜索活動に携わりながら、電気も水道も復旧しないプレハブの中、準備委員会立ち上げ。
全員が家を失い、行方不明の家族を捜している最中のメンバーもいた。

会の旗印は「女川の町は俺たちが守る」
子供たちや年老いた親を守るのは、俺たちしかいないだろう。
「落ち込んでなんかいられないぞ」という思いを込めた。


・ 2011年4月19日

女川町の産業団体が中心となり、市民団体も包括し、100年先の子供たちが誇れる町づくりを目指して、
女川町復興連絡協議会(FRK)が発足した。
   
女川町復興計画(H23年9月)

基本目標 とりもどそう 笑顔あふれる女川町
計画期間 8年間(復旧2年、基盤整備3年、本格復興3年)

復興方針 五本の柱
「安心・安全な港町づくり≪防災≫」
「港町産業の再生と発展≪産業≫」
「住みよい港町づくり≪住環境≫」
「心身ともに健康なまちづくり≪保険・医療・福祉≫」
「心豊かな人づくり≪人材育成」
 
女川町 シーパルピア女川(海の見える風景) 

 
女川町の復興まちづくり

民間主導・公民連携のまちづくり
行政だけでは、これからの公共は担えない(いかに稼ぎ、域内経済を循環させるか)
             
復興連絡協議会(FRK)により民間が一体となり、民間主導で復興ビジョンを早期に策定
               ↓
同じビジョンに向けて、公と民がチームとして、それぞれの果たすべき・得意な役割を担う
 
 
事業の具体的内容 

① コンパクトで利便性の高い中心市街地形成
活動道線を集約化し、面の連動性を高める(駅前エリアを先行整備)
② 所有と利用を分離し、エリアの流動性を確保
軸になる土地は換地等で町有地を集約(周辺に自立再建を換地し、一体を形成)
③ 民間主導・公民連携による街区運営
まちづくり会社によるエリアマネジメント
   
女川町の中心市街地のまちづくりの考え方

・ コンパクトな中心市街地形成
町の中心部は、震災の教訓を踏まえ、「住宅地は安全な高台に整備」
一方で公共公益施設は、集約整備し、幹線交通軸により地区連携を図り、
活動動線を集約したコンパクトな中心市街地とします。

・ JR女川駅を中心とした「にぎわい拠点」を形成
「商業・業務エリア」として位置づけられたエリアについても、まちづくりの方針に沿って、
JR女川駅を中心に商業施設等を集積し、先行整備することで、まちの顔となる、にぎわい拠点、を整備します。

・面積 7.4 ha

 
 女川町 女川駅周辺
 
駅前商業エリアは、土地の所有と利用を分離

女川駅前プロムナードに町有地を集約配置
民間まちづくり会社がテナント型商業施設を整備運営
自立再建事業者(民地)、周辺駐車場、公営施設、住宅地、道路などを集約、かつ動線を確保し戦略的に配置
 
 
町づくり会社の設立

女川みらい創造株式会社(H26年6月23日 設立)
資本金  :1000万円 
資本比率:女川商工会            約26%
        女川町                24%
        女川魚市場買受人協働組合   20%
        一般社団法人女川町観光協会 20%
        復興まちづくり女川合同会社    10%
業務内容:テナント整備運営、エリアマネジメントなど
従業員  :3名(建築、企画営業、施設運営)
 
   
10 シーパルピア女川・ハマテラス(民設・民営)
 
原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(商業施設棟復興整備事業)を活用

・ 申請者   女川みらい創造(株) : 所管 中小企業庁
・ 国庫補助 
被災中小企業 3/4以内
中小企業    2/3以内(面積割合で補助率算出)
大企業      1/2以内

・ シーパルピア女川(27店舗)
国庫補助率 70.09%
総事業費 6.4億円(国4.5億円、町1.2億円、会社0.7億円)

・ ハマテラス(8店舗)
国庫補助率 72.79%
総事業費 3.1億円(うち国2.3億円、町0.5億円、会社0.3億円)
国庫補助に加え、町独自に嵩上げを行い、全体で87.5%(7/8)補助



【所見】


ライフラインも復旧しないプレハブ生活の中、震災した9日後には「まちは俺たちで守る」という強い信念のもと準備委員会を立ち上げた。
その1ヶ月後に「女川町復興連絡協議会」を設立した。
復興には10年、20年かかるという長期を考えれば、先を見据えた責任世代での組織づくりをしたことは、大いに感銘した。
要は、今の30代、40代の若者世代が、適任者であり前面にでて、計画、企画、活動し、そのサポートに年配者が存在することである。

そのことにより、20年後には今の若者がリーダー的存在となり、まちづくりに活躍することになるからである。
これは若者からは、なかなか言いだせないことであり、当時の年配者の進言に若者は大きな不安と期待が交差したのではないかとの思いがする。
しかし壊滅的な状況からすれば、「やらなければ」の思いのほうが強かったのである。

復興のまちづくりとして行政だけでは、これからの公共は担えないということから、民間主導、公民連携の町づくりに取り組んだようである。
要するに民間がやりやすいように行政が支援していくことである。
行政、議会、産業、町民が連携し復興のまちづくりを実施したのである。

それは、まだ進行形ではあるが、女川駅前商業エリア(にぎわい拠点)である。
商業施設等を集積し、先行整備することで、にぎわい拠点を整備したことである。
コンパクトで利便性が高く、エリアの流動性を確保し、まちづくり会社のエリアマネジメントによるものである。

このエリアの最大の特徴は、土地の所有と利用を分離したことである。
土地は町所有のものであり、建物は民間により実施しテナント入居者が決まってから建設を行うというものである。
そのため事業採算性のないテナントは作らないのである。

テナントを建ててから入居者を募集することは、よくあることだが入居者がいなければ空白の期間分だけ、負の建物になるだけであり、
その意味では、このにぎわい拠点の取り組みは理想的であるといえる。
実際、入居率は100%で行政、民間、事業者、利用者が円滑に機能している、良い実例といえる。

また、女川駅前商業エリア内の一部にシーパルピア女川・ハマテラス(民設・民営)が存在するわけであるが、
首長の考えとしては、たとえ住まなくても、このエリアを拠点に活動人口を増やすことを目標ともしているようである。

少ない人口の中、復興を通して今後どうやって生き残っていくかをテーマに日々、町ぐるみで努力している現状を視察し、
一日も早い復興を願うものである。



以上 報告者 :太田 浩



 




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