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会派 市民クラブ


 館山市議会議員

本多 成年  石井 敬之 吉田 恵年 本橋 亮一 太田 浩


 市民クラブ  会派活動 archives 


ごあいさつ
2015-07-01
ごみ処理広域化施設候補地
2015-08-03 
OWSジャパンオープン
2015-09-26
第77回 全国都市問題会議
2015-10-21
市町村議会議員セミナー
2015-11-04 
 2の1
会派 行政視察 長野市
2015-11-12
市町村議会議員セミナー
2015-11-20 2の2 
ごみ処理広域化 勉強会
2015-12-14 
第二回 唐桟織展示会
2016-03-08
清掃工場 視察報告
2016-03-29
市町村議会議員セミナー
2016-06-05 
視察研修日程表
2016-10-05 
全国都市問題会議参加
2016-11-06
   







 

2016-11-06 up

                         平成28年11月
館山市議会議長 榎本 祐三 様


市民クラブ
会派代表者  吉田 恵年



第78回全国都市問題会議参加報告書


1. 期 日:平成28年10月5日(水)・6日(木)・7日(金)
2. 会 場:岡山市 岡山国際ホテル
3. 研修参加者(市民クラブ 5名)
   本橋 亮一、吉田 恵年、本多 成年、太田  浩、石井 敬之
4. 研 修 内 容     別紙のとおり
5. 別 途 視 察     倉敷まちづくり株式会社




【会議日程】

基調講演  まちの見方、見つけ方
      ドイツ文学者・エッセイスト    池内  紀

主 報 告  人口減少社会における都市の活力創出

      岡山県岡山市長          大森 雅夫

一般報告  人を惹きつける都市空間とその文化力
      法制大学デザイン好悪部教授    陣内 秀信

一般報告  交流とにぎわいのまちづくり
      奈良県橿原市長          森下  豊

一般報告  革新的サイバニックシステムによる社会変革・未来開拓への取り組み
      筑波大学大学院システム情報工学科教授   山海 嘉之
      サイバーダイン社CEO
      内閣府革新的研究開発推進プログラムマネージャー

パネルディスカッション -ひとが集いめぐるまちづくり-

・国内外にひらかれた都市の活力創出戦略
東京大学大学院工学系研究科教授        西村 幸夫

・アート・イベントがもたらす地域への効果と課題
中央大学法学部教授              工藤 裕子

・都市間競争時代に求められる「稼ぐ都市づくり」
社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事  木下 斉

・後発組の挑戦 ―子供達に夢を―
株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ代表取締役    木村 正明

・職住近接のまちづくりと交流の促進による地域の活力の創出
茨城県ひたちなか市長             本間 源基

・「みんなで創り育みみんなに愛され選ばれるまち」を目指して
三重県鈴鹿市長                末松 則子

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<別途視察>

倉敷まちづくり株式会社


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【基調講演】             作成者  本多成年
まちの見方、みつけ方
ドイツ文学者  池内  紀
エッセイスト

はてさて、何故基調講演がドイツ文学者なのか、レジュメも無くどのような話がまちづくりに関係するのか、疑心暗鬼で聞き始めた。

ドイツの都市は、その都市の歴史がわかる造り方をしてきた歴史があるとのことで、昔から道路の名前だったり、
橋の名前だったり、その街で起きた出来事をそのまま道路や橋の名前として残していくのだそうです。

都市にしても合併をしないという歴史があり、合併すると名前が変わることはもちろんだが、変わることによって歴史までつながりがとだえてしまうのではないか、と考える傾向がドイツに限らずヨーロッパではあるとのことです。

ドイツは敗戦後、首相がポーランドを訪問した際、テレビ出演をし、テレビを見ている国民の前にひざまずき土下座をして謝ったそうである。
それによって、ポーランド国民からの和解となったとの歴史があった。
また、ワイツゼッカー元ドイツ大統領の演説の中に「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる。」という一節があるそうである。

日本は太平洋戦争敗戦時に東京裁判がひらかれた。
ドイツは日本の東京裁判にあたる裁判として、ニュルンベルク裁判があった。

両裁判は戦勝国が敗戦国を裁く裁判として有名であるが、ドイツにはアウシュヴィッツ裁判が開かれたそうである。
私は知らなかったが、アウシュヴィッツ裁判というのは、ドイツのナチスが行った大量虐殺について、ドイツ人がドイツ人を裁く裁判であった。

ドイツは第二次世界大戦の反省から、歴史認識については他のヨーロッパ諸国の意見も聞きながら自分の国の歴史について、二度と誤った歴史を繰り返さないとの国をあげた取り組みをしてきたせいだろうとの話であった。

その認識が道路や橋の名前までを後世に残すためにまで気をつかっているのだと改めて、ドイツ人気質を感じた。

ドイツ人にとって歴史を残すことは、つらい側面もあるというのだ。
つらい気持ちを癒すため、忘れるために一か月程度の長期の休みを取る期間があり、そこでリフレッシュして、
また、自分の町に住むことができるのだそうである。

ドイツの歴史教科書も隣の国と一緒に作っているそうだ。
また、歴史は現代史から教えはじめ、過去にさかのぼって教えていくとのこと、日本の歴史の教え方とは、逆の教え方をしていることにびっくりした。
日本では現代史についてはあまり重視していないようである。

ドイツが第二次世界大戦後の他国との付き合い方や自国の生き方について葛藤し、反省しながらの国造りをしていたころ、日本ではどうであったのか。反省を先送りにし、1960年代、日本は経済一本やりで過ごして来た。日本は過去の歴史について隣人と清算し向き合ってこなかった。


さて、話を変えるが、ドイツがまちづくりをする際にやっていた手法はまちづくりをする場合に古い街を残しながら再生していった歴史があるが、日本ははたしてどのような街づくりをしてきたのか、日本も古い街を残した街づくりをしたほう良い。

日本は過去を潰して新しいものを造ることで町づくりをしてきた。
歴史を考えることをしてこずに新しいものを考えることだけで町を造ってきた。
これが良いか悪いかは皆さんで自分の町を見たときに考えて下さればよいが、これが日本の町づくりの現実だと思う。
 
壊してきたものは再生することはできない。
日本の町づくりはどのように進めばよいのだろうか。

もう一つ、日本の町づくりは専門家と言われる方達が造り、市民が参加しないところが多い。
これでは町づくりが成功するとは思えない。これも彼の弁である。

「私は日本の地方の町に行くと、必ず地元のスーパーに行きます。その町の良さが伝わってきます。」
私もよくスーパ―に行くが「スーパ―に入ると地元の物が売られ、野菜なども生産者の写真が貼ってあったり何か安心感を感ずることができる。このような町は良い町である。」これも本人の弁である。

ドイツは戦争によって分断された歴史があり、その歴史を後世に残すことを心がけてきた。
その重荷を背おって行かなければならず、国が陸続きになっていることも大きな要因となっていることも考えられ、ドイツの町づくりや国づくりの苦労とそれを乗り越えて、現在のヨーロッパの主導権を握るような国にまで発展してきた。


【所 見】

講演を終えて、いろいろ考えさせられた部分が頭を巡った。
昨日、岡山市に到着し、その足で倉敷市の「倉敷まちづくり株式会社」を視察してきたが、まさに今日の池内講師の話が当てはまった気がしたからである。

倉敷市は市のまちづくり構想が古い町並みを後世に残していくことで、未来の町づくりをしていこう、古き日本の歴史をそのままに未来につないでいこうとの思いが今日の池内先生の言葉とつながった気がした。

はたして館山はどうだろうか。館山市の歴史に向き合った街づくりをしてきただろうか。
ある時期はスペイン風な街づくりで統一しようとし、海岸にはヤシの木を植え、最近ではようやく里見の歴史に向き合うようになってきたところもある。
はたして、館山はどの方向にこれから向かおうとしていくのか。長期的な展望が必要と考える。

稲村城跡が国の史跡指定を受け、里見の歴史にこれからは光を当てるべきであろう。
館山市だけでなく、里見に関する史跡は安房地方処どころにあり、それを結ぶ形での観光を視野にいれた街づくりがあって良いはずである。

池内講師、ドイツ文学者の話は、とんだところで今、日本が戦後急速な経済成長を遂げた社会で、世界に誇れる歴史を踏みつぶしながら街がつくられてきたのだと思い知らされた感がある。

以上




【主報告】              作成者 石井 敬之
人口減少社会における都市の活力創出
岡山県岡山市長   大森 雅夫

岡山市は、旭川と吉井川が瀬戸内海に注ぐ岡山平野の中央に位置し、「晴れの国おかやま」という言葉に象徴されるように、温暖な瀬戸内海特有の風土により、春秋は快晴の日が多く、冬は積雪を見ることがまれであり、北部は里山や吉備高原に連なる豊かな自然環境に恵まれ、南部には地味豊かな沃野が広がっている。

また、古代から吉備文化の発祥地として栄え、「桃太郎伝説」にまつわる名所があり、古代ロマンあふれる吉備路を形成している。

明治21年の市制町村制の公布を経て、明治22年6月1日に岡山市が誕生し、以来、周辺市町村との合併を経ながら、平成21年には全国で18番目の政令指定都市となり、平成28年4月現在、人口約72万人、面積約790㎢の広大な市域を有する県都として発展し続けている。

岡山市の課題は、将来的に人口減少に突入することが見込まれている。
地域の実情を踏まえた人口減対策として、岡山市を中心都市とする8市5町による岡山連携中枢都市圏(仮称)の平成28年度中の形成を目指して取り組みを進めている。

東京圏への人口流出を防ぎ、若い世代の地元への定着を図るためには、地域経済の活性化と良質な雇用の創出が不可欠である。
また、高齢化の進展や人口減少社会を見据え、周辺地域の活性化と生活機能の維持を図りながら、高次の都市機能が集積した都市部と周辺地域が利便性の高い公共交通等で相互に結ばれた、コンパクトでネットワーク化されたまちづくりを進めていく必要がある。

今後10年間の都市づくりの羅針盤として、平成28年3月に「岡山市第六次総合計画 長期構想」を策定し、「未来へ躍動する 桃太郎のまち岡山」を都市づくりの基本目標に掲げている。


岡山市の取り組み

(1) 地域経済の活性化による、魅力と活力あふれるまちづくり

① 特性をいかした産業の振興や広域観光の推進
岡山市の産業の強みをいかすため、「産学官連携による新しい産業の育」「地場産業の市場競争強化」「広域産業基盤をいかした産業振興」を推進してきた。

特に、豊富な医療。介護資源をいかしたヘルスケア産業の振興に重点的に取り組むとともに、多彩な農業の振興を図ることなどにより、地域経済の活力を生み出していきたいと考えている。

また、岡山市、広島市、高松市、松山市で構成する「瀬戸内4県都市会議」の合意に基づき、広域連携によるさらなる観光客の誘致を推進していくこととしている。

② 回遊性向上社会実験
中心市街地の賑わい創出に向け、「車優先から人優先のまちづくり」「歩いて楽しいまちづくり」として、平成27年度から取り組んでいる。
車道の一車線交通規制による歩行空間の拡大や自転車レーンの設置、歩行者天国化などによって、多くの人が訪れ、回遊性向上にも一定の効果がみられた。

③ 移住・定住の促進
平成25年度から移住定住支援室を設け、移住定住の促進に積極的に取り組んでいる。

特に、岡山市と民間移住者支援団体や就職支援エージェント等で構成する「岡山市移住定住支援協議会」を平成26年4月に立ち上げ、仕事や住まいをはじめとした様々な移住相談にワンストップで対応している。その結果、平成26年度の岡山県への移住者数は、1,737人と全国で1位となり中でも岡山市への移住が県全体の6割をしめている。


(2) コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくり

① 路面電車の岡山駅前広場への乗り入れ及びJR吉備線のLRT化の検討
コンパクトでネットワーク化されたまちを目指すには、都市部と周辺部とが調和・発展し、それぞれの特性と機能をいかし、連携することが必要であり、路面電車の岡山駅前広場への乗り入れとJR吉備線のLRT化の検討を進めている。

これは、乗り換えの利便性や中心市街地の回遊性の向上を目的として、今後、乗り入れに伴う駅前広場の賑わい・憩いの空間、歩行者動線の確保、など地元の方々のご意見を伺いながら進めている。

② 自転車先進都市おかやま
自転車を岡山市にふさわしい交通手段の一つと位置付け、平成24年8月に「自転車先進都市おかやま実行戦略」を策定し、その施策の一つとして、平成25年7月からコミュニティサイクル「ももちゃり」を導入した。市内中心部35ヵ所で展開している全てのサイクルポートで、自由に貸出し・返却ができる自転車の共同利用システムであり、登録者数は4万3千人超、平均利用回数は3.5回/台・日と、共に全国トップクラスである。
利用料金は、一般は1回100円で市民は60円(回数券あり)で、駅から職場迄の利用が多いようである。

③ 生活交通確保事業
岡山市では、既存の生活交通について、御津・建部コミュニティバスでは路線を幹線と支線に再編して効率化を図り、過疎地有償運送の足守地区生活バスでは地域に利用を働き掛けるなど、持続的な運行の確保のために取り組んでいる。
また、地域の方々が主体となったデマンド型乗合タクシーによる新たな生活交通導入を検討している。


(3) 歴史と文化が薫り、誇りと一体感の持てるまちづくり

① 岡山芸術交流2016
岡山の顔ともいうべき岡山城を中心としたエリアは、まちづくりのルーツであるとともに、岡山らしさ、岡山文化の発祥の地です。
芸術を通じて国境や文化、世代を超えた様々な交流が生まれ、そこから市民が岡山の魅力を再認識・再発見し、誇りをもって国内外へ積極的に発信していくきっかけとなるよう取り組んでいる。

② おかやまマラソン
平成27年11月に、岡山県と共同で「第一回おかやまマラソン」を開催した。
マラソン大会の開催は、都市の知名度向上と魅力発信に貢献し、また大きな経済波及効果を生む。

③ 岡山城と岡山後楽園の連携
岡山市最大のコンテンツである岡山後楽園と岡山城は隣接している。
平成25年度、県と市双方の関係者で構成する「岡山後楽園・岡山城等連携推進協議会」を立ち上げ、イベントの同時期開催のほか、共同の情報発信やプロモーション等を実施するなど、相乗効果のある魅力発信、回遊性向上、そして観光客誘致に努めており、その結果両施設とも入場(園)者数は大幅に増加した。


(4) 安心して子育てができ、若者や女性が輝くまちづくり

① 充実した保育サービスの安定的確保
待機児童の問題は今春、全国的に大きく取り上げられた。
これまでの待機児童の判断基準を変えたことが、待機児童が大幅に増加した主な要因ではあるが、共働き世帯の増加や女性の社会進出等に伴う保育ニーズの高まりは、全国的な流れであり、今後も続くものと思われる。

待機児童の解消のために、受け皿の確保を早急に進めるとともに、保育士の確保や子育て世帯の負担軽減などに取り組むことで、子育て環境の整備を進め、子育て世代の子育てと仕事の両立をしっかりとサポートしていくこととしている。

② ワークライフバランスの推進
女性の活躍をさらに推進するために、ワークライフバランスの実現を推進している。
岡山市役所においては、平成28年6月に、課長相当職以上の職員がイクボス宣言を行った。仕事と生活の調和や働き方改革について地域社会全体の意識の醸成を図り、人口減少社会の中で、地域の活力を維持していくことが重要であると考えている。


(5) 住み慣れた地域で安心して暮らせる健康・福祉のまちづくり

① 健幸ポイントプロジェクト
健康寿命を延伸するため、40歳以上の市民を対象とする健幸ポイントプロジェクトを、平成27年1月からスタートさせた。
約4,400人の方が参加されており、体を動かすことにより健康になるとともに、ポイントが貯まり、商品券等と交換ができるというものである。

これからの岡山市がめざす「都市像岡山市第六次総合計画 長期構想」では、
都市づくりの基本目標である「未来へ躍動する 桃太郎のまち岡山」のもと、
3つの将来都市像として、
「中四国をリードし、活力と創造性あふれる『経済・交流都市』」
「誰もがあこがれる充実の『子育て・教育都市』」
「全国に誇る、傑出した安心を築く『健康福祉・環境都市』を掲げた。

安全・安心で、恵まれた自然環境と質の高い都市機能のどちらも享受できる「住みやすさ」に磨きをかけるとともに、「桃太郎のまち岡山」が象徴する、活力と躍動感あふれる都市づくりに全力で邁進する。


【所 見

人口減少問題は全国各市町村共通の問題である。
特に館山市においては、切実な問題である。

人口や面積に大きな違いがあるとはいえ、行政として市民の皆様に安全・安心に生活していただくための施策には、考え方に大きな違いはないと思う。

今回の研修では、岡山市の取り組みの中で、移住・定住の促進や生活交通確保事業、健幸ポイントプロジェクトなど館山市でも取り入れられそうな事業だと思う。
また、歴史・文化も劣ることのないことも再発見させられた。
あとは、行動に移すか、移さないかの違いだと思う。

館山市も平成28年度より「第4次館山市総合計画」を策定している。
「笑顔あふれる 自然豊かな『あったか ふるさと』館山」の実現に向けて「オール館山」の体制で行動に移していこうではないか。

以上




【一般報告】              出筆者 太田 浩
人を惹きつける都市空間とその文化力
法制大学デザイン工学部教授  陣内 秀信

 都市の在り方・思想の転換

戦後1960年代 高度成長期(日本もイタリアも同様)
・ゼロから作り出す都市
・魅力生まない

1970年代
・発想の転換(原点に戻ろうとした時代)
・既存の都市の再評価
「都市の思想の転換点としての保存」
ボローニャの成功
歴史的中心に活気が戻る(歴史的まちを取り戻そうとする)
コンパクト・シティ


 ヴェネツィア 一周遅れのトップランナー

ヴェネツィア的な価値
1980年代に街づくりのキーワードに、
・水上都市、迷宮都市、祝祭都市(近代化、機能的、合理的)劇場都市、五感の都市、エコシティ
・複合機能、人間的尺度
これらのことにより評価される時代となる


3 歴史的空間の再評価

1975年制度改正により歴史的文化の重要性を再認識する。
日本は地形、自然にも世界的に見て恵まれた国であり、いろんなタイプの、まちがある。
70年から80年に伝統的な建物に気づくと、個性の発揮した、まちづくり、ポテンシャルのある、まちづくりが全国に広がっていく

地方の重要文化的建造物・・・どんどん増え、カテゴリーも多様に文化的保存から歴史・文化を活かしたまちづくりへ
日本の都市・・・歴史、地形、風景の多様性を物語る
        東京でも谷中、根津、千駄木,佃島、月島
近年の日本でのダイナミックな動き
町並みの保存地区の多様な建築を評価活用、転用している


 異なる価値の共存・併存

和と洋、静と動、表と裏、聖と俗(ハレとケ)
この空間が、まちの中にあるのが日本の顕著なところであり、お家芸である。古いまち、新しいまち、まさに動と静のコントラストは日本にしかない
二重構造の都市、山の手と下町


 南イタリア都市の近年の文化状況

近代都市空間(基盤目状)に飽き、荒廃していた旧市街へ関心がシフト
・港周辺の旧市街に都市再生の動き
・歴史的空間にはドラマ、舞台の楽しさ
・隣地区からのリピーター、週末人が集まる
近代都市空間から旧市街の都市再生により、舞台の主役が交代した


 水辺空間の発見、再生(行政の力が必要である)

水辺を人々の手に→規制緩和が必要となる
目黒川 お台場公園 品川 大阪・北浜テラス

世界の事例
ロンドン、アムステルダム、オスロ、シドニー、ニューヨーク他
クリエイティブな都市空間、交流の場、文化発信の場
高級マンションが並ぶ日本とは違う

ミズベリング
全国展開、まち起しの文脈でクリエイティブに、エリア・マネージメント
(ここから水辺の未来が見えてくる。都市を変える水辺のアクション)
日本の公共空間は歴史的に水辺に成立・・・それを取り戻す必要
日本では緑と水は一体であり、2000年代のオシャレスポットは水辺に。


 屋外空間の活用 舞台としての都市


ミラノ:ブレラ地区・ナヴェリオ(ミラノは万博をきっかけに甦る)
ヴェネツィア:カンポ、水上カフェ
東京・・・外濠野外コンサート、隅田川オープンカフェ(管理規制の厳しい水辺を豊かに使う試みが必要である)


 凹凸地形の再評価 坂のある街の人気

1960年代・・・坂のある街は発展しない
1980年代
ポストモダンの文化・渋谷、神楽坂⇒個性的な魅力ある街へ
港区・森ビルの開発 凹凸を活かす
ブラタモリ、東京スリバチ学会
 
そこにしかない価値を発見し活用すること
安定したもの、確からしいもの東京の最大の魅力の源泉


 小さなスケールが連動する顔の見える街
盛り場の系譜
60年代・新宿型→80年代・渋谷/原宿
→現在:地元派のマイナーな街が人気 高円寺 大資本が入らない


10 田園の風景 地産地消の魅力
文化的景観、スローフード(地産地消)、スローシティ的価値観」
国立の例  ブランド化 大学/若者との連携


11 地域資産を活かした固有性の高いまち・地域づくり
自然資産+歴史的文化遺産+エノガストロノミア(ワイン食文化の連動)


【所 見】

何かと近代未来に期待する一方、日本には歴史があり、その中には貴重な建築物や自然がある。

「ふるきをたずね新しきを知る」ということわざがあるがふるきものを見つめなおし、その良さを認識し近代的なものと歴史的なものの共存、活用していくことが、今後、日本が人を惹きつける「まちづくり」に担うものである。

今回の講演で日本でのさまざまな実例の紹介のなかで、Iターン、Uターン組の若者による歴史的建物を活用しつつ、ブランド化し情報を発信し、まちづくりに取り組んでいるとのことであるが、とても理想的な取組である。

また、近代都市と歴史的文化の共存、活用という点では、まさに日本のお家芸であり、世界に発信できる日本らしさの一例であると確信する。

企業努力や広報の成功ともいえるが、最近、日本に来る他国の観光者の増加が、それを物語っているのはないか。
私たちも日本の自然と景観に感謝し歴史の重要性を再認識し、それらを後世にしっかりと継承していく責務を痛感した。

以上




【一般報告】             作成者 本多成年
革新的サイバニックシステムによる社会変革・未来開拓への取り組み
筑波大学大学院システム情報工学科教授       山海 嘉之
サイバーダイン社CEO
内閣府革新的研究開発推進プログラムマネージャー
 
山海さんからはこれから迎える高齢化社会に向けた重介護ゼロ社会を実現するための技術を開発していく、もうすでに始まっているとの話が始まった。

出てくる単語が非常に難しく理解をすることが難しいが、私の理解できる範囲で説明をしていきたいと思う。
山海氏のやっていることは身体・生理・生活情報のビックデータの集積を行いそのデータの中から人間の残存能力を飛躍的に拡張させることにより自立支援や健康改善支援を行っていこうとする、氏に言わせるとサイバニックインタフェースということになろう。


サイボーグ型ロボットHALL

平成21年に正仁親王殿下が総裁を務める社団法人「発明協会」から二十一世紀発明賞が贈られている。
自分の体の一部として機能し、ロボットのように機能する。
難しい話であるが、ロボットであっても、神経系や感覚神経などの作用が脳で反応することにより足の感覚を体が足についているロボットに伝え動くようになる、歩けるようになる仕組みを開発したのである。
これをサイバニックシステムと言い医療機器化にむけていくつものハードルを越えて製品にこぎ付けた手腕はさすがである。

2004年にサイバーダイン社を設立しそこから資金調達
2009年にサイバーダイン本社・生産施設
2013年国際医療機器ISO、医療機器CE両取得

サイバーダイン社の実績
・新医療機器に対する臨床研究・臨床評価・治験・国際臨床治験
・国際規格策定・国際認証・医療機器認証(日本、欧州、米国)・JIS化
・医療機器の品質マネジメント
・学会連携・行政連携・国際データのデータベース化
・国内外での保険適用・技術料算定など
以上の経歴である。

なぜかというと誰もやってきたことが無い技術だからである。
だからすべてのことを、ゼロから積み上げて国際規格まで自ら作ってこなければならなかった、ということであろう。
その苦労を微塵も感じさせない流暢な説明に聴衆の全ての方が聞き入っていた。
HALLの医療機器化に向けてきたハードルではあるが、そこは国を挙げて取り組んできた成果でもある。
大学・病院・研究機関と政府・行政・管理系機関と開拓型企業が好循環のイノベーションスパイラルがとれた結果と言ってもよい。


安倍首相の平成28年度の市政方針演説に
ロボットスーツHALに関して、「夢のロボットスーツ」の技術は筑波大学で誕生し、企業の協力を得て製品開発に成功し、海外の企業とも連携し、欧州に展開する製品になりました。
国内外の研究機関、大学、企業のオープンな連携からダイナミックなイノベーションが」生まれる。
新しい科学技術基本計画の最大のテーマは「オープン・イノベーション」であり積極的な産学連携など、攻めの経営を促します。
日本を世界で最もイノベーションに適した国としていく。その決意であります。
との内容の発言があり、これから更なる進展があると思われる。


今後の展開
・脳神経系の疾患患者の機能改善を図ることがHALによって可能である。
・HALと再生医療との複合療法
・介護支援や重作業支援軽減化


【所 見】

これからどのような展開になるのか楽しみな企業であり、「世界でもっともイノベーションに適した国」へ向けた取り組みをリードしていくことは間違いないであろう。世界で最も進んでいる企業のトップの話しを聞けたことは生涯の思い出となるに違いない。

話しが大きすぎて圧倒されてしまい、講話が終わったとたん会場からは、割れんばかりの拍手で覆われた。

日本が科学や医療分野でノーベル賞を受賞している研究者が多くいることに誇りを思うが、多くの科学者が、研究者が日本の基礎研究の難しさから日本を離れ、外国の大学へ流出してしまう話をよく聞くが、このように日本の大学であっても素晴らしい研究とそれを現実的な技術として社会貢献をしてくれる日本人の底力の大きさを見させていただいた。

以上




【パネルディスカッション】            作成者 本多成年        
-ひとが集いめぐるまちづくり-



アート・イベントがもたらす地域への効果と課題

中央大学法学部教授     工藤 裕子

日本におけるビエンナーレ、トリエンナーレなどのアートイベントが地方の都市の活性化に果たす役割について話をうかがった。
今回の会議地でもある岡山市と瀬戸内海を舞台としで2010年に始まった「瀬戸内国際芸術祭」がトリエンナーレの日本の先駆けともいえる。今年3回目で毎かい延べ100万人を動員している。

アーティストにとって作品を作り発表する場ばかりでなく、鑑賞に来てくださった方や住民とのコミュニケーションの場ともなり、開催地にとっては観光などの地域活性化のきっかけともなっている。

現在、日本においては
・大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
・中之条ビエンナーレ
・みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ
・神戸ビエンナーレ
・くにたちビエンナーレ
などが知られているが、特に瀬戸内国際芸術祭は瀬戸内海に面している県や市が連携し開催場所を周遊して観ていただいたり、春やシーズンを通して使うことが出きるパスポート券を発行し、場所や季節を変えながら各エリアを見ていただこうとの工夫も見ることができ、地域連携をも視野に入れた取り組みとして評価している。

大地の芸術祭は2001年、地域活性化センターの「ふるさとイベント大賞グランプリ」を、
2007年総務省より「地域づくり総務大臣表彰」、
2010年国土交通省より「地域づくり表彰国土交通大臣賞」、
2015年環境省・日本エコツールズム協会より「エコツーリズム大賞特別賞」など、
どちらかと言えば芸術祭としての評価よりも地域貢献としての評価


中之条ビエンナーレは地域に暮らすアーテイストがいるとのことである。
地域には木造校舎や古民家、閉ざされた商店や放棄された農地など今、日本のどこにでもある風景や現状があり、現在アートを営むアーテイスト達が人々の暮らしの中で息づいてきた山村文化を取り戻すことを目指している。
作家と住民、そして観客が一緒に作り上げる大規模アートイベントとなっており、交流人口の増加のみならず、定住人口にも貢献している。

山形ビエンナーレは東北芸術工科大学が主催して2014年にスタートし2016年に「文化庁大学を活用した文化芸術推進事業」に採択され、山形市プロジェクト」をスタートし、山形市中心市街地を中心として、観光客や市民が鑑賞するだけでなく、意欲的に消費するエリアとして、再活性化させることを目指し、勝でこの地域の結び目であった「市」を再興するとともに、その運営者を育成する。この様々な「市」、昔からの手仕事、農作物、アート、服、本を基本に販売をしていこうとの取り組みである。

今後の課題として、定期的なイベントとして継続可能なものとし、一過性のイベントとならないような工夫が必要であろう。



都市間競争時代に求められる「稼ぐ都市づくり」
社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事  木下 斉

これまでの国からの財政支援を重視したまちづくりから自ら各種事業で稼ぐ自治体に変わり、その財源から公共サービスを拡充させていこうとするものである。

その基本とてまず公共施設整備についても開発段階から民間施設との合築をし、民間施設の固定資産税歳入や施設の賃貸収入を考えていく必要があり、歳入を増加させる公共施設整備が可能となる。

国の財源に依存しないことは、地域独自の施設開発が可能となり、都市間競争時代に特色ある地域開発が可能となる。
ただ、それには地域の民間資金活用が必要になってくる。
人口縮小の中でも、地域の負担を軽減しつつ、地域の特色を活かして競争力を生み出す稼ぐ都市づくりの推進が求められる。


人口減少社会でも、経営者視点でまちを見直せば地方は再生する。
町おこしビジネスで利益を生むための心構えから具体的な事業の作り方や回し方までを勝ち抜く「10の鉄則」として公開し、自らのまちを変えようとする人たちに向け、想いと知恵を発表している。

その「10の鉄則」とは
① 小さく始めよ。 
② 補助金をあてにするな。
③ 一連托生のパートナーを見つけよう
④ 全員の合意は必要ない。
⑤ 先回り営業で確実に回収せよ。
⑥ 利益率にとことんこだわれ。
⑦ 稼ぎを流出させるな。
⑧ 撤退ラインは最初から決めておけ。
⑨ 最初から専従者を雇うな。
⑩ お金のルールは厳格に決めておけ。

以上であるが、行政と民間はべったりではなく緊張感ある連携が必要であり、民間主導でまちを変えていくことが重要である。
木下氏はこのほかにも、まちを変える10の覚悟も必要と言っている。



後発組の挑戦 ―子供達に夢を―
株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ代表取締役    木村 正明

木村氏は岡山になかったJリーグを発足させ、岡山にプロスポーツを根付かせようと努力してきた人物であり、スポーツチームファジアーノを設立したとき、取締役5人で存在理念を決定している。

それは「子供達の夢と憧れとなるような存在」「家庭と地域と学校の三者が協働で来る社会づくりに貢献する」「岡山の誇りたる存在」と位置づけ、特に、地域の将来に対する寄与を考えた場合、子供達にとことんこだわりたい、をモットーとして取り組んでいる。


このモットーを実践するため、①無料出前サッカー教室、②夢パスを実施している。

①無料出前サッカー教室 
2006年から県内で無料サッカー教室を行うようになり2008年からは岡山県のトップアスリート事業として認定され、岡山県からのサポートも受けられるようになった。
現在は年間1万人以上の子供達の指導を行っている。

②夢パス
夢パスとは、小学生を対象とした無料招待パスで、試合会場に来た小学生に住所と名前を書いてもらうと、その場で夢パスを発行するというものだ。
Jリーグは無料招待券を原則禁止しているので、入場料収入はスポンサーになっている会社が肩代わりをし、まかなっているもの。
 
ファジアーノ岡山の挑戦は続いている。経営においても、人気・資金・インフラいずれをとっても地方のスポーツクラブにとっては常に困難が付きまとう。
企業スポーツがいままで野球や他のスポーツにおいても全国的な展開をしなければ成り立たなかったが自分の地域のクラブを応援しようとする雰囲気は最近でてきたようである。

だが、J1未経験のクラブでトップの集客をもらっているが、まだクラブに無関心な人も多くいる。
地元にプロスポーツクラブがあることで、地域に住む人たちが幸せを感じることができる。
困難はともなうが、地元の人達と協力し合い100年続くクラブを目指したい。



職住近接のまちづくりと交流の促進による地域の活力の創出
茨城県ひたちなか市長      本間 源基

ひたちなか市は平成6年に勝田市と那珂湊市が合併し誕生した町で、旧勝田市は製造業を中心とした工業都市として発展してきた市であり、那珂湊市は水運・漁業で古くから栄えた地域であり、二つの市の特徴をいかした街づくりをしていきたい。

本市の強みは、特定重要港湾である常陸那珂港区は平成10年から一部供用開始されて以来、平成28年4月から中央ふ頭の水深12mの耐震岸壁が共用を開始し、現在も地方港湾として異例の速さで整備が進められている。
また、常陸那珂港区に直結する北関東自動車道が全線開通しこれからの首都圏と直結した陸路と海路の両面からの物流の拠点としてのポテンシャルの高さに期待できる。

ひたちなか商工会議所では、平成27年8月にロサンゼルス事務所を開設し、中小企業の海外展開をサポートしている。
また、JA常陸は、商工会議所と共同でアメリカに地場産農産物を売り出そうとしている。


観光資源

ひたちなか地区に平成3年開設した国営ひたち海浜公園は、平成27年度の総入場者数213万人を数え過去最高を記録した。
海外からの観光客も数多く、アジア圏を中心とした外国人環境客も増加している。
8月には4日間で25万人を集める国内最大級の野外フェス「ロックインジャパンフェスティバル」が開催される。
そのほか、那珂湊おさかな市場や徳川家ゆかりの史跡や産業遺産である那珂湊反射炉跡など、豊富な観光資源がある。

地域の活性化

中心市街地において、民間企業の所有していた建物を取得活用し、誰もが気軽に立ち寄ることができる「子育て支援、多世代交流施設」を整備している。
これにより、生涯学習など複合的な機能を有するもので、多世代交流の促進が期待されている。
商工会議所が中心となって設立した「ひたちなかまちづくり株式会社」は、街角での交流イベントやたまり場となるカフェの運営を行っており、人の流れや、賑わいを創出し、商店街の活性化にも寄与している。



「みんなで創り育みみんなに愛され選ばれるまち」を目指して
三重県鈴鹿市長       末松 則子

鈴鹿市は、昭和17年に2町12か村が合併し、人口5万2千人の都市としてスタートし、戦後数多くの企業誘致を図りながら発展し、現在20万人を上回る人口となっている。
ただ、少子高齢化の進展により、自然減に転じ、人口は減少傾向にある。


モータースポーツのまちづくり
鈴鹿サーキットは日本のモータースポーツの聖地として有名で、鈴鹿8時間耐久レースやF1グランプリの会場として毎年、国の内外から多くのファンが訪れている。

平成16年12月に全国で唯一の「モータースポーツ都市宣言」を行いモータースポーツを核としたまちづくりを地域一丸となって進めている。

官民37団体で構成する「鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会」を組織し、帰り道の渋滞情報などの検索ができるサイトの構築や、渋滞緩和にむけた環境整備や地域の団体と連携しながら歓迎ムードを盛り上げる活動を展開している。


市民の積極的な地域づくりによる活動
平成24年12月に制定した「鈴鹿市まちづくり基本条例」にもとづき、平成27年4月に協働についての考え方や協働のルールを作った「鈴鹿市協働推進指針」を策定した。
具体的には基礎的な組織となる地域づくり協議会を市内全域に設立し、地域計画の策定などを進めるほか、市民自らが効果的に地域づくりを推進するための総合交付金制度の創立に向けた取り組みを行っている。


新たな産業の創出と雇用の拡大
本市はこれまで培ってきたものづくりの技術力の高度化を図る一方で、次世代自動車や航空宇宙産業などに展開するなど、新産業分野へ応用することで産業構造のすそ野を広げていく取り組みを進めている。
今後は平成30年度に新名神高速道路三重区間が開通予定であり、市内にスマートICができる予定で、これによりさらに交通アクセスの向上によりその優位性を活かした取り組みが求められる。

このパネルデイスカッションをを仕切る司会者として東京大学大学院工学系研究科教授の西村 幸夫氏が各出席者からそれぞれの分野で活躍されている方々の話しをひきだされ、これから迎えるグローバル社会における地方は如何に地域の活性化を図っていくのかを教えていただいた。


【所 見】

地域の活性化は自治体の形態(地形、位置、人口、気候、風土)など、様々な違いがあることと同様に何一つと同じような施策でなされるものではないことを理解した。
とはいうものの人を惹きつける価値にそう違いはないのではないか、となれば様々な自治体の例を検証していくことで自分のまちのまちづくりのヒントになるとの想いだけでこれからも勉強していきたいと思っている。

今回のパネルデイスカッションも大学の先生から学術的な見地から、民間からはスポーツにおける地域活性化の可能性について、自治体の首長からは自治体の特徴をいかんなく活かしていこうとの想いが伝わる発言が視られた。

館山市においてもしかりである。館山市の特徴を如何に活かせるか。それに掛かっている。
① 首都圏に近い。
② 自動車専用道路を使って一時間半で行き来ができる。
③ 温暖な気候で災害が少ない。
④ これまで大きな地震が来ていない。
⑤ 海の幸・山の幸の種類が多く豊富に捕れる。

館山市に、マイナスの要素が数多くあることも承知しているが、上記にみられる要素はどんなに差し引いても余りある館山の得意性である。

以上

   


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【倉敷まちづくり株式会社】        作成者  本多成年

説明者 岡 荘一郎  交易社団法人 倉敷市文化振興財団 理事長
           倉敷商工会議所 第11代会頭・相談役
           倉敷製帽株式会社 代表取締役
           倉敷まちづくり株式会社 代表取締役

説明者 安田  誠  取締役兼ゼネラルマネージャー


【視察目的】
今回の全国都市問題会議出席にあたり、近隣都市で館山市において参考となる都市再生事例をと、探していたところ岡山県岡山市近郊、倉敷市の「倉敷市美観地区」を見事、倉敷市の観光の要所としてゆるぎない場所として再生させた倉敷まちづくり株式会社を視察してきた。
 
【設立経緯】
平成20年9月に中心市街地活性化に関する法律に基づき「倉敷市中心市街地活性化協議会が設立される。協議会の必須構成員として倉敷市・倉敷商工会議所・地元金融機関などが出資し、倉敷まちづくり株式会社が設立された。

資本金200万円で始め、倉敷市中心市街地活性化基本計画が内閣府より認定され、平成23年以降、増資を続け平成24年、資本金2400万円(1000万円は倉敷市、他は個人と銀行)となり現在に至る。
 
倉敷まちづくり株式会社は純粋なる民間組織ではあるが、倉敷市による中心市街地活性化に関する法律に基づき設立され現在は駐車場管理を市からの業務委託を受け、その営業益によって黒字経営を続けるに至っている。


【事 業】

「倉敷物語館」
旧家で国の重要文化財の東大橋家住宅を市が買い取り、「倉敷物語館」としてオープン、この指定管理者として事業を開始した。
私達視察団を迎えてくれた安田さんもこの倉敷物語館の前で待っていてくれ、中の会議室でレクチャーを受けたが、さすがに歴史ある建物らしく天井を飾る大きな梁が大きな存在感のある建物で、中には会議室や軽食の食べられるコーナーやお土産屋などがあり、倉敷の町の導入部の位置的な場所でもあるが、観光案内としての役割も兼ねているような施設であり、倉敷まちづくり㈱のシンボル的な存在だった。

「旧林薬品街区整理事業」
林家より借家として国の補助を受け、6年ほど管理している。この林薬品の建物も大変重厚な作りで二階建ての大きな建物で中には、カフェが有ったり、テラスでお茶が飲めたり、小物や備前焼きがおいてあったりと、観光客でにぎわっていた。
テナントとして、各フロアを貸しているようである。

「倉敷市営駐車場指定管理事業」
平成24年より、市の指定管理事業として倉敷市内にあるすべての市営駐車場18か所の全ての管理を任されている。
まちづくり㈱の従業員24名のうち、14名が駐車場の整理員であり、ほぼすべての事業のうち駐車場の利益が黒字の要因ともなっている。
この会社の経営の安定化を図るため、倉敷市より管理を委託されたものと伺える。
しかし、18か所の内3か所程度しか利益を出していないとの話もあった。

「旧奈良萬街区整理事業(奈良萬の小路)支援」
町屋の連なる小路という感じであるが、小さなショップやレストランが並ぶ。
日本家屋の良さと、新しい若者文化も出会えるような施設であった。
どうしても古い街の観光となるとお年を召した方の観光というイメージとなりがちであるが、若い人にも訪れてほしいとのコンセプトも相持つ区画となっていた。

以上の事業により、総収入、平成27年度で約3億7000万円有り、2千500万円程度のお金を倉敷市に毎年、「まちづくり還元事業」寄付金として還元している。

倉敷まちづくり株式会社では取締役として11名の財界、大原美術館館長や、銀行頭取などがいるがすべて無報酬、常勤の取締役は説明をしてくださった安田さんだけと、この会社の設立が倉敷市の活性化が目的であり、その目的の達成のために役員の皆さんが頑張っておられる、この街を愛しているとの思いが伝わった内容であった。


【所 見】

倉敷市「倉敷美観地区」、日本を代表する観光地である。
代表的な施設でもある大原美術館をはじめ、ホテルを併設している倉敷アイビースクエアや重要文化財でもある多くの旧家が1キロ平方メートル四方の街の中に点在し、柳の木沿いに流れる倉敷川を挟んで平日でも多くの人でにぎわっている。

日本にある多くの街中再生事業を見てきたが、古い家並みを取り壊し、新しい建物を作り、作ったばかりは若い人が集まっていたのが、何年かするとまた人通りがいつの間にか少なくなっていた、なんていう話はいくつもある。

倉敷美観地区はどうだろうか、逆に日本の街の象徴ともいえる電柱のある街並みから電柱を取り払い、古い町並みをそのまま残すということで、さまざまな年代の人達が集う場となっている。


倉敷市では、倉敷市中心市街地活性化基本計画があり、倉敷市ではその目標を達成するため様々な取り組みを行っているが、その中心的な役割をこの「倉敷まちづくり株式会社」が担っていることがよくわかった。

倉敷市が計画している基本計画に沿った形で「まちづくり還元事業」寄付金を使って美観地区の更なる振興につながる施策に使われることで、プラスのスパイラルが生まれ、活かされている。


しかし、館山市でこのような事業を担うことが可能なのかと言うと、少し無理があろう。
それは、市が委託し、委託した事業から利益を生むことができるような事業が館山にないからである。

倉敷市では町全体が観光を目的とした施設が点在し、その施設には必ずといってよりほど市営の駐車場が併設しており、その営業益がある。


館山市ではすべての観光施設の駐車場は無料であり、来年度4月から漸く城山公園駐車場が大型バスのみ有料と決まったばかりである。
それにしても公園の管理費を賄うほどもないのが現状である。
もっと、収益のあがる事業が市営であるようでなければ、このような形態は難しいであろう。

館山市は現在、観光を軸として食をキーワードとして発信していこうとの思いで様々な施策を展開しているが、地元の民間が率先して動けるような状況ではないと感ずる。

というのは、民間と行政がしっかりタッグを組んでいるとは到底思えないからである。
民間が市の本気度を感ずることができるのかがカギであるような気がする。

倉敷市での駐車場の指定管理がそれに当たると思うが、民間の活性化会社が運営する上での経営の安定化を図ることを本気で行政ができるかにかかっているのでは、行政が補助金を出し惜しみをし、資金は民間でなんとかできないか、では、街中再生はむずかしい、ということであろう。

以上






 
2016-10-05 up

館山市議会議員 
本多成年



              
市民クラブ 視察研修日程表 2016(PDF







  2016-06-05 up

館山市議会議員 本多成年




調 査 報 告 書

1.出張者氏名 : 吉田 惠年 ・ 本橋 亮一 ・ 本多 成年 ・ 石井 敬之 ・ 太田 浩 

2.出張先   : 市町村アカデミー(千葉市幕張)
        : 市町村議会議員特別セミナー 
3.出張期間  : 平成28年5月12日(木)~13日(金)
4.調査の概要 : 自治体経営の課題について



講演内容

1)講演 「脱成長社会に向けて
  講師  京都大学名誉教授
      京都大学心の未来研究センター特任教授 佐伯 啓思 氏

2)講演 「地方議会から国政を見る
  講師  NHK解説委員  解説副委員長 島田 敏男 氏

3)講演 「地方創生と地方議会の役割
  講師  読売新聞東京本社編集局企画委員 青山 彰久 氏

4)講演 「人口減少時代の地域づくり
  講師  弘前大学大学院地域社会研究科研究科長教授 北原 啓司 氏







作成者 :太田 浩

1)講演 「脱成長社会に向けて」
  講師  京都大学名誉教授
      京都大学心の未来研究センター特任教授 佐伯 啓思 氏
                          
世界は大きな転換期を迎えており、知識人は、目の前の問題にとらわれすぎて、意識も低い。


【アベノミクスについて】

どう評価すべきかが難しい---景気もよくなり、ある程度の成果はあった。
              脱デフレになった。
              雇用はある程度上昇したことは評価できる。

第一の矢 長期金融緩和
      長期インフレを抑えるには金の供給量を下げればよいのである。
      経済も回復すれば政府が積極的に起業に関与すべきである

第二の矢 財政政策
      政府が経済に介入しても景気は良くならないのである。
      景気の悪い時に金をどんどん出しても民間の企業はのってこないものである。
      (投資する気にならないからである。)
      物価が上がれば景気が良くなるとは、
      人それぞれの考え方であり景気が悪い時は政府が率先して企業を立ち上げることである。
      今の政策はアクロバック的で不安定であるのが現実である。

第三の矢 成長産業・成長戦略
      新しい産業をつくっても最低数年はかかるものである。
      (投資してから数年から数十年後に成果が出るものである。)
      コストを下げるには人件費を下げる(IT革命)である。
      これにより人間から機会に変わる。よって雇用の場がなくなり失業者が増えるのである。
      要するにIT化することは人間を省くことになる。(今のイノベーションである)
      雇用がなくなれば経済は活性化しないのであり、日本の長期戦略を見直さなければならないのである。

地方創生 国がしっかりとした方向性、国土計画を示さないと地方力では何も解決はできないのである。



【経済の長期停滞をもたらした原因】

1 人口減少社会(少子高齢化社会)⇒企業の活性化が期待できないことにより、経済の活性化はないのである。
2 グローバル化⇒先進国は不利になる(先進国は海外の安いコストで事業を展開してきたが、
  そのような国が自力で成長してくれば先進国に頼らずとも自国で生産性を高めることができるからである。)
3 デフレ圧力の中で構造改革を行ったことである。
  90年代に何が何でも構造改革に着手したことによる市場競争をしたことである。

構造改革の考え方が根本的に間違っているのである。

経済は需要と供給からなりたっているのであり、供給が問題である。
日本経済がうまくいかないのは行政規制が厳しいからである。

行政規制が厳しいから企業は作りたいものを作れないのであり、よって経済が伸びないのは需要が伸びないからである。
消費者が欲しがるものを企業がつくることにより、経済は発展するのである。

日本は豊かになった。
しかし、次から次へと新しいものを作っても消費気質は高まらないのが現状であり、
消費意欲が高まらないから経済は発展しないのである。

その要因の一つが、最近の若者はスマホやゲーム世代であり外出しなくなったので、
それ以外のものを必要としないからであり、そんな状況の中では物を買う行動にはでないのである。
よって物は売れないのである。
安定した生活基盤をつくることが、国の最も重要な課題である。


【まとめ】

アベノミクス効果により景気の回復と、雇用の創出に国民は大きな期待を抱いていているわけである。

そして行政と企業の踏ん張りに期待し、生活水準の向上に努力してきたわけである。
しかし、未だにその効果は本来の期待には、ほど遠いものであり、各地方自治体も自治体なりに努力はしているものの、
やはり国に期待するところは大なるものがあり、しっかりとした方向性と計画を示し実行していただきたいものである。

しかしながら現状において今日以上の執権者がいるのか、ましてや政党が変われば今以上の悪化が危惧されるのである。
そういったなかで、必要な部分の計画の見直しも妥当性があれば適正であり、
しっかりとした安定した経済と国民の生活基盤となる舵取りを期待するものである。







作成者 :石井 敬之


2)講演  「地方議会から国政を見る」
  講師  NHK解説委員  解説副委員長 島田 敏男 氏

今、政治で何が起きているのか知りたいと思っている人たちが多くいる。

その人達に声を掛け、理解してもらうように努力していかなければならないと思う。
今の若者は無党派層が多くその人たちの政治に関する気持ちを変えていくことができるのは、地方議会の議員である。

最近の国政の現状について具体的な事例をしめされながら、分かりやすい講演をしていただいた。

まず国政選挙についてであるが、国政選挙における投票率は年々下がっている。
全体の投票率が下がっている時は、20代の投票率も下がっている。

今後の選挙では、18歳選挙権が投票率UPのキーポイントになるのではないかと見られている。
世論調査では、18歳選挙権について60%の人が投票に関心を持っている。

メディアが18歳以上の人たちにも意識させることにより、20歳以上の人たちの投票率UPにつなげられると思う。
地方議会の議員も18歳の人との意見交換をすると良いと思われる。
きっと18歳の人たちも、しっかりした意見をもっていると思う。


内閣支持率についてであるが、5月6日~8日の内閣支持率に対する世論調査では、
45%の方が支持すると答え、支持しないと答えた方は36%だった。

現在、経済の方向性がはっきりしており、株価も下がらなかったので支持率は安定的に維持している。
(逆に、株価次第ではどのように変わるかわからない)


伊勢志摩サミットについて、世論調査では、与党支持者でも23%程度の人しか評価していない。
中国とロシアのいないサミットでは、評価する以前に半数の人が分からないと答えている。 

また、オバマ大統領の広島訪問についてだが、ケリーさんがオバマ大統領も来るべきだと発言したことにより、
より実現に近づけられたようである。

オバマ大統領は、歴史に名を遺すのではないかと言われている。
それは、世界の戦争に積極的に加担するのではなく、
出来るだけ戦争を収束させるために尽力するべきだと方向転換をしたことにより、
広島で被爆された方と話しをすることで、
原爆の廃絶に対しどのようにメッセージを発言するのか注目されるところである。


消費税率10%への引き上げについては、現時点では、予定通り引き上げの方向であるが、
伊勢志摩サミットでの他国の意見次第では先延ばしも可能だと思われている。 

世論調査では49%の方々が反対しているが、誰でも増税は嫌なものである。
消費税率引き上げを先延ばしした場合は、
社会保障の財源の確保を今後どのようにしていくのかが問題点としてあげられる。 
6月1日に国会が閉幕し、その際の記者会見での発言が注目されるところである。


原子力発電所の運転再開については、世論調査では3月と5月には運転再開に反対者が増えている。
資源のない日本においては、なかなか難しい判断だと思うが、最近は熊本で大地震が発生している。
自分の住んでいる地域に地震が発生したと考える人が多くなってきているのも、反対者が増えた一因だと思われる。


政党支持率についてであるが、冒頭に述べたように、最近の若者は無党派層が増えている傾向である。 
今後の問題で消費税率の引き上げや、参議院議員選挙の動向などで与党と野党の議席次第では政党支持率が
どのようになるのかわからないと思われている。


安全保障関連法が2016年3月施行された。
 
なかなか分かりにくい関連法であるが、仮に、日本が他国より攻撃された時、
また、守ってくれる外国が攻められた時に攻撃をする事が出来るかなどについて、
政府が総合的に判断をし決定をするようになると思われる。 

日米間については、日米安全保障条約を継続している。
日本はアメリカ軍に住民から土地を借りて、基地として提供している。 

アメリカには日本の平和と安全、極東の平和と安全に寄与していただいている。
今後、アメリカ大統領選挙でトランプ氏がもし大統領に選ばれた場合は、今の考え方が大幅に変わる恐れが十分にある。
日本としては、どのように対応するのかはいろいろな意見を議論しながら時間(4年間)をかけて、
より良い選択をすべきだと思う。


【所 見】

島田敏男先生のお話しは、NHKの世論調査の数字を基に、分かりやすく内容のある話であった。

今、日本の政治で何が起きているのか知りたいと思っている人は多くいると思う。
しかし具体的にどのように動いているのかは説明できても、どのようになっていくのかは誰にもわからないと思う。

地方議会の議員が、有権者の身近にいるのは間違いのない事実である。 
経済がどのように展開しているのか幅広く・具体的に多くの人に説明してあげられるのは、
国会議員ではなく身近にいる地方議員である。 

有権者に認められる議員になるための努力を今後も続けていかなければならないと再認識した次第である。







作成者 :本多 成年

3)講演  「地方創生と地方議会の役割」
  講師  読売新聞東京本社編集局企画委員 青山 彰久 氏

青山彰久氏 「略歴」

日本自治学会理事・企画委員・総務省過疎問題懇談会委員
中央大学経済研究所役員研究員・千葉第法経学部非常勤講師
大妻女子大非常勤講師・地方6団体新地方分権構想検討委員会委員


【はじめに】

安倍地方創生が今どのような状況にあるのか、経済や政治に関して時計の針を逆に回しているのではないか、
との最初のはじまりの言葉であった。

2000年小泉政権以降、効率化を重んじ、地方は身を縮める思いをしてきた(行財政改革)、
しかしその当時誰も、自分の市町が消滅するなどの危機感をもってやっていたところはなかった。

しかし、今日本創生会議の増田さんの発信の元、
「地方創生」との言葉と脅しともとられる「消滅する」というショッキングな言葉、
これにより日本の行政官庁が地方の行政に対し補助金統制を図ろうとしているのではないか、
との思惑まで聞かされることとなった。

これにより、ある自治体はこの時こそチャンスとの思いで、
国の思惑からむりして反発することなく補助金をわが町にと、一生懸命励んでいるところもある。


地方創生に対する地方の取り組みパターン
(1)地方のモデルになる(チャンスと思って国からいかに金をとるかと励む)
(2)こんなことして金をもらうか(自分のことは自分でやると国と喧嘩する)
(3)表面服従する(国の指示のつもり、困ったけどまあやるかぐらい)

地方創生での考え方を作る土台が地方分権と呼ばれる国から権限も財源も地方に移り、
国と地方の関係も主従・上下から対等な関係となってきた(そうかな)と言われるようになってからで、
だからこそ議会の役割が重要になってきている。



【地方議会と地方議員】

○地方議会は「住民の広場」であり、
地方議会には「自治体の立法機関」であり「自治体の議事機関」国の下部機関ではないという顔と同時に、

①地域の政治的争点屋政策情報を集約し公開する。
②政治家を訓練する
③首長と行政機関を監視する。

との3つの役割がある。


○地方議員は「地域づくりの専門家」であり、地方議員に期待する役割は住民の生活感覚を基に、
役所文化では生まれない「感性」「生活の知恵」「専門的な技術と技能」を備え
地域全体を政治的に統合する専門家という姿になる。


○行政とは、住民に代わって行政サービスを代行する執行機関
地方創生を論ずる前に、議会議員がどのような立場でどのような仕事をしなければならないのか、
まずその確認をせよと言うところか。



【地方創生と地方自治体】

地方議会と地方議員の役割が解っていたうえで、
地方創生の政策形成構造「地方人口ビジョン」「地方版総合戦略」「数値目標主義」を国が作れと言い、
地方は国からしっかり金を取ろうと急ごしらえで無理して3つをそろえ、
 ・国は三種の神器を出さないと金を出さない
 ・強制はしないが実質強制しているような
 ・国はその3つを求めることにより自治体の政策失敗には責任を取らずに済む
責任は地方にあるということになるのである。


青山氏によると地方創生には3つの論点があるとのことである。

論点1. 国に顔を向けるのか、住民に顔をむけるのか。
     ・ 人口増を謳うと迎合していると国に批判を受ける。
     ・ 原因は自治体計画が「地方創生交付金」の交付と直結している点にある。毒薬が入っている。
     ・ 特定財源主義の限界「国の移行をおもんばかる」「他自治体と競う」という圧力
     ・ 計画内容の吟味を「交付金目当てに国に顔を向けるだけになっていないか」
       という点検魂だけは売るな

論点2. 地域の活性化は数字なのか。
     ・ 政府はなぜ自治体政策に数値目標を求めたのか。
      「ばらまき」との批判をかわすための方策なのではないか。
     ・ 副作用への懸念。形式的な目標達成主義と過剰な数値目標崇拝。
     ・ 地域政策の基本である「息の長い取り組み」の軽視。
     ・ 地域活性化を数字で把握する虚妄。
     ・ 地域づくりとは数字ではなく地域に対する人々の情熱と知恵と努力の結集
     ・ 英国での数値目標主義(業績評価制度)を15年続けた末、廃止
     ・ 多様性に富む地域を作る政策は、自治体が自ら立案してその責任をおう
     ・ 「ばらまき」「無駄遣い」をチェックするのは、国ではなく地方議会の責任

論点3. 地域の活性化は経済がすべてなのか。
     ・ ローカルアベノミクスの浸透を掲げる安倍内閣、地方創生を地域活性化委とみなす傾向がある
     ・ 地方議会は、もう一つの座標軸を、住民と一緒に地域政策に取り入れる議論
     ・ 経済の活性化が必要だとしても、
       大切なのは単純な雇用創出というより「地域の中で金が回る仕組み」が必要
     ・ 経済だけに目を奪われず、大切なのは「人口が増えなくても安心して暮らし続けられる支え合いの仕組み」


以上のことから学ぶべきことは、地方創生にむけて作った基本計画と総合戦略について、
日本全国どこでも行われているような政策にとらわれず地域の特性を活かした地元ならではのものに注目すること、
そして単年度ではなく中長期的な取り組みとして、しっかり議会で議論を重ねながら続けていくことのようである。

外部の資本に依存した経済では地域に金が回らず、東京に金が行ってしまう、
そして、数字にとらわれるばかりで多様性な取り組みを否定することになるということである。



【脱工業化・脱都市化・田園回帰】の概念

・ 金や便利さがすべてという時代から、「生活の質や美しさや豊かさ」を求める時代へ動いている
・ 人口が増えなくても、人々が安心して暮らし続けられる社会の仕組みを考える時代に
・ 農山漁村の価値、「共同体の中で暮らす幸せ」「自然と折り合って生きる豊かさ」
・ 大都市への懸念、「歴史と個性を喪失するまちなみ」「砂粒のような人々の生活」
・ 都市にとっての農村、農村にとっての都市を考える。

リーマンショック後の若い人たちが関心を持っているこれらの動きを、
私達が生きてきた時代の人間と比較することは、あえてしない。

なぜなら今の若い人たちが成長と言われる豊かな時代を経験していないことは事実であるから。 
しかし、この成長を知らない若い人達がこれからの時代を創っていくということになるのである。
これからの議会議員も大きな広い視点で見ていかなければならないということである。



【住み心地よき地域をつくるという視点】

・ 自治体消滅論に惑わされない
・ 単純な公共サービス縮小路線に陥らない
・ 経済成長だけがすべてなのか、考え直す
・ 子どもを産みやすく育てやすい地域とは、「人間にとって住み心地のいい地域」



【地域の力とは何か】

地域の力を「みんなにとっての共同の危機を共同で解決する能力」と定義し、
それらは3つの要素からなる。

その3つとは、
1. 共生する力 (共に生きていこうとする人々の力がどれほど強いか)
2. 参加する力 (問題の解決のため、傍観者とならず参加する人々の力がどれほど強いか)
3. 帰属する力 (自分の住んでいる地域に住み続けようとする人々がどれほど強いか)



【所 見】

もう言わずもがな、というところである。 
青山氏の講義で学ばせていただいたのは、
地方創生に取り組んでいる国の思惑と地方自治体の思惑の違いはあれ、
地方自治体が直面している事実は現状の通りであり、財政赤字を抱えている中で、
心もとない予算では地方創生なる大事業を成し遂げられるはずもなく、
国が提唱した地方創生を活かし国の財源を継続的な事業、
「つまり地域の金が地域で回るような事業」を我々議会としてキチンと視ていかなければならない
ということだけは肝に銘じて取り組まなければならないということであろう。







作成者 :本多 成年


4)講演  「人口減少時代の地域づくり」
  講師  弘前大学大学院地域社会研究科研究科長教授 北原 啓司 氏

北原 啓司氏 「略歴」

日本都市計画学会防災・復興問題特別研究委員会復興まちづくり部会長
国土交通省「東日本大震災からの市街地復興手法検討委員会委員
石巻市復興まちづくり検討会議アドバイザー
日本都市計画学会理事、日本都市計画家協会理事
日本建築学会住まい・まちづくり支援建築会議運営委員長



【初めに】

まちづくりはまずどういうことか、基本的なことや世の中の変化によってまちづくりの考え方が全然ちがう、
また変わってくる、その先を読み取る力を備えていかなければならない、との話がはじまった。

まず、まちづくりは誰がつくるのかであるが、市民が参加しなければ意味がないとし、
議会と市民の対立(あえて対立とした)やワークショップでの議論があったうえで、
行政―議会―市民とのそれぞれが妥協したうえで予算化しものを作っていく、
今後のまちづくりは三者の対立、これがキーワードになる。

グローバル化も日本に今まで以上の変化をもたらすとし、
アメリカモデルとしてのグローバル化にいままで日本が引きずられていた、
つまりスピード化、均質化、市場化が求められていたが、今後は成熟安定を求めローカル化していくのではないか、
つまりスロー化、個性化、文化を重んじるヨーロッパモデルのように変化していくのではないか、というのである。



【成長社会から成熟社会へのシフト】

成長社会では新しく広げていくという意味で新規市街地形成を図っていたが、
成熟社会ではいままでの広げることに落とし前をつけるということで既成市街地再編とし量的不足への対応から、
質的変化への対応へと変わっていかなければならない。

地方創生があくまで量的不足への対応を求めていくのか、
質的な変化に対応していくことを求めていくのかを考えた議論をしたかどうか、
再度議論する必要があるのかもしれない。

今後な持続可能性を基本とした都市づくりを目指すうえでグローバル化から手の届く距離、身の丈、
生活感を重視したローカルな進展を図るようにすべきだ。

市民的公共性を大事にする、成長じだいの公共政策では手に負えないNPOや市民、企業等の連携をさせ、
大きな企業が手が出せないような、コミュニティの知恵を結集させることが大事となる。


○通りを歩く目線を大事にするまちづくり
 ・ 歩いているのは誰なのか。
 ・ どこで、なにが見えるのか。
 ・ なぜそこにこだわってみたいのか。
 ・ そこでどんな出来事がうまれるのか。
 ・ どうやって物語をつなげていくのか。

子供でも大人でも男でも女でも、誰もがそこに住んでいる一人一人のエリアマネジメントの発想が、
今後のまちづくりに必要であり蔑ろにできないということである。

そこで必要なのが対立ということなのであろう。
先生があえて対立という単語をつかうのは、
「なれあいの会議は、もうやめろ」と言いたいのだろうと、あえて記述することとする。



【成熟社会のマネジメントとは】

そもそもマネジメントは何か、manage to~の意味は「なんとかする、どうにかする」ということで、
いちばん優れたマネージャーは「親」という名のマネージャーであろう。 
なぜなら対価を求めないからである。

まちづくりでは、地域の魅力を確認しながら持続させていく、
そして地域に関わる人を増やしていくこと(人口を増やしていくことではない)であり、
地域活性化は商店街や産業の活性化ではなく、
地域に関わる人々を活性化させることであり、限界集落にもその資格があるはずである。
※合併すると大きな町に政策が集中してしまい、その他が置き去りにされてしまう可能性がある。


○少子高齢社会における質の高さの追及
・ 居住の場だけでなく、ふれあい、交流し社会参加できる生活環境づくり
・ 地域の特性を
・ 充分に活かしたまち育て、地域固有の美しさと歴史を感じさせる
・ 開発型から創造型の産業社会へ

地方都市のまちづくりを今の社会情勢を今、もう一度再確認し、
再認識し適切な計画の見直しを図っていくことが重要ということか。

少子高齢化社会が決して悪ではなく、
「成熟社会」という新たなワードに置き換えることによって、また違った進み方があるかもしれない。



【まち・ひと・しごと創成戦略の登場】

超高齢社会に待ったなしの地域戦略を建てなければならず、今さら地域おこしなどと言っている時代ではない。

これまでも、地域おこしはやってきたが、
成果につながってこなかった理由は自治体の補助金依存体質があったからである。


○検討するにあたっての原則
・ 地方、地域、企業、個人の自立に資するものであること。 
  この中で、会部人材の活用やひとづくりにつながる施策を優先課題とする。
・ 地方が主体となり行う。夢を持つ前向きな取り組みに対する支援に重点をおく。
・ 国の施策の縦割りを排除し、客観的なデータにより各地域の実情や将来性を十分に踏まえた、
  持続可能な施策を支援するものであること。
・ ひと・しごとの移転創出を図り、これを支えるまちづくりを直接的に支援するものであること。
  プロセスよりも結果を重視する支援であること。
  このため目指すべき成果が具体的に想定され、検証などがなされるものであること。

○成就させるための国の支援
・ ワンストップでの官民ビッグデータ活用支援、新たなデータ分野の追加、国民への広報・普及
・ 地方創生コンシェルジュ、地方創生人材支援制度
・ 「新型交付金」の創設、各種補助金、まち・ひと・しごと創生事業費

○まちづくり地域連携
・ まちづくりにおける官民連携の推進
・ まちづくりにおける地域連携の推進
・ コンパクトシテイ形成にあたっての政策間連携の推進
・ 人の流れと活気を生み出す地域空間の形成
・ 空き家対策等既存住宅ストックの有効活用
・ まちづくりプロフェッショナルの育成確保



【成熟社会にとって必要な視点とは】

結論:次代に向けた地域の人材を育てること
   どのような人➡ 自分達でまちを何とかしたいと考える人達
           自分たちの「場所」を持ちたいと考える人達
   ※ まちづくりのプロではないはず、単なる住民

まち育ては、単なる「空間」を「場所」に変えることである。
「空間」に人々の思いと活き活きとした行為が加わると、そこが「場所」になる。



【所 見】

北原先生の講義はで捉えていかなければならない提議として、
人材はもちろんだが、ハード面での本来の街づくりも今後の人口動態などを見極めて考えていかなければならない
と言っているのだと思う。

日本には、もう今迄のような成長の時代はこないのだ、
だとしたら私はせいぜい関われたとしても10年、私の孫が二十歳になる時代まで私は見守ることはできない。
いまそれこそ話題になっている「ゆとり世代」が次の日本の地方の担い手になっていくのだと思う。

普通の住民・市民が地方創生などのお題目を唱えずに、皆がまちづくりに参加することなど望めることも無いでしょう。
ただ、これからの先生がおっしゃられたローカル化が地域づくりの鍵となるとすると、
街づくりのプロでない住民が参加して大いに行政と議会と住民が「対立」し
ローカルな民意を国に示そうではありませんか。








 
  2016-03-29 up

作成:館山市議会議員 本多成年



成田富里いずみ清掃工場 視察報告



視察日時  平成28年3月22日(火)
施設名称  成田富里いずみ清掃工場(いずみは設置地地名)
所 在 地   千葉県成田市小泉344番地1
処理方式  ガス化溶融炉(シャフト式)
処理能力  212t(106t/24h×2炉)
発電能力  3,000KW
敷地面積  36,000平方メートル
完成年度  平成24年9月



【目 的】
市民クラブでは、広域ごみ処理施設整備計画が南房総市富浦の大津地区から同市千倉町大貫地区に移転することとなってから、又、市民団体などの活動が見えてくるような状況の中、現地大貫予定地を視察したり、鴨川市議団と広域事務局を招いての勉強会を開催したりと、関心を持ち取り組んできた。

3月議会後半、広域事務局より大貫地区での建設を断念する報告を受けたなかで、新たに焼却場建設に対する補助金について焼却量が100t以上でなければ出なかったが、100t以下でも現在は対象になる、などの補助制度の変更の話もあり、当会派として現在稼働している焼却施設で、当広域で採用しようとしているガス化溶融炉(シャフト炉)を実際に視て、建設費、運用状況や排ガス対策など市民の皆さんが疑問や不安に思われているような質問をさせていただき、今後のごみ焼却施設の建設計画の参考になればと焼却量が当焼却場とほぼ同じであった成田富里いずみ清掃工場を選定し視察をおこなった。



【施設説明】
この施設は名の通り成田市と富里市による広域事業として設置したゴミ処理焼却場で、視察した施設についてはパンフレットを見ていただいて理解していただきたいが、基本的な方式のガス式溶融炉で、助燃材としてはコークスを使わず酸素発生装置による高濃度の酸素と都市ガスによるガスを炉の溶融部で吹き付け、高温度(1600から1850度)で燃焼させ、高品質な液化スラグとして最下部から流れ出たものを冷却し、スラグ破砕機で破砕したのち場外に搬出するという施設である。
 
排出ガス対策としては、ガス化溶融炉から排出された生成ガスは燃焼室に送られさらに空気により完全燃焼され、ボイラーに送られ熱回収後、減温塔で冷却し有害物質をろ過式集塵機で捕集除去される。その後、触媒脱硝装置で窒素酸化物、ダイオキシン類を除去し煙突より排出される。

余熱の有効処理として、ボイラーで熱回収した蒸気で蒸気タービンを駆動させ、発電機で発電している。発電した電力で場内の電力を賄うとともに余剰電力は売電している。 
※私達が行ったときの説明では、現在場外に余熱利用施設を建設する予定としており、現在造成をする段階となっているとの説明があった。



【質問事項】

1)年間の稼働日数、時間はどのくらいか。

答)平成26年度実績  運転日数  運転時間
  一号炉       318日  7,260時間
  二号炉       324日  7,480時間
  二炉運転      300日 (計画日数 265)
  ※人口(成田市13万人+富里市5万人 計18万人


2)コークスの使用量を削減する技術が進んでいるとの話がありますが、
  トン当たりのコークスの使用量はどのくらいか。

答)コークスは使用していない。


3)処理対象物の拡大が期待されるのですが、従来焼却処理できなかった対象物がなくなったとの話を聞くがどうか。

答)本市のガス化溶融炉は1600~1850℃の高温でゴミを溶融し、スラグ、メタルを生成している。
  この方式では、ごみ質の変化等への対応力に優れているが、
  本市としては、資源循環型社会の構築に向けて清掃工場共用開始に合わせ、6分別から9分別に変更し、
  ごみの更なる削減を進めている。


4)エネルギー回収率はどのくらいか。

答)14%(発電効率のみ) 3000KW


5)溶融スラグの再利用化はうまく働いているか。

答)現在、旧清掃工場跡地にスラグのストックヤードを整備中。現在は市外に搬出している。
  平成29年度より販売を開始する予定としており、成田市、富里市、成田・香取土木事務所管内の公共工事に
  仕様書で取り扱いできるようにする予定としている。 
  トラック1台200円程度で販売すると考えている。


6)メーカーの性能保証期間はあるのか、もしあればどのくらいか。
  過ぎた後のメンテナンスにどのくらいの費用負担があるか。10年、20年のシュミレーションができているか。

答)プラント工事関係の瑕疵担保期間は原則として施設の引き渡し後3年間としている。 
  電動機 3年
  溶融炉耐火物(熱分会部、乾燥部) 3年
  溶融炉耐火物(炉株) 半年
  ボイラー(加熱管) 3年
  ・瑕疵と認められる部分については、運転管理会社の責任において改修・補修を行う。
  ・運転管理会社とは、平成24年10月1日から平成44年9月30日までの20年間、
   約99億7千万円の長期包括的委託契約を締結しており、
   この委託料には、設備の補修、更新費用も含まれている。 
   尚、契約時には20年間の補修更新計画が提出されている。
  ※更新計画書を見せてくれないかと伺ったが、見せてはいただけなかった。


7)建設費用は炉だけで言うと焼却トン数当たりで言うといくら位か。

答)機械設備費からの算定では
  6,927,000,000円÷1,068,058t/20年間=6,485円/t
  総工費93億円(内造成費3億円+諸経費)


8)溶融炉であれば分別収集する必要がないのではと思うのですが、
   成田市ではどのようなごみの分別方法をとっているのか。

答)可燃ごみ、資源ごみ7分類、粗大ごみなど9分別としている。


9)コークスのほかに助燃材を使うことはあるか。

答)本市のガス化溶融炉は、コークスを使用していない。助燃材として、都市ガスを使用している。
  都市ガスの使用量は18.24立法メートル/tで1㎥当り26円
  ・高濃度酸素は工場内の酸素発生器で作っており、その電力も余熱でつくられている。


10)このセンターができるまでの各清掃センターの従業員の処遇はどうなっているか。
    職員は専門性が必要とのことだが、職員の構成はどうなっているか。

答)現在の体制
  市職員 5名、運転管理会社 28名(技術管理者1名)
  ・富里市とは、「成田市と富里市の一般廃棄物処理事務の委託に関する規約」を制定し、
   富里市の事務を成田市が受託して運営している。
  ・富里市にはごみの搬入割合に応じて負担金を請求している。(負担金全体で8億円、内富里市2億円)




【立地における感想】

1) 焼却場設置場所は成田市市街地から車で10分程度の丘陵地のなだらかか底地(たぶん農地か荒地だった所と思われる)で、隣接地にはゴルフ場と野毛平工業団や民家も近くにあり、国道51号線を挟んで成田国際空港の滑走路がすぐ近くという立地であり、山里から離れた隔離されたような雰囲気はまったくなく、縦50m、横92mの非常にコンパクトな敷地に余裕のある二階建ての管理棟と焼却棟の2棟からなり煙突の高さも全体で59mと丘陵地高台より低い程度といった外観で稼働中であったが、煙などは見ることもなく、臭いなども感ずることもなかった。

2) 国道からは片側1車線であるが、幅が広く余裕のある道路が設置してあり、収集搬入する車両は見ていた限りでは4t車であった。

3) 搬入計量器と搬出時の計量器が工場棟を回る形で配置されていたが、搬入計量器には人は居らず、無人にて計量できるシステムになっているようである。

4)この施設のみを見てゴミ焼却場と識別はできないと思われるほど、外観上も5感で感ずることもできないほど、静かで稼働しているのかと思われるほどの施設であった。



【稼働状況における感想】

1) 現在稼働しているシャフト炉の中でも最新式でありこれまでの3年間で2300名の方が視察に来ているとの話を聞き関心の高さを感じた。また施設が順路よく工場内を見られるようになっていたり、管理棟入り口に電光掲示板にて、自主規制値と現在の排ガスの量を見られるようになっており、情報の開示に努めている印象をうけた。

2) 臭いが無い話をしたが、プラットホームの出入り口にはエアーカーテンを施してあり、そのせいで臭いや塵などが外に出ないような構造となっており、外部環境にかなり気を使っているとの印象をうけた。

3) 排ガスについては、公害防止法に基づく法的規制値よりかなり厳しい自主規制値を設けており、そのあたりが周辺住民の理解を得ているところかもと、思われる。
4) この泉地区にはもともと成田市の単独焼却場があり、広域で新たな焼却場を建設しようとなったとき、利根川沿いに候補地なども検討したようであるが、結局同じ泉地区の住民に説明会を何度(40回以上)も行った上で了解を得られたとの話を伺ったが、了解を得られた理由等をもう少しきくことができればよかったと思う。

5) 燃焼方式の検討は選定委員会を設置し、ストーカー炉かシャフト炉かを行ったようであるが、排出ガスの環境面での評価と飛灰やスラグなどの処理、又、発電効率などの検討した結果シャフト炉の方が資源の循環型システムとして優っているとの評価を得た、というところである。



【所 見】
 さて、この視察の目的にも述べたが、安房3市1町で計画しているゴミ焼却場については、今各議会に説明されている焼却方式などは大津地区での計画がそのまま生きた状況で現在に至っているような状況であり、補助制度の変更など様々な状況の変化もあることから、また、コークスを助燃材としていない溶融炉もあることなども分かり、建設費も当広域組合で試算している200億円との多額の建設費も、成田市の施設建設費をみるとなぜ200億なのかとの疑義が生ずる。

いままで広域組合の説明に対して、議会としても信頼して計画を見守ってきたとの認識をしており、大貫地区での計画断念を契機に改めて現在、最も信頼性のある機種の選定も含めて大型の施設が必要なのか、各市で行えば中継地の必要性も検討対象になるだろうし、最新の設備施設で、尚且つ低金額での建設費でできるかもしれないなど、様々な検証が必要であるのではないかとの結論を得、安房広域圏事務組合に対し、この視察で得た情報を伝え今後の施設建設の参考にしてもらいたい。


館山市議会議員 
本多成年
 





2016-03-08 up


館山市議会議員 本多成年



第二回唐桟織展示会を市民クラブの皆さんと


長須賀地内(長須賀118)の旧たばこ専売公社倉庫にて、2月18日から21日(日)にかけて館山市の無形文化財に指定されている唐桟織の2回目の展示会が開かれ市民クラブ全員で視てきました。


いつから建っていたのか建物もかなり古くはありましたが、天井の梁がりっばで趣がありそこに初代斉藤茂助さんから4代目斉藤裕司さんの織った着物が、袖から袖に一直線に棒を通してかけられるようにつりさげられ展示されておりました。 

斉藤裕司さんに直接お会いしお話を伺いましたが、半分以上は市民の皆さんが所有している着物をお借りして、展示させていただいています、とのこと。 
唐桟織の特徴ともいえる縦縞模様の柄の由来や、お爺さんの織った織り方の説明や、物によっては、縦縞に横縞の模様が入ったものなどいろいろと説明してくださり、渋い柄ではあるけれど、落ち着きのある飽きの来ないその着物に多くのファンがいることに感銘をうけました。


唐桟織の詳しいことを知りたい方は「たてやまGENKIナビ」http://navi.tateyamacity.com/?p=11305 をご覧になっていただければ解ります。


今回の展示会は館山市の地域おこし協力隊の岸田さんが中心となって今回、長須賀まちなか再生協議会が進めた企画とのこと、皆さんでかけてみてください。 裕司さんがいらっしゃれば詳しい説明をしてくれると思いますよ。本当に気さくなかたですから。


                        館山市議会 副議長  
本多 成年





2015-12-14 UP



市民クラブ勉強会

【ゴミ処理広域化に係る施設建設事業についての勉強会】



日 時  平成27年12月4日(金) 15時30分から17時00分
場 所  館山市役所 議員控室

参加者 市民クラブ  本橋亮一 吉田恵年 本多成年 太田浩 石井敬之
     鴨川市議会誠和会
(5名参加)

講 師  安房郡市広域市町村圏事務組合 局長・次長


 かねてから鴨川市議会の皆さんとは、親交があり何かとお会いする機会もあり、たまに酒を酌み交わすこともあるのですが、その際、お互いの市の問題や課題についてよく話合いをしているのですが、たまには鴨川市・館山市共通の課題について勉強会をしようではないか、との当会派の吉田会長からの提案があり、それではと、お互いの市に共通の課題となっている「広域ごみ処理化事業について」を議題に勉強しようではないか、ということになり今回の勉強会を企画した次第です。

 局長からは、わざわざこの勉強会のために小紙を作っていただき、
1) ごみ処理広域化の必要性
2) 安房地域のごみ処理及び処理施設の状況
3) 計画する施設の概要
4) 建設施設予定地の状況について
5) 今後の事業予定について

 上記の説明をしていただいた後、各議員からの質問を受ける時間をつくり、さすがに関心事なだけに、多くの質問がでましたが、さすがに組合側としては議員に対してはかなりかまえてきたと感じましたが、鋭い質問にもテキパキと答えていただいた、との印象をもちました。



【ごみ処理の広域化の理由】

メリット  イ) 建設費、維持管理費を含めた全体的な費用の削減
      ロ) ダイオキシン類等有害物質が環境に与える影響に対する対策強化
      ハ) ゴミの減量化・再資源化の推進
      ニ) 余熱を利用した発電など温暖化対策の導入

デメリット イ) 運搬距離の延長による運搬効率の悪化
      ロ) 搬入車両の増加に伴う道路状況の悪化

 安房地域の既設の焼却施設の状況はどの施設も30年から経過し、通常耐用年数20年と言われている施設をかなりの維持管理修繕を重ねて使用しているのが現状であり、メリット、デメリットを考え遠い地区には中継基地を設けることによって、運搬効率の向上をはかることで広域化を決断している経緯を理解しました。


 ただ、三市一町のごみ処理量を見ると毎年減ってきている現状は伺えるが、しかし、その為にごみ処理に係る経費は年々増加している傾向がある。 
すなわちゴミの減量を図ろうとすると余計にお金が掛かることになっていることも一つポイントとしておさえておかなければならないと言うことか。

 焼却施設については、排ガスが市民の関心事になるかと思うのだが、最新の法令基準に対して現在進めているは施設はより厳しい自主規制地を設定している対策をとるとなっています。

また、排水についても施設外に出ないような仕組みになっているとのことでした。 
最終処分場については、クローズド型といわれる外気に触れない完全密閉型の処分場であり、既存であるシート破れなどによる外部への流出の可能性の無いものとなっていました。


 事業費については私から質問しましたが、まだ正確な積算根拠(焼却量の算定)が決定していない状況であり、正確な数字は出ないようであるが、現在示されている200億円という金額から遠くない数字はかかるようである。
 ただ、2020年東京オリンピックや東北大震災ほ復興事業など資材、人件費など積算の基本原価自体がどう変動するかなど、不透明な点を考慮してもそう安くはならないだろうとの予測はつきます。



【懸念材料】

1) 焼却方式をシャフト炉に決定しているが、ごみと共に投入するコークスに価格変動があるのではないか。
2) 焼却後に発生するスラグの行き先が確保できるのか。再利用が確実にできるか。
3) シャフト炉の専門性が高くいままでの職員がどうなるのか。

 以上が挙げられるが、事業方式を聞いてかなり理解はできた感じはした、というのはこの事業自体運営主体となるのは、DBO方式(デザイン・ビルド・オペレーション)と言って公設で施設の所有権を有したまま、設計・施工・施設運営管理までを民間事業者に包括的に委託する方式で、条件設定をし、その設定に最善な業者を選任するものであります。

 以上、まだまだ本格的な事業化には遠い道のりといったところはぬぐえませんが、それに向けては職員も努力をしているとの認識を持ちました。 
ただ、市民向けの説明会はいまだ広域組合としては行っておらず、また、行うには時期尚早とかんがえているのか、ある程度の段階で説明をする機会を持つ必要を感じました。

 説明するときは、聞いていた議員から要望がありましたが、専門用語がわかりにくい場面もありましたので、わかりやすい資料によるわかりやすい説明を、との注文がありました。

現在、館山市ではごみの分別収集を取り入れ、リサイクルそしてリユースを謳ってゴミの減量化に力をいれていますが、焼却方式をシャフト炉にするといままでプラスチック容器包装については分別をやめ焼却を予定していると伺いました。 
市民にこの辺りもどう理解をしていただいていくのか。


 「コップ21」、地球温暖化これはこれから先進国、途上国などと対立している場合ではありませんし、私達もこの「ゴミの広域処理」を一つのきっかけとして真剣に考えていかなければならないのではないか、様々な観点から、偏見をもたず、一つの意見だけにとらわれず、客観的なでゴミの減量化とリサイクル、リユースそして温暖化を防止する、30年50年先の世代に託せる施設となるように見ていかなければなりません。


                             館山市議会 副議長  
本多 成年 





2015-11-20


市町村議会議員特別セミナー(市民クラブ)

「災害に強い地域づくり」



期 日  平成27年10月26日(月)・27日(火)
会 場  千葉市幕張 「市町村職員中央研修所」


講演 日本の火山活動と防災
講演 災害時の要支援者支援
講演 災害時の議会の役割
講演 南相馬市議会の経験とこれからの防災対策


毎年、このセミナーを楽しみにしている。
研修所の所長さんの見識と世間のニーズが的確に反映され、何度でも足を運びたくなる研修内容となっており、今年も東日本大震災から四年が経過し、地方創生に関心が向かっているときのこの時期に足元をもう一度確認しなければならないのではないか、と忠告されたような気がして素直に講義に耳を傾けることができた。

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◆作成者:太田 浩(館山市議会議員)


講演 日本の火山活動と防災
講師 静岡大学防災総合センター教授・副センター長
   教育学部教授 小山 真人 氏


1 原動力による噴火の3種類

① 水蒸気噴火(原動力は高圧水蒸気) マグマ片を含まない火山灰と水蒸気主体の噴煙
② 水蒸気マグマ噴火(原動力は水―マグマ相互作用)  マグマ片を含む火山灰と水蒸気主体の噴煙
③ マグマ噴火(原動力はマグマ中の火山ガス) マグマ片を含む火山灰と火山ガス主体の噴煙


2 マグマ噴火の種類
・連続的
・非爆発的(おだやか)
溶岩流出のみ・ハワイ式噴火・ストロンボリ式噴火・準プリニー式噴火・プリニー式噴火・超プリニー式噴火
・爆発的(はげしい)


3 火山で起きる危険な現象
・空から降る
火口から放射線を描いて飛んでくるー弾道岩塊(火山弾=大きな噴石)
火口から噴煙として立ち上がり、風に流されて後、浮力を失って地上に落下するー降下火山灰(<2mm)、
降下火山れき(2~64mm)(=小さな噴石)
・火口から流れる
溶岩流、火砕流・火砕サージ、ラハール(火山泥流・土石流)
・火口から漂う
火山ガス


4 「噴石」「降灰」などの言葉の矛盾と混乱
気象庁は、「噴石」を独自の広い意味(弾道岩塊+降下火山礫)として使いながら、一部の火山では弾道岩塊の意味に限定して使用してきた。
しかし、2012年度から弾道岩塊=「大きな噴石」、降下火山礫=「小さな噴石」として区別現行の富士山のハザードマップ(2004年公開)は、「降灰」の中に降下火山灰だけでなく降下火山礫を含め、「噴石」を弾道岩塊の意味に限定以上の分かりにくさから、しばしばマスコミは「大きな」「小さな」の形容詞を省いて「噴石」と表現して両者を混同し、それらの飛散範囲を誤って伝える。結果として、弾道岩塊が火口から遠く離れた居住地区まで到達すると思い込む住民がいる一方で、はるかに飛散範囲の広い降下火山礫のリスクが周知できないでいる。
一方で、気象庁は「降下予測」の中に「小さな噴石」の予測を含めるという矛盾を放置している。


5 火山灰の厚さと被害の関係
45cm 木造家屋倒壊(乾燥時)
30cm 木造家屋倒壊(湿潤時)
10cm 土石流
2cm 目、鼻、気管支の異常(有珠山噴火例)、道路スリップ(乾燥時)
1cm 農作物被害、上水道閉塞、下水道目詰まり、停電(送電設備故障、火力発電所フィルター目詰まり)
0.5cm 道路スリップ湿潤時・有珠山噴火例、信号機誤作動、電車運行不可 レールに灰、高速道路通行不可、変電所故障
0.1 ~0.01cm空港閉鎖


6 火山ガスとその特徴
・火山ガス:マグマの中に溶け込んでいる揮発性成分が気化したもの
・火口や噴気孔から放出されるほか、噴出物からも少量噴出される。ていていは空気より重く、低地に滞留する。
・主要成分:水(H2O)
 二酸化炭素 (CO2)
 硫化水素  (H2S)
 二酸化硫黄 (SO2)
 塩化水素  (HCI)など
・毒性:水以外は猛毒(濃度が高い場合)、匂いがするうちは低濃度


7 火山ガスが起こした主な災害事例
・カメルーン、二オス湖の1986年火山ガス災害(二酸化炭素 死者1,500名余り)
・三宅島2000年噴火以降の火山ガス災害(二酸化硫黄 一村壊滅状態、本土内での、ぜんそく発作死亡者急増)
・1997年青森県八甲田山の自衛隊演習中の事故(二酸化炭素 死者3名)
・1997年福島県安達太良山の登山者の事故(二酸化硫黄 2名死者、過去のも死者多数)


8 二酸化硫黄濃度と短期的な健康リスク(三宅島防災のしおり)三宅村

用語の解説
5分値:1分ごとに計測される二酸化硫黄濃度の直近5分間での平均値のことで、注意報・警報の発令基準となります。
PPM:微量の物質の含有量を表す単位でParts Per Millionの頭文字をとった「1000万分の1」のことです。
高感受性者:条例で以下のように定義しています。
「ぜん息等呼吸器疾患また循環器疾患を有する者、新生児、乳児、妊婦等若しくは三宅村が実施する帰島前健康診断又は帰島後の健康診断において、二酸化硫黄に対する感受性が高く、比較的低濃度で影響を受けやすいと判定された者。」


9 富士山で生じやすい噴火
○噴火史上これが主体
マグマ噴火(原動力はマグマ中の火山ガス)
マグマの粘性が低いので少量上ってきた場合は前兆が出にくいだろう

△噴火初期、湿地帯での噴火、湖への流入時のみ
水蒸気マグマ噴火(原動力は水―マグマ相互作用)

×地熱活動の低調な現状では考えにくい
水蒸気噴火(原動力は高圧水素)

富士山噴火の8割は小規模噴火
統計的には次期噴火は小規模である確率大


10 富士山で登山者用シェルターは本当に必要か
費用の問題
費用対効果の問題
そもそも火口がどこに開くか不明
保全・景観破壊の問題
その前にやるべきことが多いのではないか


11 富士山でシェルター設置の前にやるべきこと
(1)登山客対策に関する行政上の縦割りの解消
(2)ヘルメットを含む安全装備の着用義務化
(3)入山登録の義務化
(4)緊急警報システムの配備
(5)登山客の抑制
(6)噴火警報レベル2の活用
(7)登山客の非難ガイドラインの策定
(8)登山客への普及啓発


12 対策編のポイント
・広域避難における避難者受け入れの考え方や手順を明確化
→非難実施市町村、受け入れ市町村、県の役割
→非難の流れ(一時集結地に一旦集まってから受け入れ避難所へ)

・広域避難の軸となる広域避難路を指定

・レベル1(平常)において、火山活動が活発化の傾向を示しているときに情報収集態瀬をとる
→レベル3から開始する非難、それに伴う対応の準備の段階

・避難対策で必要な項目ごとに対応事項表を作成
→レベルが一気に上がっても、当該レベル欄を見れば対応がわかる
→レベルごとに対応事項表も作成(資料編へ収納)


13 富士山噴火についてのよくある誤解
① 富士山噴火は予知できる→小中規模の噴火では一般に困難だし、富士山のような玄武岩質マグマの移動は速く、前兆発生から噴火まで間がないので情報周知が難しい。前兆があっても噴火しなかった例も

② 次の噴火も宝永噴火のような大規模・爆発的噴火になって大量の火山灰が降る→宝永噴火のような噴火は富士山では珍しい。
むしろ中小規模の噴火が圧倒的に多く、宝永噴火では起きなかった致命的現象=火砕流・融雪型火山泥流(小規模噴火でも発生)を警戒すべき。

③ 火山灰は怖い→降ってくる火山灰は物流やライフラインを停めるが直接命にかかわる現象ではないし、富士山では大量の火山灰を放出する噴火は稀である。呼吸器疾患がなければ通常のマスクで十分。むしろ後灰後の土石流を警戒すべきである。

④ 大きな噴石がふもとまで飛ぶ→大きな噴石(火山弾)は火口から4kmしか飛ばない。
むしろ風に舞って数十km離れた場所に高速で落下する小さな噴石(火山れき)に注意(屋内避難やヘルメット)

⑤ 溶岩流は怖い→溶岩流の速度は遅いので徒歩でも非難可能

⑥ ふもとの異常湧水は噴火の兆候→雨が多い年に湧水量も増加

⑦ 富士山にシェルターが必要→山腹を含む広い範囲のどこで噴火するか不明のためシェルターの優先度は低い。他の対策の充実が先決


14 自然の災害と恵は表裏一体
短期的には悲惨な災害であっても、長い目でみれば大きな恵みを人間社会にもたらしているものが多い。
=自然理解の基本
このことに気づかないと、災害は単なる不条理でしかなく、苦しいだけのものとなる。
→災害は暗い、考えたくない
→不熱心、逃避、いやいや
火山のリスクとベネフィット(恵み)の両者についてバランスのとれた防災教育を


15 火山の恵み
・広くなだらかな山麓と平野
・風光明媚な山体と高原
・湖
・豊富な地下水
・美しい造形
・肥沃な土壌
・火山特有の鉱山資源
・温泉


16 ジオパークとは
大地(ジオ)が育んだ貴重な資源を多数備えた地域が、それらの保全と活用によって経済・文化活動を高め、結果として地域社会の活性化と振興につなげていく仕組み
経済活動:観光および関連産業(商品開発など)、サイト整備・保全防災対策
文化活動:ガイド養成、学校教育、ジオパーク資産の研究開発、ジオパークのテーマに沿った様々な芸術


【太田 浩:まとめ】

日本は国土全域が火山地帯に覆われている。過去の歴史上において多くの火山活動を経験しながら今日に至っている。
この度の講演では、110の活火山が存在しているとのことであったが、まさに身近に火山の危機と共存していることが理解できる。
しかしながら、これまでの過去の資料と多くの研究を重ね火山活動のメカニズムが解明されつつ対応、対策に備えることができるようになった。

一見すると、科学の発達や多くの研究者により自然をコントロールできてしまうような錯覚に陥りそうになるが、やはり、私たちは自然環境の中で、活かせれていることを忘れてはいけないのである。

火山には被害的要素も多く含まれる。
しかし、火山からの恩恵も含まれていることを理解する必要がある。
前項の「火山の恵み」のも書かれているように、肥沃な土壌、火山特有の鉱山資源、温泉、景観等・・・一次産業や観光面においても大いに火山からの還元を受けているのである。

今後、私たちがやらなければならいことは、万が一の火山活動に対し自らの非常用の最低必重品をしっかり準備し、正しい情報を的確に収集し冷静に行動を取れるような防災意識の高揚が大切である。


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◆作成者:太田 浩(館山市議会議員)


講演 災害時の要支援者支援
講師 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部
   コミュニティデザイン学科教授 鍵屋 一 氏



平成23年3月11日 東日本大震災

死者   : 19,225名 
行方不明者: 2,614名  
計    : 21,839名 (消防庁:H27.3.9)

避難者   :219,618名 
震災関連志死:  2,194名(復興庁 H27.4)


1 東日本大震災での死者の教訓
○高齢者が死者の約6割、障がい者の死亡率は2倍、3,194名の震災関連死(15,4復興庁)
○死者は自治体職員221名、消防団員254名(13.9.9NHKオンライン)
○民生委員56、福祉施設職員86名(11.12.13河北新報社)

・地域とのつながりが弱い方
・安全だと思われた福祉施設や病院
・要援護者の避難支援に向かった支援者
・移動中、避難所や福祉避難所で衰弱
⇒平成24年度、内閣府「災害時要援護者の避難支援の関する検討会」へ福祉事業者との連携方策を提案
※想定外の災害が起きたから、大災害になったのか。
想定をつくり想定を使ったから大災害になったのではないのか。


2 防災の正四面体(この4つの充実が重要である)

  自助
(減災対策、家族情報、持ち出し品)
 
 (新たな)共助 
(ボランティア、NPO企業など)
→協定
  近所
(従来からの共助)
(近所、消防団、自主防災会など)
→コミュニティ活動   防災訓練 
  公助 
行政(国、自治体、警察、消防、自衛隊)(病院、学校など)
→防災計画、BCP,広域連携
 


3 自助は家族防災会議から

○テキスト
わが家の防災スタートブック(日頃から家族での話し合いを持ち、災害に備えること)

○内容
① 持ち出し品(備蓄)は共通物と特別なニーズに対応する物
② 家族の個人情報や連絡先
③ 減災対策(家具固定、ガラス飛散防止など)
④ 地震その時の行動例
持ち出し品(備蓄)
日傘雨傘!、猫砂、携帯トイレ、水道水、食糧、薬、カッセトコンロ、ラジオ、ケータイ,スマートフォン、
新聞紙、レジ袋、風呂の残り湯など+特別なニーズの応じた物


4 災害時の高齢犠牲者と対策の検討
○災害時の高齢犠牲者(60歳以上)
・平成7年阪神・淡路大震災 58.3%
・平成16年新潟県中越地震 66.2%
・東日本大震災       65.8%
(66歳以上の震災関連死) 89.5%

○要援護者は、非難情報の伝達、避難支援、避難生活等で十分な支援が受けられない
⇒支援者として近所の人と福祉事業者の重要性が浮上した!


5 東日本大震災のおける近所の人と福祉関係者の避難支援

内閣府「避難の関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書」2013年
○避難行動に関わる情報源(315人、複数回答あり)
・家族など同居している人の判断 101人
・近所の人、友人等からの連絡   97人
・福祉関係者からの連絡や声かけ  74人

○避難行動に関わる支援者(197人、複数回答あり)
・近所の人、友人等面識のある人  60人
・家族など同居している人     85人
・福関係者 ⇒近所の人と福祉関係者の役割が大きい


6 国の検討会報告者と取組指針のおける福祉事業者
○避難支援検討会報告書(内閣府 2013.3)
・地域防災計画等において災害時における福祉サービス等の継続の重要性を明確に位置付け、必要な対策を確立する
・福祉関係者はハード・ソフトの双方で、あらかじめ防災計画等を作成し利用者及び職員の命を守る
・防災計画等に福祉サービスの継続(BCP)を組み入れる
・訪問介護計画書のなかに利用者の避難支援を記載し、本人、家族、地域の支援者、福祉事業者で役割分担を決めた事例

○避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組方針(内閣府 2013.8)⇒上記のすべてが記載されず


7 高齢者の事例
・避難所では高齢者が冬のような寒さからは体力が著しく低下した
・環境の激変で認知症状が悪化し、オムツをしているが介護者がいない
・仮設住宅や集合住宅になじめずに壊れた家に戻って暮らした
・大丈夫と言っていたが、さまざまな手続きが困難だったり判断が難しい人もいた
・仮設住宅の窮屈な環境で家族と、ず~と一緒にいて、関係が悪くなった
・家から閉め出され、行き場がなくなった


8 障がい者の事例
・在宅の障がい児童を高齢者が世話をしている家庭も多かった。残念なことに、高齢者の判断が遅れ、ともに逃げ遅れた事例がいくつもあった
・自閉症の子どもがいることを近所の方が前から知っていたので、支援に駆け付け、一緒に避難して助かった
・多くの被災地を回った経験からは、残念なことに障がい者にとって地域の助け合いは重要だが、必ずしもうまく行われていないと思う

中村雅彦「あと少しの支援があれば、東日本大震災障がい者の被災と避難の記録」、ジアース教育新社、2012年2月


9 要援護者支援の考え方
多様で、しかも変化
誰もが災害時には要援護者になりえる
支援体制が不十分
    ↓
・すべてを対象に出来ない⇒重点化
・保護には限度がある⇒自立の支援
・行政任せにできない⇒地域聡ぐるみ
・声を上げにくい(だから援護者)である
・プッシュ型(自ら援護に出向く)


10 福祉避難所 
災害時要援護者が安心して避難できる避難所
・福祉施設はあるが・・・福祉サービスの継続も大切。
そこで特別支援学校、ホテル、旅館、公民館、教室、保健室、体育館の一部ペースなど
・バリアフリー、資機材、備蓄など
※福祉避難所としての指定を受けていることで、事前の準備や、備蓄等も備えることができるのである。


11 地域(近所)の役割
「こころ」の支援!
・心配され、気遣われるのがうれしい
・モノや手伝いは心を伝える手段
・「こころ」の支援なら誰でもできる
・役に立たない人はいない
◎要援護者こそ、すぐれた「こころ」の支援者になれる


12 決め手は「ご近所力」①
◎社会関係資本
人や地域のつながり=信頼の絆=ご近所力 
社会関係資本は、人々を賢く、健康で、安全で豊かにし、公正で安定した民主主義を可能とする
※「ご近所力」は付加価値ではない
※「ご近所力」こそが、安心安全の源泉
地区防災計画=「ご近所力強化計画」(顔の見える計画が大切)


13 決め手は「ご近所力」②

◎ご近所=コミュニティには、2つの意味がある
①地縁的・財産管理的な組織 ・自治会・町内会・学校区組織、マンション管理組合・・・
②共通の目的・価値で活動する組織 ・消防団、PTA、商店街、地域ボランティア・NPO・・・

「地区防災計画」は①②を縦横斜めに連結し、地域全体の防災力とコミュニティ力、個人の幸福感を高める「可能性」持つことができる。

ご近所力のあるモデル
ご近所力は、地域防災の相当部分をカバーできる!(つながり・お互い様・安心感)


14 地震後は安否確認!
・自分と家族の身を守る
・安全を確認したら「事前に決めた要援護者」の安否を確認する
・自治会長に報告する
・要援護者も安否を知らせる⇒役割がある


15 個別支援プラン
☆非難の支援 
⇒一人ほとりの支援プランをつくる!
要援護者には避難方法、支援者を問いかける。家族、支援者、福祉関係者、地域に問いかける。

☆支援プランに基づいた訓練を!
プランを策定したら、そのプランどおりに進むか訓練をして、常に見直そう。


16 逃げるが勝ち(1)
☆洪水や津波からは逃げるしかない!
要援護者には早めに安全な場所に避難するべし
⇒正常化の偏見が敵!
⇒上手に逃げるには?

逃げるが勝ち(2
○避難場所を決める
○誰と逃げるのかを決めておく⇒中学生、自治会などから声掛けが大事
○どうやって逃げるか決める⇒バス?自家用車?リヤカー?
○何を持っていくのか決める ⇒あんしん箱・非常用持ち出し袋


17 避難誘導はどうする?
① 家が壊れた、火災発生
⇒一時避難場所、指定非難場所、福祉避難所へ、事前に決めた支援者    又は近所の方と避難
② 家は大丈夫、火災もない
⇒安全な場所で吉井に備える、自宅または避難所


18 避難所で支援
① トイレに行きやすくする!
⇒避難者75人に1台が目安
⇒スロープ、障がい者トイレ、洋式トイレ、誘導者
② 寒さを防ぐ
③ 必要な物資を調達する
④ 心のケア
⑤ みんなで支援と受援


19 平成26年度 地区防災計画制度施行
地区防災計画は「近所」(従来からの共助)の強化を主目的とする
⇒近所が強くなれば、自助も新たな共助も公助も強くなる


20 地区防災計画とは?
市町村内の地区居住者及び事業者が行う自発的な防災活動計画
※一定の地区⇒特に制限なし
※事業者を含む⇒企業、NPO、ボランティア、学校、医療、福祉施設などもOK
※地区なの連携で強みが増大する
役所(防災担当)は自治会頼み⇒外国人は支援NPO、障がい者は障がい関係団体、子どもは学校関係など


21 地域防災計画 
災害に強い地区のキーワード
◎ハード×ソフト×ハート
・耐震性、設備、備蓄
・計画、訓練、自治体、地域連携
・あいさつ、おしゃべり、イベント、まちづくり活動などで顔のみえる、助けあえる関係


22 計画提案制度
・防災計画は国の防災基本計画⇒都道府県の地域防災計画⇒市区町村の地域防災計画の上意下達構造
・住民が良い地区防災計画を提案し、市区町村が認めれば「公的」な性格
・国民が自ら防災行政を担う契機
⇒今後の運用展開が重要
⇒地区防災計画学会創設


【太田 浩:まとめ】

東日本大震災の教訓から、常々から他人事ではない、いつ自分たちに襲いかかるか、わからない災害として周到な備えが大切である。
とりあえずは自分の身の安全の確保が優先されるわけであるが、今回の講演の中では近所との日頃の付き合いや、コミュニケーションを強調されている。防災というと、よく自助、共助、公助と聞くが、ここでは近所(従来からの共助)の重要さを訴えている。

まさにそのとおりであり、一人では限界な部分もあるわけで、お互いに助け合うことで、より効率よく円滑な支援、救助活動ができ多くの人たちを助けられるわけである。
そこで普段からの、あいさつ、何気ない会話、イベントへの参加、さまざまな活動を通して顔の見える助け合える近所関係が大切になってくるのである。 
日頃の付き合いの中で、どこにどのような要援護者がいるのかが把握できるのである。
ましてや介護状態の方々やご家族にとっては大きな助けになるのである。

まさに「近所力」が地域防災の相当部分をカバーできるとある。
よい地域は信頼の絆がしっかりしており、絆が近所力として大きな力を発揮するのである。

当市においても、毎年防災訓練等や講演が実施されているわけであるが、これらも含めて改めて「近所力」について考えて、よいのではないかと思うのである。


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◆作成者:本多 成年(館山市議会議員)


講演 災害時の議会の役割
講師 山梨学院大学法学部教授 大学院研究科長
   博士 江藤 俊昭 氏
~「住民自治の根幹」としての議会を作動させる~

                           
1)災害時の議会の役割

1) 二元代表制における議会の役割
① 住民と議会、首長との三者間関係での議会としての役割を自覚
② 住民自治の根幹としての議会として議決責任を自覚しているか。

議決責任の再確認をすることは、議決した意味を市民に対し説明する責任があることであり、そして執行部とのやり取りだけでなく、議員間討議をすることで問題をえぐりだし、第三の道を発見することにより市民に還元できることである。
議員の独善性を排除(調査研究をし、住民との意見交換など)することにより市民に寄り添った施策、政策の立案をすることができる。


2)議会・議員・首長の役割

① 首長=リーダーシップにたけており、緊急時には指導性を発揮する。
② 議会=多様な意見の集約の場、住民の意見収集とそれを踏まえた合議の場
③ 議会の構成員であり、地域のリーダーでもあるが、非代替性がある。


3)災害状況における議会の役割

①平時において災害時の計画策定に関わりをもち、地域防災計画、防災対策基本条例に携わっていき、特別委員会を設け、政策提言をしていく。
②地域経営の担い手としての自覚を持つ。


4)災害時期における議会の役割

初動期(発生から3日)災害対策会議設置・安否確認・情報収集・地域活動
中 期(3から7日) 災害情報の収集・把握、共有、対策会議の指示に従う
後 期(7から1ヵ月)議会機能の早期復旧、本会議委員会の開催、復旧予算の審議
平時移行(1ヵ月から)平常時の議会運営体制、復興計画等の審議

※ 議会の役割は災害の際の各段階で違ってきていることを理解し、行政との連携をすることで合議体としての議会の機能性を発揮できることを確認した。


災害時における議会の対応

1)議会改革の意味(災害時)
① 個々の議員の単なる集合ではない(口利き活動を担う場ではない)
② インフォ~マルで非公開の場での議員による要望実現は困難になりつつある。(口利き条例の制定)

2) ルール化をする意味(災害時どう動くか)
① 平常時と災害時をつなぐことの意味(つながないと議会はばらばらである。)
② 議会基本条例の中で災害時の対応を明確化させる。
③ 自治基本条例を策定し、その中で災害時の体系、対応を設ける。

3) 災害時における議会の対応
① BCP(事業継続計画)指針の必要性と目的を持つ
② 災害時の議会、議員の行動指針、役割の明確化
③ 災害時の行政区との関係
④ 想定する災害(種類・規模)
⑤ 議会事務局体制
⑥ 議会の体制
⑦ 情報の的確な収集
⑧ 議会の防災計画と防災訓練
⑨ 計画体系図(指揮命令系統の明確化)


【本多 成年:所見】

① 現在、館山市議会としては大災害が発生した場合の議会の対応や各議員の対応また、地域での情報収集した内容について、どのように行政に挙げていくかの指針もない状況であり、近々に議会としての指針を作る必要がある。
② 平常時に災害時の対応を明確にし、今後議会棟での避難訓練なども計画していくことも考えなければならない。
③ 館山市で創る災害対策マニュアル作成に議会としても参加し、市と議会との連携ができるようにする。
④ 自治体間やNPOとの連携を図るのはもちろんであるが、連携軸が明瞭となるよう横軸での柔軟な関係がとれるよう協議会が必要である。
⑤ 今後の課題として、タブレットを議員全員が持つことによって、情報の一括化を図る。


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◆作成者:本多 成年(館山市議会議員)


講演 東日本大震災被災地・南相馬市議会の経験とこれからの防災対策
講師 福島県南相馬市議会議長 平田 武 氏


南相馬市の概要(平成23年3月1日現在)
平成18年1月1日合併(小高町・鹿島市・原町が対等合併)
人 口 : 71,494人
世帯数 : 23,898世帯
面 積 : 398.50平方キロメートル


東日本大震災
発生日時  平成23年3月11日14時46分
震源規模  牡鹿半島の東南東130km付近、深さ24km マグニチュード9.0
震  度  震度 6弱(南相馬市)
津  波  14時49分に大津波警報が発令、相馬市の検潮所で15時51分 最大波9.3m以上を観測した。


南相馬市の被害状況
(1)人的被害(平成27年6月17日現在)
死 者   1,109人(内震災関連死473人 :移動中、入院中に死亡した場合)
行方不明者 0人
負傷者   59人


(2)住宅被害(平成27年7月31日現在)
全世帯数 23,898世帯  被害世帯数4,832世帯  被災率20.21%

医療関係の状況
病院  施設数  震災前  8施設
         震災後  6施設(休止1 廃止1)
    病床数  震災前  1329床
         震災後   579床(56%減)
診療所 施設数  震災前  39施設
         震災後  27施設(小島地区は7から0に減少)
歯科  施設数  震災前  33施設
         震災後  23施設(小島地区は5から0に減少)任

医療スタッフの推移
医師   震災前  87.91人
     震災後  73.80人 19.0%減(H26.12.1)
看護師  震災前  532.0人 
     震災後  382.8人 27.0%減
スタッフ 震災前  610.0人
     震災後  400.4人 37.0%減

健康・福祉関係の状況
要支援・要介護認定者の状況
震災前  2761人
震災後  3351人 590人増
※ 要介護4・5は78人減となっているが、死亡や他市に移転している関係である

介護施設(入居系サービス)
施設数  震災前  15
     震災後  12
床 数  震災前  680
     震災後  591 (13.1%減)

所在確認の状況(H27年10月1日現在)
住民基本台帳人口 71,561人(H23年3月11日)
市内居住者    47,397人 66.2%
市街避難者    10,852人 15.2%
転出者      9,084人 12.7%
所在不明者    4,228人 5.9%


【本多 成年:所見】

震災前から震災後になってからの医療については、予想はしていたが予想以上に悪化しており、その悪化が4年経っている現在においても一向に改善されていない現状があることに驚く。ただ、震災前の人口まで現在戻っていない状況では結果的には仕方ないというところである。

医療を観てみると施設はあるが医療スタッフが明らかに減少しており、震災直後に急激に減少したところから多少の増はあったものの依然として震災まえには程遠い状況であり、弱い立場の人たちにとっては非常に厳しい状況と言わざるを得ない。

重度の要介護認定者の数が非常に減っているのは、やはり住みやすい環境が非常に悪化したせいによるものであり、南相馬市に本来ならば住んでいたいと思っている方であっても、仕方なくふるさとを離れて暮らさなければならない現状が見える。




南相馬市の原発による被災状況

南相馬市は、南北に長く南から小高区が原発から10kmで警戒区域また、避難指示解除準備区域、原町区が20km以内で緊急時避難準備区域、鹿島区が30km圏内からそれ以上でなんの指定も無かったり、原子力発電所からの距離によって大きく区域分けされ、所々に飛び地となって帰宅困難区域や居住制限区域となっており依然として住むことすらできない場所も存在している。

支援の状況は距離によって、区域分けによって差があることを伺い、道路一つはさんで100万円の支援金の差があることも、との話を伺い、支援の差が住民の一体化を阻害しているとの話には唸るしかなかった。

おどろいたのは平成23年3月12日に原発から10km圏内の住民に避難指示が出てから、国からの南相馬市に対していまだに直接指示、連絡がなかった、避難指示はテレビや報道などメディアからの情報だけであったとの話や、日本にある58基の原発には日本製のガイガーカウンターは無く、全て外国製の品しかなかった、などの話にはいざ大災害が起こった時の国の対応の信用性に疑いを持った。

原発の立地についての話もあったが、原発から10km圏外には国の防災計画が必要ないとの話にも「なぜ」と感じた。原発の安全神話が崩壊した今、想定外の三文字が今後おどることのないよう、徹底した安全に対する施策をとらなければならない。

現在の状況
平成24年4月16日  警戒区域及び計画的避難区域を、避難指示解除準備区域、居住制限区域及び帰宅困難区域に見直し
平成26年12月28日  特定避難勧奨地点を解除
平成28年4月    避難指示解除準備区域解除を目指している

※  依然として復興の二文字は程遠いと言ったところである。
今後も更なる支援は必要との認識を新たにしたところである。




議会の活動状況

市議会災害対策会議の設置

3月15日に市議会災害対策会議を任意で発足させ、4月14日までは毎日、それ以降は週2回開催し、議員が独自に収集した情報や市民からの要望を議会として集約、整理し、災害対策本部に情報として提供した。

【議長の話】
議員個人の収集する正確な情報が伝わらず、不都合もあった。 
合議体としての一定の役割は担うべきではないか。
議員は普段、地域に密着した活動を心がけるべきであり、そこに正確な情報をつかむことができるようになり、その情報が対策のもととなることを考えると、やはり普段の地域で信頼されるような活動が大事ということである。
50人以上の避難所を分担し、巡回して要望をあげた。対策会議を任意で開いた理由は、議員自身が被災し、親の介護をしなければならなかったり、2名ほど参加できない議員がいたからであった。


特別委員会の設置
5月11日に「東日本大震災及び原発事故対策調査特別委員会」を設置し、議会として組織的な活動を開始する。
1) 避難所現地調査 5月23日から6月2日まで延べ12日間、県外を含めた市外避難所37か所を訪問。
2) 仮設住宅現地調査 10月には市民が入居する市内外の仮設住宅を現地調査、延べ25日間、32か所を訪問、500人の参加があった。
3) 要望活動 現地調査などにより明らかになった問題について、県や国、関係機関への要望書を提出。

その他の議会活動
1) 委員会提出議案 
福島県内すべての原発の廃炉を求める議決や高速道路の無料措置の延長や対象者の拡大を求める決議、
また原子力損害賠償期間の延長を求める決議など。
2) 議員提出議案 
原発被災損害賠償に関する意見書や原発再稼働反対の意見書、賠償金に対する免税措置を求める意見書など。
3) 被災市町村との連携 
原発事故被災市町村議会連絡協議会を13市町村で設立や総決起集会による特別議決、国や東電に要望活動。

復興にはスピード感が大事
1) 放射能の除染と除染廃棄物の処理が進まないと帰還が始まらない。
2) 時間の経過により帰還への意欲が減退する。
3) 避難生活の長期化により地域コミュニティが崩壊する。

長期的な戦いとなる
1) セシウム137の半減期は30年である。
2) 核燃料の取り出しに30年かかる。
3) 国の「森林除染は必要ない」は受け入れがたい。
4) 長期にわたる健康被害の対策が必要である。


【本多 成年:所見】

大熊地区での放射性廃棄物中間貯蔵施設である土地の所有者の2,300名いる内の
6名しか名前をもらっていないため、決まらない。

汚染米が出ているが、原因がわからない状況であり、
農業の復興や原発の汚染水の海への放流など漁業などへの影響は計り知れない。

山の除染をしないことで、周辺の除染した場所の放射能濃度が戻る傾向があるとの話を聞くと、
はたして国や東電の話をそのままうのみにすることはできない。

行政組織が一度崩壊したのちの組織の組み立てに大変苦労した様子が伺え、
平時での広域での連携や、援助体制を作っておかなければならない。

緊急災害時には、平時に普通にできることが10分の1程度しかできない状況が起こることが当たり前となる。
「訓練でやっていること以上のことは絶対できないことを肝に命ずるべきである」
との議長の話は本当に胸をうつ言葉として心に残った。






2015-11-12 up


館山市議会議員 会派「市民クラブ」行政視察報告

◆視察日程

① 10月7日~9日の2泊3日の日程にて視察
② 視察者(会派 市民クラブ 議員5名)
  吉田 恵年
  本橋 亮一
  本多 成年
  太田  浩
  石井 敬之                            
③ 視察場所
長野県小布施町「ア・ラ・小布施
長野市大門町「ぱてぃお大門
長野市 ホクト文化ホール「全国都市問題会議」出席







視察先:長野県小布施町

  
ア・ラ・小布施
      
~協働と交流のまちづくり~
                 
                                    作成者
 太田  浩

1 小布施町の概要


  ・位置 長野県 北部の長野盆地
  ・面積 19.07K㎡
  ・人口 11.216人  3.728世帯
   (平成27年10月1日現在)
  ・主要産業 りんご、ぶどう、くり


2 小布施町の歩み

 町の歴史は約1万年前の旧石器時代に始まり、縄文弥生時代には稲作が行われ、集落が形成されていた。
 鎌倉・室町時代に入ると小布施という名が史料に出てきます。

 千曲川の舟運が発達した江戸時代には、今も安市に面影を残す定期的な六斎市がたち、
 北信濃の経済・文化の中心として栄ええた。
 幕末には、葛飾北斎や小林一茶をはじめ多くの文化墨客が訪れ、地域文化に花を咲かせている。
 
 明治に入り殖産産業の中核となった蚕糸生産では、県下有数の養蚕地帯として栄えた。
 明治22年4月には、町村制の施行により小布施村・福原村・大島村・飯田村・山王島・北岡村・押羽村が合併して
 小布施村に、都住村・中松村・雁田村が合併して都住村になった。

 その後町村合併促進法により昭和29年2月に小布施村が町制を施行して小布施町となり、
 同年11月に地理的、文化的、経済的に密接な関係を持つ都住村と合併し、現在の小布施町が誕生した。

 現在は、果樹栽培が盛んな農村として、美しい自然環境に恵まれ、人間味豊かな地域社会を形成している。
 特徴ある風土を活かし、先覚の残した文化遺産を継承、発展させ「北斎と栗の町」「歴史と文化の町」として
 全国から注目され、近年は「花の町」小布施のコンセプトを加え、年間120万人の人が訪れる町となった。


3 事業概要及び特徴

小布施町商工会地域振興部によって第3セクターまちづくり会社設立のための勉強会が開催され、
そこに参加していた元小布施堂副社長の市村良三氏(現町長)が、企画書を小布施町に提出、承認され、
町から100万円の出資を受け入れ、「ア・ラ・小布施」発足する運びとなった。
設立時の出資者は33人、2団体、出資予定総額は33口、合計1650万円でスタートした。


4 コンセプト、誘致店舗・テナント

30年前の北斎館の解説を契機とし、「栗と北斎と花のまち」の方針を打ち出し、
「りんご」「栗」「葛飾北斎」「町並み修景」といった「小布施の資源」を核としたまちづくりに取り組んでいる。

ア・ラ小布施の事業内容としては、
1  地域産業に関する商品の企画・立案並びに販売の斡旋
2  各種催事、研修、会議に企画・制作・演出・プロデュース
3  賃貸ビル、賃貸別荘、旅館、ホテル、民宿、ペンション、その他宿泊施設の経営及び斡旋業
4  スポーツ施設・観光施設等の経営及び管理
5  飲食店、売店、遊戯場等の経営
6  農産保存食料品の製造及び販売
7  和洋雑貨品の販売
8  動産の賃貸業
9  広告・宣伝に関する企画・立案・制作
10 印刷物の企画・発行並びに販売
11 不動産の売買、仲介、賃貸業及び管理業
12 各号に付帯する一切の事業、となっている。


5 事業場のキーパースンとその役割

◇元小布施堂副社長(現町長)市村良三氏
市村氏の肝いりで「ア・ラ小布施」が設立された。
「ア・ラ小布施」は配当しない株式会社で実質NPOとして活動している。

また、住民一人ひとりが景観に配慮したまちづくりを目指し、
個々が補助金を貰わず町並みを少しずつ修景してきたため、
家そのものが「意識」を発信し、十数年で随分と変わった。

 小布施の賑わい 


6 行政、民間、コミュニティ等のコラボレーションのついて

公の施設である「ガイドセンター」の他、喫茶・ホテル・駐車場を経営している。
この「ガイドセンター」は、地域の人がそろばん教室、バイオリン教室等に活用する公の施設で、
「ア・ラ小布施」が指定管理者となっている。


7 事業性(採算性)確保のための方策

「ア・ラ小布施」は「ガイドセンター」として土地建物を町から借用しながら運営している。
町から補助金は受けておらず、ホテルと駐車場を主たる収益源として何とか黒字を計上しており、
資金に余裕がある場合は国際音楽祭(1000万円かかる)や映画祭・演劇祭等に拠出している。
一方でホテルは100年たった納谷と蔵を4000万円かけて改造し、4室で年間1000万円以上稼いでいる。


8 その他

◇小布施の文化
歴史的には、小布施町は、異質のもが入り込むまち、刺激を受けるまちである。
葛飾北斎は、高井鴻山という地元の豪商と通じ合い、小布施を気に入り4回訪問している。
そのため、北斎の最後の号である「卍」を持つ作品が数百点ある。

◇地元企業
地場産業である栗菓子の企業数社が切磋琢磨しながらブランドを確立している。

◇まちの人びと反応
「小布施を交流のまちにしよう」「ウェルカムトゥマイガーデン」を合言葉に誰が入ってきてもいいようにしている。
それは、心を開放するオープンガーデンの心意気・姿勢を示すものである。
小・中学校もオープンガーデンで、学校も瓦と土壁で出来ており門はない。田舎ということだろうが、
瓦と土壁と木で作られた日本独特の文化を大事にしようという心意気を示している。


【まとめ】

りんごと、栗と北斎、町並み修景などをキーワードに、独自性あふれる時代を拓いてきた小布施町が、
今後、どのように町づくりを進めていくのが望ましいのか。
また、一人でも多くの住民が「ここに住んでよかった」と幸福感をもって暮らせるような思いをもって
町づくりに取り組んできた。

そのための手段として、第3セクターの株式会社ア・ラ小布施を設立した。
第3セクターは、行政・民間相互の長所を生かして、地域の将来を見据えた、経済・文化活動を推進する企業である。
「小布施方式」の独自の流儀を創造しながら、果敢に事業を進めている。
その決意を込めて、仏語で「・・風・・流れ」を意味する「a la」に決定し、商号を「ア・ラ小布施」となった。

栗菓子産業は、特産の農産物である栗の加工業のよって付加価値が高められ、
土産物店や飲食店の経営などに商業チャンスをもたらしている。
町民は地場産の上質な栗を使った家庭料理を楽しんでいる。
農業・工業・商業そして生活文化までを高める「栗の循環」が確立されている。


◇太田 浩・所感
事業の選択と推進にあたっては、農業とそれによって形成されている田園風景という、
この土地の独自性に正面から向き合いながら、商業・工業、農業が融合した循環産業を育成、推進している。

ア・ラ小布施の出資者は、資金、労力、アイディアなど、持てる資源を提供はするが、
直接の見返りは求めないという姿勢で取り組んでいる。
事業活動の成果として、小布施町全体が向上することの恩恵を、
活動に携わった住民として楽しみあう事を理念としている。

人口も少なく、町全体の面積も小さいが住んでいる様々な関係者、町民の郷土に対する愛着の
あらわれた取り組みであると思われた。

また、歴史と地域の特産を有効的に活用しており、土地柄の特性を活かした集中化したコンパクト観光となっており
利用者にとっても観やすく歩きやすく、時間を効果的に利用できる等、
年間120万人の観光客においても納得できるものであり大いに参考となるものであった。

                                 会派 市民クラブ
 太田 浩






視察先: 長野市大門町

 
 長野県長野市
     ~まちづくり長野「ぱてぃお大門~

                 

                                       作成者 
石井 敬之

① 長野市概要


長野市は、「善光寺の門前町」として発展してきた。
長野駅から善光寺まで続く表参道である中央通りは、繁華街が広がり、
門前町として栄えた歴史の面影が今も多く残っているが、平成10年の長野五輪終了後、
中心市街地の空洞化が進んでいる。


② まちづくり長野「ぱてぃお大門」について

「ぱてぃお大門」のある大門町は善光寺の門前に位置し、
北国街道の宿場町として多くの善光寺参詣客等で賑わうとともに、卸問屋が軒を連ねる問屋町でもあった。

「ぱてぃお大門」の一角は、紙、下駄、金物問屋が建ち並んだ場所であったが、空き店舗、空き家が増え、
かつての面影はなくなっていた。
そのような中、地元有志の手により明治時代の蔵、家屋等の歴史的資源を再活用しながら活性化拠点として
一帯を面的に整備する「パティオDAIMON計画」がまとめられた。

その後、(株)まちづくり長野 が実施主体として計画を引き継ぎ事業化され、平成17年11月12日にオープンした。

 ぱてぃお大門の外観
 「ぱてぃお大門」の中庭にて
   


◇ぱてぃお大門の施設概要

   敷地面積:3,112.68㎡(約942坪)
   筆  数:12筆(貸借11筆、取得1筆)
   建物棟数:15棟(改修11棟、新築4棟)
   延床面積:2,508.95㎡(約758坪)
   テナント:15店舗(飲食8、物販5、サービス1)

コンセプトは「小さな旅気分を味わえるまち」です。
「ぱてぃお大門」は、観光客重点から市民生活者も訪れる施設を目指しパティオ(中庭)を中心に面的に整備し、
インテリアショップ、レストラン、カフェ、土産物店などが出店した。行政や民間の力で空き店舗後活用により、
大型店の撤退による中心市街地衰退に歯止めがかかり、いろいろな面で民間投資が進んできているようです。 


◇石井敬之・所感
街の魅力を高めることで、居住者の増加、賑わい回復の傾向が出始めています。
行政、民間(住民、地権者、商業者など)のさらなる協働体制を強化することにより、
今以上の街の活性化に期待がもてるのではないでしょうか。

まちづくり長野の「ぱてぃお大門」は一例にすぎないと思いますが、
昔から代々この地域に住んでいてこの街を愛しているからこそ、
住民有志が結束しこのようなことができたのではないかと思います。

我が町館山も、空き家、空き店舗がますます増える傾向にあると思います。
館山市内でも、もう少し手を加えれば、全国的に知名度を上げる事が出来る、観光名所があると思います。

目先のことばかりにとらわれずに先のことを見据え、先行投資を惜しまず地域の活性化の為に共に努力しましょう。

                                  会派 市民クラブ 
石井 敬之







第77回 全国都市問題会議

会 場  長野市 ホクト文化ホール    
                                       作成者 
本多 成年

毎年、全国都市問題会議に会派として出席しておりますが、今年はどこの地方都市でも最大の関心事である地方創成に対する処施策についての内容とあって全国各市から2200名余りの市長・議会議員が集まり、講演やパネルディスカッションに耳を傾け、皆さん真剣な眼差しで聞き入っていた。

議題 都市の魅力づくりと交流・定住
副題 人口減少社会に立ち向かう 連携の地域活性化戦略


今年の議題「都市の魅力づくりと交流・定住」について、日本創成会議から「消滅都市」というショッキングな言葉が提議され、全国自治体は恐怖におののき、右往左往したのはまだ昨年のことで、現在人口減少に向けた基本計画と総合計画づくりに館山市においても策定中のところであり、この会議での議論も是非参考にさせていただきたいところである。

これまでの地方の戦略、これは大都市が抱えている問題と地方の抱えている問題を一元的に国が今までのように管理し、交付金という形で地方に分配し、地方の繁栄を築いてきたこととは違い、地方の自治体がそれぞれの責任において、地域の特性を活かした活性化を図らなければならないということか、しかしながら、これまでの自治体は地域の公共サービスを提供する役割を担ってきてはいるが、自前で国の指針なしに自治体だけで何か成し遂げてきた実績があるわけではなく、一年間でこれからの5年、10年の計画をたて、実績を上げなければ、補助金・交付金を出さないというような国のやり方がはたして良いのか議論するところである。

このところは自治体と、住民、事業者、NPO、大学などとの協働や連携による課題に対する取り組みも多くなってきており、自治体だけでの取り組みから他を巻き込んだ取り組みとその変化は感ずるところである。

しかし、納得いかないところは、地方創成という言葉である。

片方では、このままでは消滅してしまいますよ、と言いながら、自分で計画を立てないと金は出しませんよと、そして結果が出なければ金は出しません。と、これでは反対に呈のいい地方の切り捨てではないのかと思うのである。

今回の会議では、連携による地域活性化の観点から「都市の魅力づくりと交流・定住」についての課題を検討、議論することになる。


◇魅力ある都市とは・・・・

具体的な魅力のある都市とは、となるとやはり「住み続けたい」と思える都市となっているか、また、そういう都市を作っていかなければならない。住民に愛着の持たれるような都市を作っていくことである。

魅力の一つが仕事であろう、ここに住もうと思うにはまず自分があり、そこに家族が形成され、それを養っていくうえで必要不可欠となる仕事があるかどうかである。

しかし、私はここにも疑問をいだいている。それは、大都市東京を例えるとすると、仕事は東京に集中し、そこに仕事をほしい人たちが集まり、豊かな生活を支えているが、しかし、出生率は、といえば全国最低である。
仕事は有り余るほどあるが、これではどんどん逆に人口が減ってしまう。仕事があるから、人はあつまるが人口減少対策になるのかと言ったらならない。
仕事があるだけでなく、そこに住むに必要な仕事と地域の特色ある仕事の創出が大事なのではないかと思う。
 

観光を考えれば「また訪れたい」「ここに住んでみたい」と思える都市を創っていかなければならない、
ということであろう。
それは、大型の観光施設やレジャー施設を作るということではない。

最近の外国人が訪れる地として人気があるのは、東京と大阪を結ぶ通常の旅行商品ではなく、観光客個々の要求に答えるような傾向にあり、他の地域と様々な分野で差別化していくことが重要となってきている。

また、これまで民間で培ってきた技術や知恵がこれまでの商品開発や生産・販売に活かされてきたが、他の地域にやはり無い物を創っていくとが重要であると考える。


住み続けたい、ここに住みたい、また訪れたい、この三つの要素はそれぞれ違うもののようであるが、共通しているところも多くあるように思う。
それは地域性を生かせるかどうかではないかと、全国何千とある市町村は皆、地方創成を謳いこれからそれぞれ基本計画構想を打ち出し、それぞれが生き残りをかけて戦い抜き、いかにひとを増やしていくかが問われることとなる。
そこに住む住民が自ら考え抜き、真剣に行動していくことが、住む人にも訪れる人にも魅力のあるものになっていくのだろう。


◇連携による地域活性化は・・・

これまでも様々な分野、相手による連携が行われてきた。しかし、今までの連携は行政分野では公共サービスの効率化を求めるがゆえの連携にはある程度、行財政改革の名のもとにやってきた感があるが、こと地域活性化に対する連携となると、なかなかなじみがないと言ったところであろう。

なぜならば、役所というところの性格上、利益を求めない、
予算を消化することが、仕事であった時代だったからであろう。
これからは、そうは言っていられない、これまで国・県との上下的な連携だけでは、生産性なことは生まれない。

地域間、自治体間での水平的な連携が必要となってくるのではないか、自分の市だけが、というような観点ではその地域の特色を活かせないということであろう。

また、活性化を実践する人たちの連携である。地域には様々な製造業者や生産者、流通業者、宣伝業者などそれぞれが単独での付き合い程度でいままで仕事なり商品が出来てきたというのが今までの地方の現状だと思う。


◇本多成年・所感
これからの時代はそれぞれの分野の業種が多角的に関わり合うことによって、今までにないその地域の「特別」なものがうまれてくるのであろう。
行政ができること、それはこの「関わり合い」の場の提供、つまり異業種の人たちが自分の持っている素材をどのようにしたらわからないといった疑問を持っている場合コーディネートできるような場(場所と人材)をつくることではないかと思う。

例えば街中に自由に誰でも入れる「仕事場交流館」なるものをつくってホームページ上に、また館内のボードに開発したいものなどを登録・展示すると、日程調整したのち、その会場で様々な分野の方たちが自由に議論することができる、そんな環境がつくれればもっと新しい、どこに行っても同じお土産とかでないものがうまれてくるのではないか。


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【主報告】
報告者 長野県長野市長  加藤久雄
内 容 活き活き「ながの」元気な長野



加藤市長は長い企業経営に携わってきた経験を活かした行政経営なるものの主張があった。行政の無駄な部分を省き、力を入れるべきところに集中的に力を入れるとの経営感覚を述べられた。

市長に就任してから市の職員には「市民が幸せになるようお手伝いするのが市職員の役目である」との意識改革を促し、これを前提に職員には自ら積極的に挑戦する気持ちを持てるような土台造りをおこなってきた。

そこから人口減少に取り組む3つの施策を提案した。
1) 健康寿命、少子化対策、企業誘致などを推進し、定住人口の増加を図る。
2) 新幹線延伸に伴うにぎわいを生む観光などを推進し、交流人口の増加を図る。
3) 中山間地域や農林業振興などを推進し、特色ある地域づくりを図る。

以上の施策をお互いに絡めながら横断的に取り組んでいくことだとの説明があった。
今年4月からは新たに「人口減少対策課」を置いて取り組んでいるとのことである。


長野市の定住人口の増加に向けた魅力づくり
1) 少子化対策
  「子供未来部」を新設し、結婚から妊娠・出産、子育てまで相互的に支援する。
2) 移住・定住促進 
   東京事務所を設け、首都圏での移住定住セミナーを行い、相談員なども東京などに派遣している。
3) 働く場の確保
   現在企業とのミスマッチが課題。
   企業PR・就職情報サイト「おしごとながの」を運用、110社余りの企業の登録がある。


交流人口の増加に向けた賑わいの創出
1) 観光による交流人口の拡大 善光寺を軸にした観光商品の開発、「日本一の門前町 大縁日」などの企画実施、平成28年大河ドラマ「真田丸」決定による誘客。
2) スポーツを通じた交流人の拡大 冬季長野オリンピック時代の施設利用によるスポーツ誘致やサッカーJ1の松本山雅FCとJ2昇格を目指しているAC長野パルセイロの活躍からのスポーツ観戦拡大。
3) 住民自治の推進 市内32すべての地区にある「住民自治協議会」発足以来5年経過し、さらなる住民自らが地域を作り上げていく。
4) 中山間地支援 長野市全体の75%が中山間地であり、「やまざとビジネス支援補助金制度を設け、中山間地の資源を活用した事業の創出していく。
5) 農林業の振興 「いのしか対策課」による野生鳥獣対策とジビエ咽喉の両立。果樹やキノコ、アスパラや長芋などの全国的な産地であり、特色を活かした農業振興策を図っていく。


◇本多成年・所感
人口減少を克服するためには必ずとも成功した過去の例に倣うのではなく、これまでにない発想を大切にし、新たに挑戦することが重要である。
未来は「まつもの」でなく「つくるもの」であり、先人の努力の上に私達がいるのと同様に私達も努力し、未来は明るいんだ、との考えを今の子供たちがもてるような仕組みをいま作っていかなければならない。


 全国都市問題会議会場にて

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【一般報告】
報告者 立教大学観光学部兼任講師
内 容 都市の魅力づくりと交流・定住



【地方創生の柱は「観光地づくり」ではなく「観光地域づくり」】

・観光とは?  よそのお客様に来ていただくこと

・観光の意義とは? 観光交流がもたらす経済効果、活力、想像力が地域課題の解決を促進

・観光の理念とは? 「住んでよし」「訪れてよし」

・目指すは「観光地域づくり」 観光地域づくりとは、地域外の人々との観光交流(交流人口の増加、滞在時間の増加、消費金額の増加)から生じる様々な効果(経済効果、誇りの醸成、生きがいの創造)を地域のあるべき姿に向けた活動をいう。

・観光客のニーズや動向の変化を追い風にする 今の観光のキーワードは「地域らしさ」「まちあるき」「五感で味わう」が大事、街を歩いてその地域にしかない「自然や歴史・文化」「食・暮らし」など雰囲気を五感で楽しむ観光が人気となっている。



【住んでよしの課題を認識する】
住んでよしと思える内容としては、自然環境が良い、閑静な住宅地であるなどが挙げられるが
解決する地域の課題としては

1) 交通の便が悪い。
2) 買い物の便が悪い。
3) 地域社会とのつながりがない。
4) 生活環境が悪い。(ごみの収集や歩道がない)

などが挙げられるが、この課題をまず解決していくことが重要である。
そのうえで「訪れてよし」の活動に結び付けていくことである。



【訪れてよしの活動】市民の主体的な活動
1) まちをもっと知ってもらいたい。
2) まちに来てほしい。
3) まちに寄ってほしい。
4) まちの魅力や自慢のものを楽しんでほしい。
5) まちの暮らしを住民と一緒にたのしんでほしい。
6) まちで買い物をしてほしい。
7) まちの自然や歴史、伝統文化をたのしんでほしい。


◇本多成年・所感
以上の活動は、自分のまちに誇りをもてる、好きである、でないとできないことだと思う。 地域に関わり合いを持たない人が70%いるような現状があるらしいが、「ほしい」とする願望は、まず自分がこのまちに対して自慢できるかではないか。

テレビの番組で田舎を訪ねる番組があるが、レポーターが「この街のいいところをおしえてください」と言うくだりがあるが、その時に「この街にいいところなんてあったっけ」でなくて「ことと、あそこと、むこうがいいね、あれがおいしいよ」と即答できることである。
私達が地域自慢できるかどうかが今言う「おもてなし」なのかもしれない。




【観光地域づくりのための日本版DMO】
【日本版DMOとは】
Destination Marketing Organization と呼ばれ、観光地の観光振興でマーケティング機能を担うとともに、地域の主体者をマネジメントしていく、行政と民間が一体となった組織。

観光行政に税金を投入するにはデータが必要であり、マーケティング調査を誰がどうやるかであるが、以下の方法が最適である。

1) 観光協会がデータ(宿泊・収容人数)を集める。
2) 商店がデータ(来店人数・売り上げ金)などを集める。
※ フォーマットを作り、時間があればお客に聞く程度でよい。
統計ではないので、いい加減でよい、でないとつづかないから。

データを基にした戦略を練り、地域資源及び観光産業の付加価値の向上による地域経済全体の活性化を図ることが重要である。



【従来型の観光振興に対する総括】
1) マーケティングをおろそかにしていないか。
2) 成果のチェックがおこなわれているか。
3) まちのPRや情報発信に偏りがないか。
4) 一過性のイベントに終始していないか。
5) 一部の観光事業者だけの観光振興、観光協会になっていないか。
6) 行政主導、行政からの補助金でなり立つ観光協会主導になっていないか。
7) 発地の旅行会社主導になっていないか。


◇本多成年・所感
まずは、「いままでと同じことをしていればいい」という発想をやめることのようである。地方創生はちょうどよかったのかもしれない、消滅都市などという言葉が出てこなければ、これほど真剣に「館山市をどうにかしなければならない」との発想は出てこなかったと思う。


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報告者 地域再生プランナー 久繁哲之介
内 容 トレードオフで考える

副 題 コンパクトシティは、人口減少を加速する



【トレードオフとは】

トレードオフとは、「相反する関係」を言い企業経営の鉄則で当たり前に実践されているが、自治体ではうまく機能していない場合が多い。
要は「二兎追うものは一兎をも得ず」であり、つまり成功するには相反するどちらかの重要事項を「やらない・すてる」勇気が必要で、その厳しい意思決定に経営者(首長)の能力差が現れるようである。

コンパクトシティは生活する場を人口密集地に集約することは、
人口過疎地は捨てる政策という点ではトレードオフである。
しかし、注目すべきは出生率という点で見てみると、
地方対大都市でいうと地方のほうが圧倒的に出生率が高いことである。
つまり人口を増やそうと本気で考えるのなら、郊外と地方の活性化政策が有効ということが言える。



【子育て世代が郊外の住宅地を好む理由】
1) 自然が豊かで子供が外で元気に遊べる環境。
2) 収入が平均レベルでも、広い新築マイホームに手が届く。

これに対するトレードオフは

1) 子供の声がうるさいという高齢者のクレームで保育所が作れない。
2) 子供が公園で遊べない。
以上の問題は深刻な社会問題となっている。これは明らかに「人口減少(出生率の低下)問題に抱合されるべき本質的な問題である。

子供が楽しく発する声と、子供が過ごす施設から出る音は騒音ではないとの国民的な意識改革が必要ということである。



【人口減少の本質は人の意識】
日本の人口減少対策はどうすべきか、まず対策を世界的な視点から提示する。

1) 日本は「男らしさ・女らしさ」指標があって、世界でも非常に高いとされているそうである。
この指標が高いほど男・女らしさを求め、男女の価値観がずれる、競争で価値が決まるようになる。

この指標が低いほど男女の価値観が近づき家事・育児のどの女性と同じことを、男性が抵抗なく出来る、
と指摘している。
とすると、日本は指数の低いスエーデンやノルウェーなどと比べると出生率は非常に低いことを意味する。
日本が目指す「男女共同参画の理念」の実現が出生率の向上を目指すことになる。

2) 学歴別の出生率でいうと、高卒の方より大卒の方のほうが出生率が低い。

3) 30歳代の性別・雇用形態別の未婚率では、男性の正規就業者より非正規就業者のほうが未婚率が高い。女性では正規就業者より非正規就業者のほうが未婚率が低い、という事実がある。

男が女と同じことを対等に協同できるようになる。
意識がそう変わった時、日本の出生率が上がる。



◇本多成年・所感
今年の都市問題会議のテーマ「都市の魅力づくりと交流・定住」、基本計画・基本構想を策定中の館山市にとって、最適な会議であったと思う。
この会議では大学の先生の講義ばかりでなく、現在奮闘中の現職市長の話も聞けたことで、生の行政の取り組みと特に意気込みを聞けたこと、また、行政組織の地方創生対応の新たな課の創設など、具体的な今後の取り組みが紹介されたことは大変意義があった。

「地方創生・人口減少対策」このキーワードを解く鍵はやはり、「ひと」であるようだ。
しかも、一人ではない、二人でもない、男だけでもない、女だけでもない、人の輪が広がり、地域に広がり根づいていく、当たり前のようであるができていなかった。

特効薬がないのは解っている、ないものねだりはしない、あるものをみがいていく、
これは館山市長の日ごろの口癖である。
「地域」このワードを深く理解し、館山を愛し、館山に住みたいと思えるような街にしたい。
と心から思うことから始まる。


                             会派 市民クラブ 本多 成年








2015-11-04 up


市町村議会議員特別セミナー(市民クラブ)

「災害に強い地域づくり」


期 日:平成27年10月26日(月)・27日(火)
会 場:千葉県幕張  市町村職員中央研修所

Ⅰ)災害時の議会の役割 
Ⅱ)
東日本大震災被災地・南相市議会の経験とこれからの防災対策


毎年、このセミナーを楽しみにしている。
研修所の所長さんの見識と世間のニーズが的確に反映され、何度でも足を運びたくなる研修内容となっており、今年も東日本大震災から四年が経過し、地方創生に関心が向かっているときのこの時期に足元をもう一度確認しなければならないのではないか、と忠告されたような気がして素直に講義に耳を傾けることができた。






講演 災害時の議会の役割
講師 山梨学院大学法学部教授 大学院研究科長
   博士 江藤 俊昭 氏

   
「住民自治の根幹」としての議会を作動させる
                               作成者:本多 成年

◆災害時の議会の役割


1) 二元代表制における議会の役割


① 住民と議会、首長との三者間関係での
議会としての役割を自覚
② 住民自治の根幹としての議会として議決責任を自覚しているか。

議決責任の再確認をすることは、議決した意味を市民に対し説明する責任があることであり、そして執行部とのやり取りだけでなく、議員間討議をすることで問題をえぐりだし、第三の道を発見することにより市民に還元できることである。
議員の独善性を排除(調査研究をし、住民との意見交換など)することにより市民に寄り添った施策、政策の立案をすることができる。


2)議会・議員・首長の役割

① 首長=リーダーシップにたけており、緊急時には指導性を発揮する。
② 議会=多様な意見の集約の場、住民の意見収集とそれを踏まえた合議の場
③ 議会の構成員であり、地域のリーダーでもあるが、非代替性がある。



3)災害状況における議会の役割

①平時において災害時の計画策定に関わりをもち、地域防災計画、防災対策基本条例に携わっていき、特別委員会を設け、政策提言をしていく。
②地域経営の担い手としての自覚を持つ。



4)災害時期における議会の役割

初動期(発生から3日) 災害対策会議設置・安否確認・情報収集・地域活動
中 期(3から7日)   災害情報の収集・把握、共有、対策会議の指示に従う
後 期(7から1ヵ月)  議会機能の早期復旧、本会議委員会の開催、復旧予算の審議
平時移行(1ヵ月から)  平常時の議会運営体制、復興計画等の審議

※ 議会の役割は災害の際の各段階で違ってきていることを理解し、行政との連携をすることで合議体としての議会の機能性を発揮できることを確認した。



◆災害時における議会の対応


1)議会改革の意味(災害時)

① 個々の議員の単なる集合ではない(口利き活動を担う場ではない)
② インフォーマルで非公開の場での議員による要望実現は困難になりつつある。(口利き条例の制定)


2) ルール化をする意味(災害時どう動くか)

① 平常時と災害時をつなぐことの意味(つながないと議会はばらばらである。)
② 議会基本条例の中で災害時の対応を明確化させる。
③ 自治基本条例を策定し、その中で災害時の体系、対応を設ける。


3) 災害時における議会の対応

① BCP(事業継続計画)指針の必要性と目的を持つ
② 災害時の議会、議員の行動指針、役割の明確化
③ 災害時の行政区との関係
④ 想定する災害(種類・規模)
⑤ 議会事務局体制
⑥ 議会の体制
⑦ 情報の的確な収集
⑧ 議会の防災計画と防災訓練
⑨ 計画体系図(指揮命令系統の明確化)


◆【所 見

① 現在、館山市議会としては大災害が発生した場合の議会の対応や各議員の対応また、地域での情報収集した内容について、どのように行政に挙げていくかの指針もない状況であり、近々に議会としての指針を作る必要がある。

② 平常時に災害時の対応を明確にし、今後議会棟での避難訓練なども計画していくことも考えなければならない。

③ 館山市で創る災害対策マニュアル作成に議会としても参加し、市と議会との連携ができるようにする。

④ 自治体間やNPOとの連携を図るのはもちろんであるが、連携軸が明瞭となるよう横軸での柔軟な関係がとれるよう協議会が必要である。

⑤ 今後の課題として、タブレットを議員全員が持つことによって、情報の一括化を図る。






講演 東日本大震災被災地・南相馬市議会の経験とこれからの防災対策
講師 福島県南相馬市議会議長 平田 武 氏


南相馬市の概要(平成23年3月1日現在)

平成18年1月1日合併(小高町・鹿島市・原町が対等合併)
人 口 : 71,494人
世帯数 : 23,898世帯
面 積 : 398.50平方キロメートル


東日本大震災

発生日時: 平成23年3月11日14時46分
震源規模: 牡鹿半島の東南東130km付近、深さ24km マグニチュード9.0
震  度: 震度 6弱(南相馬市)
津  波: 14時49分に大津波警報が発令、相馬市の検潮所で15時51分 (最大波9.3m以上を観測した)


南相馬市の被害状況

(1)人的被害(平成27年6月17日現在)
   死 者   1,109人(内震災関連死473人 :移動中、入院中に死亡した場合)
   行方不明者 0人
   負傷者   59人

(2)住宅被害(平成27年7月31日現在)
   全世帯数 23,898世帯  被害世帯数4,832世帯  被災率20.21%


医療関係の状況

病院  施設数  震災前    8施設
         震災後    6施設(休止1・廃止1)
    病床数  震災前  1329床
         震災後   579床(56%減)
診療所 施設数  震災前  39施設
         震災後  27施設 (小島地区は7から0に減少)
歯科  施設数  震災前  33施設
         震災後  23施設 (小島地区は5から0に減少)


医療スタッフの推移

医師  震災前   87.91人
    震災後   73.80人  19.0%減(H26.12.1)
看護師 震災前  532.0人 
    震災後  382.8人   27.0%減
スタッフ 震災前   610.0人
    震災後  400.4人   37.0%減


健康・福祉関係の状況
要支援・要介護認定者の状況


震災前  2761人
震災後  3351人(590人増)
※ 要介護 4・5は78人減となっているが、死亡や他市に移転している関係である。

介護施設(入居系サービス)
施設数  震災前  15
     震災後  12
床 数  震災前  680
     震災後  591 (13.1%減)


所在確認の状況(H27年10月1日現在)

住民基本台帳人口 71,561人(H23.3.11)
市内居住者    47,397人 66.2%
市街避難者    10,852人 15.2%
転出者       9,084人 12.7%
所在不明者     4,228人  5.9%


◆【所 見】

震災前から震災後になってからの医療については、予想はしていたが予想以上に悪化しており、その悪化が4年経っている現在においても一向に改善されていない現状があることに驚く。ただ、震災前の人口まで現在戻っていない状況では結果的には仕方ないというところである。

医療を観てみると施設はあるが医療スタッフが明らかに減少しており、震災直後に急激に減少したところから多少の増はあったものの依然として震災まえには程遠い状況であり、弱い立場の人たちにとっては非常に厳しい状況と言わざるを得ない。

重度の要介護認定者の数が非常に減っているのは、やはり住みやすい環境が非常に悪化したせいによるものであり、南相馬市に本来ならば住んでいたいと思っている方であっても、仕方なくふるさとを離れて暮らさなければならない現状が見える。



南相馬市の原発による被災状況

南相馬市は、南北に長く南から小高区が原発から10kmで警戒区域また、避難指示解除準備区域、原町区が20km以内で緊急時避難準備区域、鹿島区が30km圏内からそれ以上でなんの指定も無かったり、原子力発電所からの距離によって大きく区域分けされ、所々に飛び地となって帰宅困難区域や居住制限区域となっており依然として住むことすらできない場所も存在している。

    支援の状況は距離によって、区域分けによって差があることを伺い、
    道路一つはさんで100万円の支援金の差があることも、との話を伺い、
    支援の差が住民の一体化を阻害しているとの話には唸るしかなかった。


おどろいたのは平成23年3月12日に原発から10km圏内の住民に避難指示が出てから、国からの南相馬市に対していまだに直接指示、連絡がなかった、避難指示はテレビや報道などメディアからの情報だけであったとの話や、日本にある58基の原発には日本製のガイガーカウンターは無く、全て外国製の品しかなかった、などの話にはいざ大災害が起こった時の国の対応の信用性に疑いを持った。

原発の立地についての話もあったが、原発から10km圏外には国の防災計画が必要ないとの話にも「なぜ」と感じた。原発の安全神話が崩壊した今、想定外の三文字が今後おどることのないよう、徹底した安全に対する施策をとらなければならない。


現在の状況
◇平成24年4月16日 
 警戒区域及び計画的避難区域を、避難指示解除準備区域、居住制限区域及び帰宅困難区域に見直し。
◇平成26年12月28日 
 特定避難勧奨地点を解除
◇平成28年4月   
 避難指示解除準備区域解除を目指している。

※ 依然として復興の二文字は程遠いと言ったところである。
  今後も更なる支援は必要との認識を新たにしたところである。



◆議会の活動状況

市議会災害対策会議の設置

3月15日に市議会災害対策会議を任意で発足させ、4月14日までは毎日、それ以降は週2回開催し、議員が独自に収集した情報や市民からの要望を議会として集約、整理し、災害対策本部に情報として提供した。


【議長の話】
議員個人の収集する正確な情報が伝わらず、不都合もあった。 合議体としての一定の役割は担うべきではないか。
議員は普段、地域に密着した活動を心がけるべきであり、そこに正確な情報をつかむことができるようになり、その情報が対策のもととなることを考えると、やはり普段の地域で信頼されるような活動が大事ということである。

50人以上の避難所を分担し、巡回して要望をあげた。対策会議を任意で開いた理由は、議員自身が被災し、親の介護をしなければならなかったり、2名ほど参加できない議員がいたからであった。


特別委員会の設置
5月11日に「東日本大震災及び原発事故対策調査特別委員会」を設置し、議会として組織的な活動を開始する。

1) 避難所現地調査 5月23日から6月2日まで延べ12日間、県外を含めた市外避難所37か所を訪問。
2) 仮設住宅現地調査 10月には市民が入居する市内外の仮設住宅を現地調査、
   延べ25日間、32か所を訪問、500人の参加があった。
3) 要望活動 現地調査などにより明らかになった問題について、県や国、関係機関への要望書を提出。


その他の議会活動
1) 委員会提出議案 
   福島県内すべての原発の廃炉を求める議決や高速道路の無料措置の延長や対象者の拡大を求める決議、
   また原子力損害賠償期間の延長を求める決議など。
2) 議員提出議案 原発被災損害賠償に関する意見書や原発再稼働反対の意見書、
   賠償金に対する免税措置を求める意見書など。
3) 被災市町村との連携 原発事故被災市町村議会連絡協議会を13市町村で設立や総決起集会による特別議決
   国や東電に要望活動。

復興には
スピード感が大事
1) 放射能の除染と除染廃棄物の処理が進まないと帰還が始まらない。
2) 時間の経過により帰還への意欲が減退する。
3) 避難生活の長期化により地域コミュニティが崩壊する。

長期的な戦いとなる
1) セシウム137の半減期は30年である。
2) 核燃料の取り出しに30年かかる。
3) 国の「森林除染は必要ない」は受け入れがたい。
4) 長期にわたる健康被害の対策が必要である。


◆【所 見】

大熊地区での放射性廃棄物中間貯蔵施設である土地の所有者の2300名いる内の6名しか名前をもらっていないため、決まらない。

汚染米が出ているが、原因がわからない状況であり、農業の復興や原発の汚染水の海への放流など漁業などへの影響は計り知れない。

山の除染をしないことで、周辺の除染した場所の放射能濃度が戻る傾向があるとの話を聞くと、はたして国や東電の話をそのままうのみにすることはできない。

行政組織が一度崩壊したのちの組織の組み立てに大変苦労した様子が伺え、平時での広域での連携や、援助体制を作っておかなければならない。

緊急災害時には、平時に普通にできることが10分の1程度しかできない状況が起こることが当たり前となる。
「訓練でやっていること以上のことは、絶対できないことを肝に命ずるべきである」
との議長の話は本当に胸をうつ言葉として心に残った。

                                         
作成者 本多 成年

 





2015-10-21 UP 

 第77回 全国都市問題会議
 

期 日  平成27年10月8日(木)・9日(金)
会 場  長野市 ホクト文化ホール
議 題  都市の魅力づくりと交流・定住
副 題  人口減少社会に立ち向かう 連携の地域活性化戦略


毎年、全国都市問題会議に会派「市民クラブ」として出席しておりますが、
今年はどこの地方都市でも最大の関心事である地方創成に対する処施策についての内容とあって、
全国各市から2,200名余りの市長・議会議員が集まり、
講演やパネルディスカッションに耳を傾け、皆さん真剣な眼差しで聞き入っていました。


今年の議題「都市の魅力づくりと交流・定住」について、
日本創成会議から「消滅都市」というショッキングな言葉が提議され、
全国自治体は恐怖におののき、右往左往したのはまだ昨年のことで、
現在人口減少に向けた基本計画と総合計画づくりに館山市においても策定中のところであり、
この会議での議論も是非参考にさせていただきたいところであります。


これまでの地方の戦略、
これは大都市が抱えている問題と地方の抱えている問題を一元的に国が今までのように管理し、
交付金という形で地方に分配し、地方の繁栄を築いてきたこととは違い、
地方の自治体がそれぞれの責任において、地域の特性を活かした活性化を図らなければならないということか、しかしながら、これまでの自治体は地域の公共サービスを提供する役割を担ってきてはいるが、自前で国の指針なしに自治体だけで何か成し遂げてきた実績があるわけではなく、一年間でこれからの5年、10年の計画をたて、実績を上げなければ、補助金・交付金を出さないというような国のやり方が、はたして良いのか議論しなければなりません。

まあ、このところは自治体と、住民、事業者、NPO、大学などとの協働や連携による課題に
対する取り組みも多くなってきており、自治体だけでの取り組みから他を巻き込んだ取り組みと、その変化は感ずるところです。


しかし、納得いかないところは、地方創成という言葉である。
片方では、このままでは消滅してしまいますよ、と言いながら、
自分で計画を立てないと金は出しませんよと、そして結果が出なければ金は出しません。
これでは反対に ”呈のいい地方の切り捨て” ではないのか、と思います。

今回の会議では、連携による地域活性化の観点から「都市の魅力づくりと交流・定住」についての課題を検討、議論することになります。


魅力ある都市とは・・・・

具体的な魅力のある都市とは、となるとやはり「住み続けたい」と思える都市となっているか、
また、そういう都市を作っていかなければならない。
住民に愛着の持たれるような都市を作っていくことだと思います。

魅力の一つが仕事であろう、ここに住もうと思うにはまず自分があり、
そこに家族が形成され、それを養っていくうえで必要不可欠となる仕事があるかどうかである。

しかし、私はここにも疑問をいだいています。
それは、大都市東京を例えるとすると、仕事は東京に集中し、そこに仕事をほしい人たちが集まり、
豊かな生活を支えているが、しかし、出生率は、といえば全国最低であります。
 
仕事は有り余るほどあるが、これではどんどん逆に人口が減ってしまう、
仕事があるから、人はあつまるが人口減少対策になるのかと言ったらならない。
仕事があるだけでなく、そこに住むに必要な仕事と地域の特色ある仕事の創出が大事なのではないかと思います。
 
観光を考えれば「また訪れたい」「ここに住んでみたい」と思える都市を創っていかなければならない、ということであると思います。

それは、大型の観光施設やレジャー施設を作るということではない、 
最近の外国人が訪れる地として人気があるのは、東京と大阪を結ぶ通常の旅行商品ではなく、
観光客個々の要求に答えるような傾向にあり、他の地域と様々な分野で差別化していくことが
重要となってきています。

また、これまで民間で培ってきた技術や知恵がこれまでの商品開発や生産・販売に活かされてきたが、他の地域にやはり無い物を創っていくとが重要であると考えます。

住み続けたい、ここに住みたい、また訪れたい、この三つの要素はそれぞれ違うもののようであるが、共通しているところも多くあるように思います。

それは地域性を生かせるかどうかではないかと、
全国何千とある市町村は皆、地方創成を謳いこれからそれぞれ基本計画構想を打ち出し、それぞれが生き残りをかけて戦い抜き、いかにひとを増やしていくかが問われることとなります。

そこに住む住民が自ら考え抜き、真剣に行動していくことが、
住む人にも訪れる人にも魅力のあるものになっていくのだろうと思います。


連携による地域活性化は・・・・


これまでも様々な分野、相手による連携が行われてきました。
しかし、今までの連携は行政分野では公共サービスの効率化を求めるがゆえの連携にはある程度、行財政改革の名のもとにやってきた感があるが、こと地域活性化に対する連携となると、なかなかなじみがないと言ったところでしょう。

なぜならば、役所というところの性格上、利益を求めない、予算を消化することが、仕事であった時代だったからでしょう。 

これからは、そうは言っていられない、これまで国・県との上下的な連携だけでは、生産性なことは生まれない。 

地域間、自治体間での水平的な連携が必要となってくるのではないか、自分の市だけが、というような観点ではその地域の特色を活かせないということでありましょう。

また、活性化を実践する人たちの連携である。
地域には様々な製造業者や生産者、流通業者、宣伝業者などそれぞれが単独での付き合い程度で、いままで仕事なり商品が出来てきたというのが、今までの地方の現状だと思います。


これからの時代はそれぞれの分野の業種が多角的に関わり合うことによって、
今までにないその地域の「特別」なものがうまれてくるのでありましょう。

行政ができること、それはこの「関わり合い」の場の提供、つまり異業種の人たちが
自分の持っている素材をどのようにしたらわからないといった疑問を持っている場合
コーディネートできるような場(場所と人材)をつくることではないかと思います。


例えば、街中に自由に誰でも入れる「仕事場交流館」なるものをつくってホームページ上に、
また館内のボードに開発したいものなどを登録・展示すると、日程調整したのち、
その会場で様々な分野の方たちが自由に議論することができる、
そんな環境がつくられればもっと新しい、どこに行っても同じお土産とかでないものが
うまれてくるのではないかと思います。



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主報告】
報告者 長野県 長野市長 加藤久雄
内 容 活き活き「ながの」元気な長野


加藤市長は長い企業経営に携わってきた経験を活かした行政経営なるものの主張がありました。
行政の無駄な部分を省き、力を入れるべきところに集中的に力を入れるとの経営感覚を述べられた。

市長に就任してから市の職員には
「市民が幸せになるようお手伝いするのが市職員の役目である」との意識改革を促し、
これを前提に職員には自ら積極的に挑戦する気持ちを持てるような土台造りをおこなってきました。

そこから人口減少に取り組む3つの施策を提案しました。
1)健康寿命、少子化対策、企業誘致などを推進し、定住人口の増加を図る。
2)新幹線延伸に伴うにぎわいを生む観光などを推進し、交流人口の増加を図る。
3)中山間地域や農林業振興などを推進し、特色ある地域づくりを図る。

以上の施策をお互いに絡めながら横断的に取り組んでいくことだとの説明がありました。 
今年4月からは新たに「人口減少対策課」を置いて取り組んでいるとのことです。


【長野市の定住人口の増加に向けた魅力づくり】

1)少子化対策 「子供未来部」を新設し、結婚から妊娠・出産、子育てまで相互的に支援する。
2)移住・定住促進 東京事務所を設け、首都圏での移住定住セミナーを行い、
  相談員なども東京などに派遣している。
3)働く場の確保 現在企業とのミスマッチが課題。
  企業PR・就職情報サイト「おしごとながの」を運用、110社余りの企業の登録がある。


【交流人口の増加に向けた賑わいの創出】

1)観光による交流人口の拡大 善光寺を軸にした観光商品の開発、
  「日本一の門前町 大縁日」などの企画実施、平成28年大河ドラマ「真田丸」決定による誘客。
2)スポーツを通じた交流人の拡大 冬季長野オリンピック時代の施設利用によるスポーツ誘致や
  サッカーJ1の松本山雅FCとJ2昇格を目指しているAC長野パルセイロの活躍からのスポーツ観戦拡大。
3)住民自治の推進 市内32すべての地区にある「住民自治協議会」発足以来5年経過し、
  さらなる住民自らが地域を作り上げていく。
4)中山間地支援 長野市全体の75%が中山間地であり、
  「やまざとビジネス支援補助金制度を設け、中山間地の資源を活用した事業の創出していく。
5)農林業の振興 「いのしか対策課」による野生鳥獣対策とジビエ咽喉の両立。
  果樹やキノコ、アスパラや長芋などの全国的な産地であり、特色を活かした農業振興策を図っていく。


【結 び】
人口減少を克服するためには必ずとも成功した過去の例に倣うのではなく、
これまでにない発想を大切にし、新たに挑戦することが重要であります。
未来は「まつもの」でなく「つくるもの」であり、先人の努力の上に私達がいるのと同様に私達も努力し、
未来は明るいんだ、との考えを今の子供たちがもてるような仕組みをいま作っていかなければなりません。

  長野市 加藤久雄 市長

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【一般報告】
報告者 立教大学観光学部兼任講師
内 容 都市の魅力づくりと交流・定住



【地方創生の柱は「観光地づくり」ではなく「観光地域づくり」】
・観光とは?    よそのお客様に来ていただくこと

・観光の意義とは? 観光交流がもたらす経済効果、活力、想像力が地域課題の解決を促進

・観光の理念とは? 「住んでよし」「訪れてよし」

・目指すは「観光地域づくり」 
 観光地域づくりとは、地域外の人々との観光交流(交流人口の増加、滞在時間の増加、消費金額の増加)
 から生じる様々な効果(経済効果、誇りの醸成、生きがいの創造)を
 地域のあるべき姿に向けた活動をいう。

・観光客のニーズや動向の変化を追い風にする 
 今の観光のキーワードは「地域らしさ」「まちあるき」「五感で味わう」が大事、
 街を歩いてその地域にしかない「自然や歴史・文化」「食・暮らし」など雰囲気を五感で楽しむ観光が
 人気となっている。


【住んでよしの課題を認識する】
住んでよしと思える内容としては、自然環境が良い、閑静な住宅地であるなどが挙げられるが解決する
地域の課題としては
1) 交通の便が悪い。
2) 買い物の便が悪い。
3) 地域社会とのつながりがない。
4) 生活環境が悪い。(ごみの収集や歩道がない)

などが挙げられますが、この課題をまず解決していくことが重要です。
そのうえで「訪れてよし」の活動に結び付けていくことです。


【訪れてよしの活動】市民の主体的な活動
1) まちをもっと知ってもらいたい。
2) まちに来てほしい。
3) まちに寄ってほしい。
4) まちの魅力や自慢のものを楽しんでほしい。
5) まちの暮らしを住民と一緒にたのしんでほしい。
6) まちで買い物をしてほしい。
7) まちの自然や歴史、伝統文化をたのしんでほしい。


(所感)
以上の活動は、自分のまちに誇りをもてる、好きである、
でないと、できないことだと思います。
地域に関わり合いを持たない人が70%いるような現状があるらしいですが、
「ほしい」とする願望は、まず自分がこのまちに対して自慢できるかではないか。

テレビの番組で田舎を訪ねる番組があり、
レポーターが「この街のいいところをおしえてください」と言うくだりがあるが、
その時に「この街にいいところなんてあったっけ」でなくて
「ここと、あそこと、むこうがいいね、あれがおいしいよ」と即答できることです。
私達が地域自慢できるかどうかが、いま言う「おもてなし」なのかもしれません。



【観光地域づくりのための日本版DMO】


【日本版DMOとは】
Destination Marketing Organization と呼ばれ、観光地の観光振興でマーケティング機能を担うとともに、
地域の主体者をマネジメントしていく、行政と民間が一体となった組織。

観光行政に税金を投入するにはデータが必要であり、マーケティング調査を誰がどうやるかであるが、
以下の方法が最適である。
1)観光協会がデータ(宿泊・収容人数)を集める。
2)商店がデータ(来店人数・売り上げ金)などを集める。
※ フォーマットを作り、時間があればお客に聞く程度でよい。
  統計ではないので、いい加減でよい、でないとつづかないから。

データを基にした戦略を練り、
地域資源及び観光産業の付加価値の向上による地域経済全体の活性化を図ることが重要です。


【従来型の観光振興に対する総括】

1) マーケティングをおろそかにしていないか。
2) 成果のチェックがおこなわれているか。
3) まちのPRや情報発信に偏りがないか。
4) 一過性のイベントに終始していないか。
5) 一部の観光事業者だけの観光振興、観光協会になっていないか。
6) 行政主導、行政からの補助金でなり立つ観光協会主導になっていないか。
7) 発地の旅行会社主導になっていないか。


(所感)
まずは、「いままでと同じことをしていればいい」という発想をやめることのようです。 
地方創生はちょうどよかったのかもしれません、消滅都市などという言葉が出てこなければ、
これほど真剣に「館山市をどうにかしなければならない」との発想は
出てこなかったと思います。


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報告者 地域再生プランナー 久繁哲之介
内 容 トレードオフで考える
副 題 コンパクトシティは、人口減少を加速する



【トレードオフとは】

トレードオフとは、「相反する関係」を言い企業経営の鉄則で当たり前に実践されているが、
自治体ではうまく機能していない場合が多い。
要は「二兎追うものは一兎をも得ず」であり、
つまり成功するには相反するどちらかの重要事項を「やらない・すてる」勇気が必要で、
その厳しい意思決定に経営者(首長)の能力差が現れるようです。


コンパクトシティは生活する場を人口密集地に集約することは、
人口過疎地は捨てる政策という点ではトレードオフです。

しかし、注目すべきは出生率という点で見てみると、
地方対大都市でいうと地方のほうが圧倒的に出生率が高いことです。
つまり人口を増やそうと本気で考えるのなら、郊外と地方の活性化政策が有効ということが言えます。


【子育て世代が郊外の住宅地を好む理由】
1)自然が豊かで子供が外で元気に遊べる環境。
2)収入が平均レベルでも、広い新築マイホームに手が届く。

これに対するトレードオフは
1)子供の声がうるさいという高齢者のクレームで保育所が作れない。
2)子供が公園で遊べない。

以上の問題は深刻な社会問題となっている。
これは明らかに「人口減少(出生率の低下)問題に抱合されるべき本質的な問題である。


(所感)
子供が楽しく発する声と、子供が過ごす施設から出る音は騒音ではないとの
国民的な意識改革が必要ということです。



【人口減少の本質は人の意識】

日本の人口減少対策はどうすべきか、まず対策を世界的な視点から提示します。

1)日本は「男らしさ・女らしさ」指標があって、世界でも非常に高いとされているそうである。
  この指標が高いほど男・女らしさを求め、男女の価値観がずれる、競争で価値が決まるようになるます。
  この指標が低いほど男女の価値観が近づき家事・育児のどの女性と同じことを、男性が抵抗なく出来る、
  と指摘している。
  とすると、日本は指数の低いスエーデンやノルウェーなどと比べると
  出生率は非常に低いことを意味します。
  日本が目指す「男女共同参画の理念」の実現が出生率の向上を目指すことになるます。

2)学歴別の出生率でいうと、高卒の方より大卒の方のほうが出生率が低い。

3)30歳代の性別・雇用形態別の未婚率では、男性の正規就業者より非正規就業者のほうが未婚率が高い。
  女性では正規就業者より非正規就業者のほうが未婚率が低い、という事実があります。


(所感)
男が女と同じことを対等に協同できるようになる。
意識がそう変わった時、日本の出生率が上がります。



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【まとめ】

今年の都市問題会議のテーマ「都市の魅力づくりと交流・定住」、
基本計画・基本構想を策定中の館山市にとって、最適な会議であったと思います。 

この会議では大学の先生の講義ばかりでなく、現在奮闘中の現職市長の話も聞けたことで、
生の行政の取り組みと特に意気込みを聞けたこと、
また、行政組織の地方創生対応の新たな課の創設など、
具体的な今後の取り組みが紹介されたことは大変意義がありました。

「地方創生・人口減少対策」このキーワードを解く鍵はやはり、「ひと」であるようです。
しかも、一人ではない、二人でもない、男だけでもない、女だけでもない、
人の輪が広がり、地域に広がり根づいていく、当たり前のようであるができていなかった。

特効薬がないのは解っている、ないものねだりはしない、あるものをみがいていく、
これは館山市長の日ごろの口癖です。 
「地域」このワードを深く理解し、館山を愛し、館山に住みたいと思えるような街にしたい。
と、心から思うことから始まります。

                              本多成年

   館山市議会議員
 会派「市民クラブ」
 本多成年
 





2015-09-26 up
 
 オープンウオータースイミング リオ五輪にむけて
 
 会派「 市民クラブ」取材報告本多成年  
 
OWSジャパンオープン2015館山が23日の日曜日に北条桟橋脇の北条海岸で開催されました。

館山市が長年OWSに関わってきたこともあり、
波穏やかな鏡ケ浦が日本のトップスイマーに「いい記録でがんばってください」と言わんばかり、
来年のリオデジャネイロ五輪への世界最終予選会への選考を兼ねた大会がご当地、
館山湾で行われようとはほんとにうれしいですね。

すでに初代スポーツ庁の長官に内定している大会会長の鈴木大地・日本水連会長の挨拶があり、
そのあと、館山市長からこの大会から館山スポーツ大使に、
先月リオ五輪プレ大会で二位になった平井康翔(やすなり)選手に委嘱状が手渡されました。

   スポーツ庁(10/1発足) 初代長官 内定
 日本水連会長
 大会会長・鈴木大地 氏

 鈴木大地 会長(写真左)
 私・本多成年(右)
 
  鈴木大地 会長あいさつ 、後方左端 金丸謙一市長


いよいよレーススタートです。
男子48名、2分のインターバルの後、女子31名が10kmの長距離を競い合います。

室内とは異なり、波が穏やかではありましたが、それでもうねりのある海での競泳は見ていても迫力があり、
長距離を泳ぐだけあって水分の補給の仕方(5mの棒の先に飲物のボトルが取り付けてある)などの工夫も、
オープンウオーターだけあって面白く拝見させていただきました。

皆さん、男子では平井選手が2時間59秒で、女子では貴田裕美選手が2時間12分28秒で優勝しました。
今日、スポーツ大使に任命されたばかりの平井選手が優勝なんて、こんな宣伝効果はありませんよね、
平井選手には館山の魅力を是非外国の皆さんに広めていっていただきたいですね。

 

OWSは海で10kmを泳ぐスポーツですが、陸上競技ではマラソンに匹敵する強靭な体力と、
持久力が必要で当然2020年東京オリンピックでは東京近郊での開催となる訳ですが、
館山市がいま一番、合宿地としてアピールしたいところですね。

この大会の成功を足掛かりとして、どんどんこれから館山の魅力を伝えられたらと思います。
いつも思うことですが、「おもてなし」。
応援者で地元の方の姿がないことですね。

とにかく館山の人達が主催者に対し心から館山での開催を望んでいるんだ、
と思っていただけるような迎え方をしたいな~。
と思っているのは私だけでしょうか。
 





2015-08-03
 
 市民クラブ会派視察
 
館山市議会議員 会派「 市民クラブ」 本多成年  
 
 
ごみ処理広域化施設建設事業候補地
 
       現在3市1町(安房郡市広域市町村圏事務組合)で計画している焼却場について、 
     館山市議会公明党の龍崎氏から大貫に計画されている候補地について視察の話をお聞きし、 
     我が市民クラブの有志も同行させていただきたいとの話をしたところ、
     快諾していただいたので市民クラブからも4名(本橋亮一・本多成年・石井敬之・太田 浩
     の議員と、公明党3議員で南房総市大貫の計画候補地を視てまいりました。  
 
 
     今現在、進められている計画についての言及はここでは差し控えたいと思いますが、 
     まずは計画地についての認識を深め、計画地の立地、運行道路状況、
     3市1町での位置関係などを具体的に知ることで、 
     まずは場所についての認識を深めたいとの当初の目的は達成できたと思います。
 
 
     県道館山大貫線の大貫交差点からグリーンラインに乗り、白浜方面へ車で走り、 
     5、6分で左側に「菅田の滝」の看板が見えたあたり左側の山林や沢が候補地と理解しました。 
     かなり深い沢や杉林に囲まれた人里離れたところではあるが、 
     場所としては候補地としては地元の理解が得られているようであれば、良いのかと思いますが、 
     同行した議員からは、沢の深さから造成に費用が掛かるのではないか、との疑問もありました。
 
 
     私達議員は、それぞれ現在「安房郡市広域市町村圏事務組合」から様々な資料を基に、
     計画が進められている「ごみ処理広域化に係る施設建設事業」について精査し検討しており、 
     環境アセスメントの結果等を視ながら推移を見守っている状況であります。 
 
     館山市議会からも、広域組合の会合に議員を派遣し、
     状況などを聞きながら今後の状況の把握に努め、皆様にその結果を報告していきます。  





2015-07-01 掲載


 ごあいさつ」
 
    市民クラブHPへお越しいただき、ありがとうございます。
 
    「市民クラブ」は、館山市議会の中にあって、
    保守本流の思想と目的を持つ政策提言集団です。 
 
    保守系として、常に市民目線に立ち、時には執行部(行政)に対し苦言を呈し
    是々非々で議論を交わしながら、市民の為の施策であるかを
    常にチェックしながら、よりよい施策として提供できるよう努めてまいります。   
 
館山市議会  市民クラブ会派代表 吉田恵年





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