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議長からの報告

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 館山市議会 議長  榎本祐三 



2018-05-21 up

自由討議会(館山市の行財政改革資料

館山市議会 議長 榎本祐三



館山市議会議員 各位
                                              平成30年5月16日
                                          館山市議会議長 榎本祐三



      「館山市の第3次行財政改革方針に対する所見等」

はじめに


既に「自由討議会の開催について」(4月2日付)で報告しておりますが、本年4月に館山市は第3次行財政改革方針(平成30年度~34年度)を策定しました。現下の館山市の財政状況を見れば、今回の改革方針の達成の成否が館山市の将来を決めると言っても過言ではありません。
 
このような情勢の中で、市議会としてもこの改革に寄与すべきではないかとの思いから自由討議会の開催をお願いしたところです。
したがって議論のたたき台・参考として、私なりの所見等をまとめ議員各位に提示するものです。
自由討議会での参考となれば幸甚です。



1 全 般

(1)  これまでの取り組み
館山市の行財政改革の取り組みは、平成8年の「新行政改革大綱」をはじめ、平成17年の外部有識者からなる行財政改革委員会の設置と「行財政改革プラン」の策定、そして平成20年には、行財政改革プランに掲げた取り組みを継続的に実施し、平成25年度決算における財政収支の均衡を目標とする「第1次行財政改革方針(平成20年~24年度)」を掲げ、平成25年度における財政収支の均衡を目指したところです。

この方針に掲げた取り組みに加え、政権の交代や国の各種経済対策交付金の拡充により、館山市の財政状況は改善し、第1次行財政改革方針に掲げた「財政収支の均衡」は、平成25年度決算で達成されました。

しかしながら、人口減少や少子高齢化の流れによる社会保障の増加に加え、東日本大震災に伴う公共施設の耐震改修事業の増加による新たな財政需要が発生し、これらに対応するため平成25年3月には財政収支の均衡を堅持することを目標に「第2次行財政改革方針(平成25年から27年)」を策定しています。

さらに国や地方の公共施設の老朽化対策が問題化したため、平成26年に国から地方公共団体に対し、今後の人口予測や財政状況を踏まえ中長期的な視点を持った「公共施設等総合管理計画」の策定要請がなされました。
したがって、今回の第3次行財政改革方針は、この公共施設等総合管理計画との整合性も図り、より実効性の高いものとする必要があります。


(2) 財政効果目標(4億円)と取り組み
館山市は、行財政の現状に関する基本認識及び課題点を踏まえて、本改革方針の最終年度である平成34年度決算において、単年度4億円の財政効果目標を掲げておりますが、その取り組みは以下のとおりです。

・ 歳入(収入)確保
 〇市税収入の確保、〇新たな財源の確保、〇受益者負担の徹底、〇ふるさと納税制度の推進

・ 歳出 (支出) 削減
 〇事務事業の見直し、〇社会保障関連経費の抑制対策、〇組織体制の見直し、
 〇一部事務組合負担金の見直し、〇補助金の見直し

・ 公共施設の見直し
 〇公共施設等総合管理計画の推進(延床面積20%削減)

・ アウトソーシングの徹底
 〇様々な事務事業の民間委託化、〇指定管理者、PPP/PFI制度の推進


(3) 市民からのパブリックコメントの要約
第3次行財政改革方針(案)に対する市民からのパブリックコメントについて、要約すると以下のようになります。細部については既配布の実施結果を参照ください。

① 全 般
・ 行政(議会)とこれらの問題に対する市民との意見交換の場を設けてはどうか。
・ 館山市の将来の方向、戦略がよく見えない。
・ 第3次行革方針の定義、位置づけや範囲がわからない。
・ 「日本で一番住みやすいまち」を目指すのであれば、その方針や施策を記載すべきである。
・ 対策項目の数値根拠が明確でない。何をしてこの数値になるのか、具体的に明確にする必要がある。
・ 今回は館山市財政収支改善方針として、別途第3次行財政改革方針を作成すべきではないか。(達成に自信があるか。ないのであれば徹底した検討が必要)

② 細 部
・ 今後の大規模事業について、3中の整備費は人口減少と、市内各校の生徒数の減少を考慮した、
統廃合計画を含めて3中の整備の妥当性について記載すべき。
・ 3中、給食センター、清掃センターの整備については、重要度、優先度を明確にすべき。
3事業がほぼ同時に必要であれば、理由を明確にすべき。
・ 使用料・手数料の改定の際には、市民の声を反映するため、パブリックコメントをとること。
・ 館山市が率先して裁量労働時間制を導入してはどうか。
・ 公務員の人件費が市内の民間事業者と比べて高い。格差を縮める必要がないか。
・ 一部事務組合の負担金の削減に取り組んでほしい。
・ 青柳・大賀線などの都市計画道路、新規大型公共事業のあり方の方針が必要
・ イベント・行事・儀式の削減も計画に入れてはどうか。
・ 30億円も要する3中の建替えをする以上、市内の各中学校のあり方を急いで集中的に検討すべき。
・ 1日平均10名未満の公民館等は、統廃合を検討しても良いのではないか。
・ 清掃センターは大規模改修が前提となっているが、建て替えとの費用比較を行うべきではないか。
・ 民間委託になった時の不具合(「業務に精通している職員の減少」、「将来的な費用高騰」、
 「無責任体制・融通面」)についてはどう考えているのか。
・ 常勤に近い形で非常勤を使っていることが問題で、人件費抑制のために制度を悪用している。
・ 地域を活性化するためには「若者」「よそ者」「馬鹿者」が必要、特によそ者が必要で、国際化、
ダイバーシティー(多様性)を進めること。
・ 当該方針には情報公開の視点が足りない。
・ 民間委託は、委託事業、委託先、委託金額を公表すべき。
・ 市庁舎の建設基金の取り崩し予測については、計画段階から取り崩し予測を予定すると最大限の
努力をしなくなる。


(4) 考えられる課題
平成8年から取り組んできた行政改革に加え、平成17年には外部有識者による行 財政委員会を立ち上げて取り組んできた財政改革は、それなりの成果があったことは認めますが、特に最初に効果が明確になる人件費の削減に取り組んだことは、取り組みの順番として適切であったかどうか疑問が残るところです。

それは人件費の削減は、年度における職員数の削減によって削減される人件費が明確になり、数値的にはあたかも財政改革が進んだかのように見えますが、反面職員の負担が増えることによる業務上のミスが散見されていることと、臨時職員の増加による物件費の増加を考慮すると、必ずしも人件費(職員数)の削減が、行財政改革に繋がっていないのではないかと言えるからです。

職員数の削減に加えて数度にわたる職員給与の減額があり、職員のモチベーションは必然的に低下していることも考えられ、行財政改革に取り組む職員の姿勢は、担当する一部の部課を除き、必ずしも期待できるものになっていないのではないかと危惧するところです。

前述したとおり、館山市の行財政改革では人件費の削減を初めに実施したことから、第3次行財政改革方針で示された取り組みには、歳出削減の中に人件費削減としての項目は入っていません。また、今回の取り組みでは公共施設の見直しを除けば既に取り組んできたものであり、乾いた雑巾を絞るくらいの取り組みになることを認識する必要があります。



2 市議会としての対応

本市における今日までの行財政改革の取り組みと今回の方針を概観し、私なりに考えられる課題を整理してみましたが、議員各位におかれましては第3次行財政改革方針を調査・研究されてどのようにお考えになったでしょうか。

何れにしましても、当該改革方針に従って館山市の行財政の立て直しが行われるわけですが、ここで市議会としてどのような対応が求められているのか考えてみました。

第1には、議会としての責務である監視機能の発揮から、当該改革方針に沿って適切に取り組み(改革)が進められ、成果が出ているのか監視することが考えられます。

第2には、当該方針の取り組み以外の別の取り組みがないのか調査・研究し、提言することの二つではないかと考えましたので、それぞれについて言及したいと思います。


(1) 当該方針の取り組み状況の監視
当該方針は、5年間にわたり実施されるものであり、継続した監視が必要となります。そこで議会としてどのような体制での取り組みが望ましいのか考えてみました。

議員個々の取り組みではなく、市議会として取り組むわけですから組織としての取り組みとなります。では、どのような組織で取り組むのか。考えられるのは特別委員会を設置して対応することと、各常任委員会で所管事務事業に関連する取り組みを振り分け対応する方法が考えられます。

一方で、行財政改革委員会に議会から2名の委員を派出することになることから、「議会としての対応は必要ない。」とする意見もあるかと思います。したがって特別委員会の対応にするか等の課題も含めて、この辺りは自由討議会で議論していただこうと思っています。

個人的には、議会として市民に対する説明責任や職員と一緒になって問題を共有し、我々も知恵を出すことが必要ではないかとの思いがありますので、上記の委員会組織で対応するのが望ましいのではないかと考えています。

委員会として行財政改革委員会を傍聴し、当該委員会終了後に議会から派出されている行財政改革委員も含めて議論することにより、内容の濃い提案等ができることを期待しています。その結果を次の行革委員会で議会派出の委員から発表することにより、改革に対する議会の関与は、十分なものになるのではないかと思料します。


(2) 当該方針以外の別の取り組み
この件に関しては、個人的に2つの提案があります。


一つは私が過去に一般質問で提案した我孫子市の事例「補助金の申請と査定」です。

我孫子市では、補助金を受ける団体に事業目的や必要経費(補助金の要望額等)を明確にした事業計画を提出させ、第三者で構成する審査委員会が補助金額を決めており、毎年再審査していると聞いております。つまり、一度補助を受けたら変わらないというのではなく、補助金が有効に活用されているかを常にチェックしているのです。

このようなことは、市民に行政の財政改革に対する強い意志を伝えることにもなり、行財政改革を認識してもらう有効な手段でもあると考えております。
この件に関しては、室議員も一般質問で質しておりましたが、議会で研究して実施要領等が提案できればと思っています。


次の提案は、3中の建設に伴う中学校再編の検討です。

3中の耐震化の問題は、森議員が継続的に一般質問で質していますが、他の何名かの議員もこの問題を取り上げており、さらには、市民のパブリックコメントでも問題提起されております。私は、次の理由からこの問題は極めて重要な問題であり、早急に執行部と胸襟を開いた真剣な議論が必要であると考えています。

はじめに、耐震診断結果が不適切なままで3中での授業が続けられていることに対する認識です。
この問題をそのままにして、建て替えまで授業を続けることに問題はないのか。万が一に震災にあって、校舎の倒壊による生徒の犠牲が出た場合、誰が責任を取るのか。

このあたりの問題は、東日本大震災で多くの生徒が犠牲になった石巻市の小学校の裁判の事例にもあるとおり、単に学校の対応のまずさでだけでは済ませれないことが起き得るということを認識する必要があると思うのです。

館山市は、本年度予算に3中の基本設計の費用3000万円を計上しましたが、建設のための財源は有利な条件のものを活用するとしているものの、目途が立っているとは言えません。
したがって、有利な条件の財源が確保できなかったら建設は先送りになるわけで、生徒は耐震性のない危険な校舎で授業を受けることが続くわけです。

パブリックコメントの回答によれば、将来の学校数(規模)については32年度までに結論を出すとのことですが、建設費のめどが立っていない現実では、先に中学校の再編について調査・研究し、議論すべきではないかと思うのです。

何故なら、20年後の中学校の生徒数は742名と予測されており、2校で十分対応できるからです。財政の厳しい現実と耐震性のない校舎での授業の現実を考えるならば、早急に中学校再編の協議を進めるのが先ではないでしょうか。



終わりに

この度、私が議員各位に「館山市の行財政改革への提言」と題して、自由討議会の開催を提案しましたのは、この改革方針が達成できなければ、その後の館山市の行政運営が破綻することに繋がるからです。
このような危機感を私たち議員はしっかりと共有し、単に執行部に任せるだけではなく、当該行財政改革方針の達成のために英知を結集して、真に市民から期待される議会として機能する必要があるのではないでしょうか。

パブリックコメントにもあるとおり、市民から厳しいコメントが寄せられている当該行財政改革は、市民の関心も極めて高く議会に寄せる期待も大きいものがあると考えられます。
自由討議会を通じて議員各位が思うところを忌憚なく発表し、より良い方向性等を提言できたら、基本条例で求めている議会に一歩近づくのではないかと思料しております。議員各位のさらなるご尽力を期待して止みません。

 






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